【台湾一周12】頭城、ぶらり途中下車の旅
朝の花蓮駅。曇り空。南からくると異様に寒いが、今日から寒くなったとか。短パンから長いパンツへ。Tシャツにフリース、ウィンドブレーカーと最大限の防寒をする。
今日は列車なので朝も余裕がある。駅近くの食堂で、ビーフンと魚丸かな?のスープ。特に言及に値するほどではないが、体が温まる。
駅、改札。自動改札含めて、完全に日本。
出発は、9時33分発の『宜蘭』行き。チケットは終点まで買ってしまったが、怖い区間だけ避けるので、途中下車する。
自転車OKは8号車とのことだったが、ホームに行ってみるとちゃんと、「自転車ここ」のマークがある。素晴らしい。
と思ったが、乗車する列車は、この位置ではなかった。列車によって、長さも違うからだろうか。
さて、乗車。てっきり自転車を止める器具があったり、自転車を停めやすいようにがらんどうの貨物車みたいな車両をイメージしていたのだが、完全に普通の車両。最後尾というだけだった。
台湾人女子5人組のチャリダーと一緒に乗り込む。「環島11日目」というと「ほえー」と驚いていた。現地でも、そうそうやる人はいないのかな。
ちなみに自転車の乗車賃は大人の半額。載せられる列車は決まっていて、サイトなんかでは該当列車に「自転車マーク」がついている。通勤時間など混雑する時間、時期は載せられないらしい。
分解して輪行バックに入れたりしなくていいので助かる。こういう国ならベビーカーが乗ってきても「ちっ」とか言われないだろう。
自転車は普通に停めているだけなので、列車が大きく揺れると倒れそうになる。が、比較的スムーズなので、ご飯食べたり、スマホいじったり、撮影に興じたりとみんな遠足気分だ。
2駅目で、ファミリーチャリダーが乗ってきた。子供は小学生低学年くらいかな。走っていると、長い距離を頑張って走る小さい子ともよくすれ違う。この国だとストライダーなんか飛び越えて、即実車なのかな。たくましい。
海を見ながら、鈍行で行く、ぶらり途中下車の旅だ。座ってるだけで動く。楽だなー。
ただ行程の半分くらいはトンネル。やっぱり険しい山間の区間なんだろう。
走ること1時間ちょい。目的地に着いた。
みんなも下車。山を超えたら、天気がいい!
エレベーターもあるのだが、この人数が乗ったら大変だ。そのためか、階段にもちゃんと自転車用の道が整備されている。自転車との列車旅は、チケット購入から下車まで、なんともスムーズだった。
さて、駅から30分ほど走ったら、大通り。晴れてる。しかし向こうの山には分厚い雲がかかっている。油断はできない。
田舎道なのかな。お店や家は少なく、通り沿いにはドーンと大きな寺とかがたくさん鎮座している。
天気がいいのはよかったが、風がめっぽう強い。向かい風。天気予報を見ると、風速20m/hを超えている模様。相当の強風だ。
ただ、これまで900km走ってきて、西海岸でも強烈な風を体感している。心の中で、「なんとかなる、これまでもなったし」という経験、自信があるので心に余裕が生まれている。きついけれども、悲観はない。
こういう感覚が人間の潜在能力を拡張させ、低下する体力を補ってくれるのかな。そう考えると、歳をとってこそ、新しい経験や刺激は必要なんだと思う。
おーいよいよ標識に『台北』の文字が。10日ぶりくらいかな。
台北を東京とするなら、関東地方に入ってきたような感じか。
そして強風に煽られること2時間ちょい。目的地の『頭城』に到着した。
宿に着くと、流暢な英語を話すドレッドの台湾人女性が対応。続いて、こちらもドレッドの白人男性が宿内を説明してくれる。住み込みのスタッフのようだ。コーヒーや紅茶は飲み放題、朝ごはんには食パンもあるよとのこと。
階段の踊り場がドミトリーになっているのだが、仕切りのカーテンがたくさんあるので、シングルルームみたいなプライベード感があっていい。
と思ったが、壁がないので、上下3階分の他人の話し声や物音、いびきが響き渡るので結構な音量だった。
頭城は小さな田舎町といった風情。必要十分だが、さほど高い建物もない。つまらん街かなと歩いていたが、そうはいってもそれなりに個性はあった。
駅横には、古民家風のカフェ。なんと日本のスノーピークとコラボしていた。
その横も古民家風のレストラン。靴脱いで入るジャパニーズスタイルだ。
これらは日本統治時代に建築された台湾鉄道の旧駅長宿舎や旧職員宿舎の日本式建築が補修改装され、ギャラリーやカフェなどとして利用されているそうだ。
脇道には、いきなりアート路。
この人の絵がたくさん飾られていた。
「頭城老街」。清時代から日本統治時代にかけて築かれた数々の美しい建築物を見ることができるというので覗いてみた。
これは日本統治時代の大正建築の赤煉瓦造りの洋館。保存状態も良く、頭城老街を代表する建築物の一つとなっているというのだが、知らないとそのまま通り過ぎそうな雰囲気だった。
頭城はこれら以外にも、いろいろ見所ある観光名所らしい。台北からも列車で来られるし、こんな洒落た素敵なお店もあった。
フラフラ町外れまで歩いてきたら、いきなり野犬に吠えられ、肝を冷やした。狂犬病ではないだろうが、咬まれたら大変だ。全速力で逃げた。
台湾はとにかく野犬が多い。
町はすこぶる便利だし、近代的で洒落てもいる。日本と同じものも買える。でも野犬がたくさんいたり、衛生面もまだまだ改善の余地がある。この辺りが急発展しているがゆえなのだろう。
最後は夕飯。「味噌湯」とあったので、まさかと注文してみたら、完全に「お味噌汁」だった。豆腐もさいの目に切られていて、美味しかった。台湾のご飯も美味しいけど、やっぱり0.5ゲーム差で日本食がいい。
さあ、台北まで残り100km弱。もはや1日走れば帰れる距離だが、少し遠回りする。
明日は噂の「九份」に行ってみる。
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