編集の仕事 2001年冬号 『みづゑ』リニューアル創刊
いよいよ11月14日から「編集の仕事」展が始まります!
『みづゑ』は美術出版社を立ち上げた水彩画家・大下藤次郎さんが、当時、西洋から入ってきて一般にもその存在を知られるようになった水彩画の描き方を広めるために1905年に創刊した雑誌(発刊の挨拶は森鴎外が書いています!)。
その後、大判で美しいビジュアルとともに古今東西の美術を紹介する雑誌として愛されていたが、1992年に休刊となった。
この雑誌をもう一度、現代に甦らせたい、創刊当時のように一般の人にものづくりを楽しくわかりやすく伝えるものになったら。そんな思いで、リニューアル創刊をしたのが2001年。
私が会社で単独で突っ走った企画ということで、28歳で編集長となり、第一号目の表紙絵を画家のMAYA MAXXさんに依頼。この出会いが、現在のMAYAさんとの活動にもつながっている。
リニューアルした『みづゑ』は、一時絵本ブームなどがあって、大きな反響を呼んだ時期もあった。けれど広告収入の課題などがあり2006年に再び休刊。
これは本当に悔しく苦い体験。なんとか売れるために手を尽くしたつもりだったけれど、それが空回りする日々。せっかく集まった部員も異動を迫られたり、会社を離れたり。
このときのどん底の中で、一つ心に決めたことがあった。
「市場を分析してこれが売れそうとか、上司からの指示で記事をつくるとか、そういうことはもうやらない。自分が本当に面白いと思ったものを本気でやらないと、読者には何も届かない」
社会人のいわば青春時代のようなこの期間。
いまでも『みづゑ』メンバーと会うと、あのときのデコボコな個性で、体当たりで雑誌をつくっていた当時に戻る。そして時々、ウルウルしたりしている。
info
イラストレーターのすずきももさんが運営する、とても素敵な本とカフェとギャラリーがある「ポンピイェハウス」で、森の出版社ミチクルの本と來嶋の編集の仕事を並べた展示を行わせていただくことになりました!
森の出版社ミチクル 本とカゴと土偶
11月1日ー25日(火水休)
森の出版社ミチクルの活動では、これまで制作した本とともに、最近熱心に取り組んでいるかご編み、野焼きで作品をつくっている縄文土偶も販売させていただこうと思っています!
來嶋路子 編集の仕事
アーティストと一緒にゴールの見えない道を歩いていたら30年が経っていました
11月14日ー25日(火水休)
20歳からアートの本の編集に携わるようになり、さまざまなアーティストの画集や著作集などを担当。これまでつくったアートブックを一堂に並べます。
トークイベント
アートブックの編集について話します
聞き手 佐藤優子(編集者・ライター)
11月17日(日) 14:00-15:30
先着当日20名(予約不要) 1500円(ワンドリンク付き)
満員御礼カゴ編みワークショップ
11月24日(日) 13:00-15:00くらい
定員5名 2000円
要予約 michikururu@gmail.com
プロフィール_來嶋路子 くるしまみちこ
@ michikokurushima
東京出身。大学4年生の頃から、美術出版社でアルバイトを始め、その後『みづゑ』編集長、『美術手帖』副編集長など務める。東日本大震災を機に北海道岩見沢市へ移住。その後もアートやデザインの本の編集を続ける。2017年より人口300名ほどの美流渡地区で出版活動を始め、ローカルのつながりを生かした本づくりを行う。マガジンハウスWEB「colocal」で日々の暮らしを連載中。
ポンピイェハウス
@ponpiyehe
北海道札幌市中央区南6条西24丁目1−27
11:00−18:00(金・土22:00まで)
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