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michinoxa 1st albam 『ゆりかごから』小話(5) 玻璃の心臓

1stアルバム『ゆりかごから』の各楽曲について語る連載です。



2024.05.12 release
michinoxa 1st albam 『ゆりかごから』
1. 203 (feat. 知声)
2. みんないなくなってく (feat. 重音テト)
3. 中の下 (feat. 知声) [2024 Remaster]
4. potta-potta (feat. 知声) [2024 Remaster]
5. 玻璃の心臓 (feat. 知声) [2024 Remaster]
6. Fundamental (feat. 知声) [2024 Remaster]
7. 謎の液体と青い粉末 (feat. 知声)
8. 羽をもがないで (feat. 花隈千冬)
9. 157 (feat. 重音テト)
10. パーソナル (feat. 知声) [2024 Remaster]
11. 君のこと信用してないよ (feat. 知声)
12. ゆりかご (feat. 花隈千冬)

 ↓ Click here to listen ↓



曲全体の話

『玻璃の心臓』という曲名

要は「ガラスのハート」と同じ意味なのですが。
「玻璃」と「ガラス」は伝わってきた時代が違うらしいです

硝子よりも玻璃のほうが、格好いいかなって思って……

それはさておき、
1番サビの歌詞の通り
「悪びれているし攻撃的で、本当の心は脆い人」を描きたくて、この曲名にしました。
また、そのテーマで最初に思い浮かんだ光景として、「デジタルネイティブ」「SNSの誹謗中傷」を描いています。


幼少期からブルーライトを浴びせ続ける実験の途中
疲れた身体横たえても
心休まることはないのさ

青信号赤く塗れ
ペンキ持って塗りたくれ
1個200円のカヌレ
手掴みで噛みちぎれ
マスク外して唾を吐け
低空飛行の燕
でもたしかに脈打つよ玻璃の心臓は

砕けた心のかけら構えて見知らぬ人刺した




知声さん! 呂律が!

当時、ボーカルに知声しか選択肢がなかった自分は、あらゆる曲を知声に歌ってもらっていました。(203でも触れてます

本作もその1つで、
「知声の曲にしては治安悪いな〜 でも「ニュートンやアインシュタインのおこぼれもらって生きてる」は割と合ってるし……」
と、無理矢理 知声さんにねじ込みました。

治安の悪い歌詞よりも もっと知声さんに向いていない要素があることを、当時の自分は知らなかったのです。

それが早口です。

まーー呂律のま〜〜わらんこと、まわらんこと。

発音の調整は、本作で1番苦労したところの1つですね。
母音を削ったり、
子音の発音を違和感がないぎりぎりまで短くしたり、
何とか歌詞がそれなりに聞き取れるところまで調声をしました。


内容

『203』と同じ世界観、同じ架空の女性をモデルにしています。

  • 真っ当なレールから外れた「人生不適合者」

  • 自分なりに人生を矯正し、生き抜こうとしている

本アルバム『ゆりかごから』は大人から始まって、曲が進むにつれてどんどん幼くなっていく作りにしていますので、
『玻璃の心臓』は『203』よりも過去で、彼女がより若い時期の曲です。

本記事では彼女を「ワル子」と呼ぶことにします。ワルそう。



悪い子ぶろうとしたら食いしん坊みたいになった

食べ方のマナーがなってないことで悪びれようとしたら
甘いものを食べる描写が2箇所も登場してしまい、
どちらかといえば
「食いしん坊」
「甘党」
な印象になってしまいました。

