見出し画像

新規事業担当者向け
「経営者という最大の味方をつくる対話とは?」(後編)


前編では、新規事業担当者が経営陣と敵対関係になってしまう原因を追求してきました。

後編となる本編では、経営陣との協力関係を築くために必要な「対話づくり」の具体的な設計ポイントについてお話をしていきます。


michinaru株式会社 共同創業者 横⼭ 佳菜⼦

横⼭ 佳菜⼦
取締役/共同創業者
1979年奈良県生まれ。奈良女子大学卒業(人間行動科学科)。2001年株式会社クイック入社。2005年に創業5年のリンクアンドモチベーションに入社。クライアント経営者や社員の方々と二人三脚で組織変革を目指す支援を行う。2011年グループ内子会社リンクイベントプロデュースで事業立上げを経験。2017年に独立し、株式会社キャリアライブ設立。キャリア自律をテーマに活動するうちに「事業創造」に出会う。2020年、菊池と共にmichinaru株式会社を創業。100社 /8000名を超える変革支援の経験を活かし、さまざまな成熟企業の事業創造に伴走する。

対立関係の解消に向けた対話に欠かせない3つのトピックス

新規事業担当者が経営陣と協力関係を築き、「自由にやっていいぞ」と言ってもらえるまでに信頼を得るには、まずは以下の3つのトピックについて対話をする事から始めてみてください。

1.新規事業開発のプロセスについて

まず、話していただきたいことは事業開発のプロセスについてです。
例えば、ステージゲートを設計をすることもここには含まれます。

・各フェーズではどのような評価基準で判断をするのが定石なのか?
・アイデアの検証には何が必要で、どれくらいの時間を要するのか? 
・いくらまでであれば投資をするのか? など

ここは、何よりも具体的に話していくことを意識してください。
対話というよりは議論に近いのかも知れません。

事業開発のプロセスを議論することが、お互いのリテラシーの向上にもつながるでしょう。

2.自社にとっての新規事業の意義と果実について

「自社にとっての新規事業の意義と果実について」考えてもらうきっかけを提供する対話も必要不可欠です。

新規事業に取り組む意義や果実は経営者によって異なります。

ある経営者にとっては新規事業は「多様な人材を活かす手段」であり、他の経営者にとっては「創業から受け継がれてきた会社のオリジナリティを今の時代で体現する手段」であったりと、それぞれ考えが異なります。

自社の経営者にとっての「新規事業の意義と果実は何か?」
考えるきっかけを提供し、言葉にしてもらいましょう。

言葉として共有されることで、共通認識が生まれ、事業創造の活動も進めやすくなるでしょう。

3.経営者自身の葛藤や悩みについて

最後に対話をしていただきたいのは、経営者自身の悩みや葛藤についてです。
経営者が新規事業に投資を続ける事は時に葛藤が伴います。
既存事業の売り上げが苦しい状況や、その他の課題が見えている中でも、投資といった判断が迫られているかもしれません。
しかし、日常の中で経営者自ら悩みや葛藤を口にできる場面は多くありません。

経営者の悩みや葛藤はどこにあるのか?

仮面を脱いで、悩みを吐露してもらう場面を担当者からセットしていく事が重要になってきます。

経営者の悩みを理解することは、今後コミュニケーションを円滑にする上で大きなヒントになるでしょう。また、悩みを吐露することが、「悩んでいてもしょうがないよな」と前に進むきっかけを提供することにも繋がります。

誰をアサインし、どのような雰囲気での対話にするか

対立関係の解消を目指した対話では、いつも通りの会議になってしまわないように場の設計が非常に重要です。

目的に応じて、
誰をアサインし、どんな雰囲気にするのか? 
を丁寧に設計してみてください。

例えば、 1.新規事業開発のプロセスについて 
というテーマの場合、経営者1人、もしくは会社の意思決定のできる役付きの3名など、少人数での対話をオススメしております。

事業開発のプロセスについて対話をする目的は具体的な施策や基準を「決める」事です。多い人数でやってしまうと、異論反論が出過ぎて議論がまとまりません。また、普緊張感のある雰囲気で対話をすることも必要になってきます。

一方で
2.自社にとっての新規事業の意義と果実について 
3.経営者自身の葛藤や悩みについて
といったテーマでの対話は、一つの結論に合意することが目的ではありません。対話を通じて考えを共有することで、お互いの視座を高めたり土壌を耕すことが目的になります。

このような目的の対話では、幅広いレイヤーの人をアサインすることが場の価値の向上につながります。

また、価値観や悩みを共有するためには、肩書きや役割によってつけている仮面を外して本音で語り合うことが重要です。

普段はしかめ面で近寄り難い経営者がいたとしても、友人や家族の前では親しみやすい一面を持っていると思います。

そんな、本音での対話を引き出すために、ロケーションを変えるという手段があります。いつもの会議室ではなく、眺めの良いミーティングルームや海の見えるオフサイト会場で対話をすることで、柔らかい場の雰囲気を醸成することが出来ます。

しかし、関係性や組織風土によっては、社内のメンバーだけではフラットな対話が生まれないことがあります。そのような場面では、私たちのような外部のファシリテーターが介入することで、本音での対話が促されることもあるでしょう。

経営者との関係に悩んでらっしゃる担当者の方へメッセージ

まず、敵対関係を生み出している”ズレ”はどんなところにあるのかを追求することから始めてみてください。本来であれば、利害が相反するはずのない経営者との関係が良好でないのであれば、どこかに必ず”ズレ”が生じているのだと思います。

まずは、感情を脇に置いて、どこに”ズレ”が生まれているのかをフラットに見つめること。
そして、どうすれば解消するのか?もっと言うと、どんな状態にしたいか?を思考してみてください。


最後まで、記事をお読みいただきありがとうございました。

弊社のサービスや過去の事例を以下に添付しました。ご興味がございましたら、是非こちらもご覧ください。皆様といつかお会いできる事を心より楽しみにしております。

michinaruのHP   https://michinaru.co.jp/
michinaru公式Twitter   https://twitter.com/michinaru0430

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?