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michinoxa 1st albam 『ゆりかごから』小話(1) 203

1stアルバム『ゆりかごから』の各楽曲について語る連載です。



2024.05.12 release
michinoxa 1st albam 『ゆりかごから』
1. 203 (feat. 知声)
2. みんないなくなってく (feat. 重音テト)
3. 中の下 (feat. 知声) [2024 Remaster]
4. potta-potta (feat. 知声) [2024 Remaster]
5. 玻璃の心臓 (feat. 知声) [2024 Remaster]
6. Fundamental (feat. 知声) [2024 Remaster]
7. 謎の液体と青い粉末 (feat. 知声)
8. 羽をもがないで (feat. 花隈千冬)
9. 157 (feat. 重音テト)
10. パーソナル (feat. 知声) [2024 Remaster]
11. 君のこと信用してないよ (feat. 知声)
12. ゆりかご (feat. 花隈千冬)

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曲全体の話

アルバムの最初の曲として

アルバムの典型的かつbestな構成として以下がありますが、

  1. intro

  2. ぶちかましテンション上げ曲

『203』はinstrumentalでも、ぶちかましテンション上げ曲でもなく、
落ち着いた立ち上がりになっています。

ライブで言うと前座のDJにみんな軽く乗って、気持ちをちょっと上げてるみたいな。

キックボクシングの試合の1st roundは
3分間ジャブとロー打ってひたすら距離測ってるみたいな。
(急に格闘技の話してすみません)


知声誕生祭参加曲

知声誕生祭2024に合わせて投稿しました。
これまで投稿祭や誕生祭のいくつかに参加してきましたが、
新曲を作るのではなく、
過去に作ったまま未公開の曲の中からなるべく合いそうな曲を投稿しています。
本作は「私みたいな人生不適合者が生まれちゃったんだ」という歌詞が
誕生日っぽいかなという理由で「これで行こう」と決めました。

機会があれば投稿祭のテーマに合わせて新曲を作る試みもしたいです。
ただ現状1曲作るのに2か月以上を要しているので、
祭の開催に気づいてから作曲し始めて間に合うかどうか…


知声のキャラクター像に合った曲をようやく投稿できた

小話(0)まとめでも軽く触れましたが、自分は2022年に知声と出会いボカロPデビューしました。
それまでにも歌モノは作っていましたので
(てきとうな音源にメロディを打ち込んでいる状態でした)
「これからは知声さんに歌ってもらうぞー!!命吹き込むぞー!!」
という気持ちでした。

つまり「知声に歌ってほしい曲を作る」のではなく
「既存の曲を知声に歌ってもらう」状態だったんですよね。
もちろん、知声のイメージとあまりに解離している曲は避けましたが、
一部に知識人っぽい単語が含まれている曲は「これはギリいける…!」と判断してどんどん歌ってもらっていたわけです。
例えば『玻璃の心臓』とか『Fundamental』とか。

その中でも本作は今までで1番「知声っぽい」曲を歌ってもらうことができたなと思って満足しています。


『203』の知声っぽポイント

  • 人工知能
    →「霊長類の進化の過程」の先にいる存在

  • 声に近い大人の姿をしているが、精神的にはまだ幼く、たまに突飛な行動をしてラボメンバーに暖かい目で見られている。
    →生まれてからの年数と見た目の年齢に差がある
     →「人生不適合者」みがある



Pepperくんごめん

Pepperくんは降板しました。
自分がリリースに使っているサービス「Tunecore Japan」では、提携済みの音声合成ソフトを使用した楽曲をリリースできるのですが、こちらにPepperくんが含まれていないんですよね。
やむなくコーラスは知声に再登板してもらいました。
(ちなみに、原案は知声だったけどVoiSona-Pepper発売を受けてPepperくんに登板してもらった経緯があります)
個人的にはコーラスにPepperくんがいる状態で知声が「あんたみたいな人体不適合者が」と歌い上げるのが好きだったんですが。無念。


内容

ここからは曲の中身についてお話しします。

キャラクター像

公式が解釈を出すのがあまり好きじゃないという方。
分かります。
無理に読まなくて大丈夫です。





『玻璃の心臓』と同じ架空の女性をモデルにしています。
彼女は『玻璃の心臓』のサビでも乱暴な行為を繰り返したり、
本作のサビでも「人生不適合者」と言っているように、
真っ当な人生のレールからは外れた人間です。

「白黒どっちつかずだった日々」の「白黒」は
警察用語の「シロ」「クロ」と同様で、
「犯罪者でないか」「犯罪者か」という意味です。
かなり危険な人ですね…
青信号をペンキで塗るのは立派な法律違反ですしね。
道路交通法違反か器物損壊罪になるみたいです。

そんな彼女ですが、なんとか自分なりに人生を矯正し、
生き抜こうとしています。
『玻璃の心臓』も『203』も
前を向いた彼女を描いた、比較的明るい曲になっています。
(逆に言えばそれ以外の曲はまじで暗い曲が多い)


なぜ「203」なのか

数字自体に特に意味はありません。
子どもの頃に観たドラマ「坂の上の雲」に出てきた二百三高地が潜在的に記憶に残ってたんでしょう。
「数字カッケー!」となる習性がアルバムの随所に現れていますね。
白昼夢に八十人置いてけぼりにしたり、
1個200円のカヌレを手掴みで噛みちぎったり…

制作時期

本アルバムの中では古参勢です。原曲は10年近く前に作ったものだと思います。
当時の自分はDTMという言葉も知らないド素人で、メモリ4GBでも難なく動作するフリーの楽譜ソフトに音符を並べるという非常に一般的な方法で曲を制作していました。
そこからmidiファイルとしてエクスポートし、それなりの音源をあてがい、今に至ります。
元々のトラック数の少なさを引きずってシンプルな構成になっていますね。(当時の自分はバンドサウンドしか知らなかった)
コード進行も単純だし。

そんな大昔の曲がアルバムに収録されるのもなかなか味わい深いですね。


今回は以上です。

歌詞の全文は以下の通り。
サブスクでも歌詞をご覧になれますので、是非読みながら聴いてみてくださいね。


歌詞

ああ 馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ
過ぎ去った 去った泥濘を背負って
逃げる 逃げる 逃げるよ
逃げるように早く
早く歩くのだ

なかなか辛いな生きるのは
仕方ない しがない烙印を押して
逃げる 逃げる 逃げるよ
逃げるように早く
早く歩くのだ

色の迷路に惑わされては悪戯くり返し
お勉強ほどつまらないことはないだろう?
あたしだけ?

きっと霊長類の進化の過程で
誰かが正気失っちゃってさ
あたしみたいな
人生不適合者が生まれちゃったんだ
白黒どっちつかずだった日々は
白と黒に蹴飛ばされた
喚く間もなく矯正人生を強要した「203号」

色の迷路に惑わされては悪戯くり返し
お仕事ほどつまらないことはないだろう?
馴れたけど。

でもああ 馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ
過ぎ去った 去った泥濘を背負って
逃げる 逃げる 逃げるよ
逃げるように早く
早く歩くのだ

でもああ 馬鹿だ 馬鹿だ 馬鹿だ
白も黒も
紛れも混じり気もないあたしだ
逃げなくていいんだ
早く 早く歌いたいんだ

きっと霊長類の進化の過程で
誰もが根気失っちゃってさ
あんたみたいな
人体不適合者が生まれちゃったんだ

きっと霊長類の進化の過程で
誰かが正気失っちゃってさ
喚く間もなく矯正人生を強行した203号



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