しかもヨックモックとかカヌレとか、
育ちの良さそうな、比較的高級なお菓子ばかりになってしまい
全然悪い子印象がつきませんでした。


ヨックモックのシガール


カヌレ


せめてもっと駄菓子っぽいものにすればよかったですね。
呪術廻戦ウエハースとか。

呪術廻戦ウエハース


キャベツ太郎とか。

キャベツ太郎

弁明させてもらうと。
自分の脳内には以下の設定があります。

ワル子ちゃんを拾ったロリ婆(ここでは「ロリ江さん」とします)がいます。
ロリ江さんが大家をしている古いアパートにワル子は住んでいます。
ロリ江さんはどういう繋がりか、よく東京に行って(舞台は東京から離れた片田舎)
お土産として綺麗な洋菓子やら和菓子やらをワル子に餌付け、ではなく振る舞っているんですね。
ワル子はロリ江さんのカーペット敷きの部屋で
革張りの椅子に片膝立ててシガールをばりばり食べ散らかすわけです。
そうしてロリ江さんに懐柔されると。

こういったイメージを自分で形にできるようにしたいですね。
イラストレーション、アニメーション、CGとか勉強したい。


格闘技

隠れテーマとして、格闘技要素をを歌詞の端々に散りばめています。
格闘技見てない方でX見てる方なら何となくご存知かもしれませんが、
今格闘技界で有名な選手って「強い選手」というよりも「SNSを騒がせている選手」なんですよね。
主戦場がリングやケージではなく、SNSなわけです。
そこで、SNSをリングに見立てて、見知らぬ人を攻撃するイメージを持たせました。


  • 1度ダウンすればすなわち死だが そうすれば引退試合だが

  • 誰かタオルを投げてくれ




今回は以上です。

ということで、アルバム『ゆりかごから』の小話も次回からいよいよ学生時代に突入します。若いよー!


-- 社会人 --
1. 203 (feat. 知声)
2. みんないなくなってく (feat. 重音テト)
3. 中の下 (feat. 知声) [2024 Remaster]
4. potta-potta (feat. 知声) [2024 Remaster]
-- 社会人になろうとしたけど挫折した --
5. 玻璃の心臓 (feat. 知声) [2024 Remaster]
-- 学生 --
6. Fundamental (feat. 知声) [2024 Remaster]
7. 謎の液体と青い粉末 (feat. 知声)
8. 羽をもがないで (feat. 花隈千冬)
9. 157 (feat. 重音テト)
10. パーソナル (feat. 知声) [2024 Remaster]
11. 君のこと信用してないよ (feat. 知声)
-- 包括 --
12. ゆりかご (feat. 花隈千冬)



歌詞の全文は以下の通り。
是非読みながら聴いてみてくださいね。

歌詞


予想していた未来と違った
輝かしい人生じゃなかった
寝る前に思い出すのは
過去に犯した小さな罪ばかりだ
幼少期からブルーライトを浴びせ続ける実験の途中
疲れた身体横たえても
心休まることはないのさ

描いてた夢なんてなかった
旅路じゃないがここに居場所はない
そうでなくとも生きるのが辛いし生きづらいな
そうだろ?
いちどダウンすればすなわち死だが
そうすれば引退試合だが
疲れた身体横たえても
誰も供養してくれないなあ

ヨックモックの青い缶々から
シガールを取り出して
ぼろぼろこぼしながら
食べ散らかしたなら
世間にささやかな反抗をしに出かけよう
生き抜く権利を主張しに

青信号赤く塗れ
ペンキ持って塗りたくれ
1個200円のカヌレ
手掴みで噛みちぎれ
マスク外して唾を吐け
低空飛行の燕
でもたしかに脈打つよ玻璃の心臓は


Hip Hopじゃ
信号無視は道交法違反だって言ってる
ニュートンやアインシュタインの
おこぼれもらって生きてる
交差点通って
市役所に判子を押しに出かけよう
世間の言う正しい方法で
生き抜く権利を主張しに

砕けた心のかけら
構えて見知らぬ人を刺した
足の裏から血を流して
ブルーライト大量摂取した
誰かタオルを投げてくれ
この心臓を包んで燃えないゴミに出してくれ

痛む胸を抑えて
ガラス用のボンドを塗って
紫外線を浴びさせて
早く乾くよう祈って
日の光で温まれ
空高く泳ぐ燕
世を映し輝くよ 玻璃の心臓は



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