名作ゲーム、すばせかを語る

情報社会とはよく言ったもので、多くの情報が世間に溢れる中、漫画やアニメなどのサブカル関連の情報に最近疎くなってきている。これは単純に情報が多いことに加えて、興味関心が少し違う方向に向くようになったことや、日本ではなく海外に滞在していることも関係しているかもしれない。「え、このアニメ新しいシリーズやってたの？」みたいなのを放送数年後に知るなんてのもザラにあったりする。

そして遅ればせながら本日、とある情報を知って一気に眠気が吹っ飛んだ。いや厳密にはまだ眠いのだが、眠気が吹っ飛んだ、という文言を使わせていただきたい。

すばらしきこのせかいアニメ化、及び最新作発売予定

ドラクエ、FFというRPG二大巨頭を開発しているスクウェア・エニックスの隠れた名作ゲームの最新情報に震撼した。なんということだ・・・

このすばらしきこのせかい、通称すばせかは中学生の頃ほぼリアルタイムでプレイし、学生時代に多くのゲームに触れるまでは常に僕の人生におけるベスト1をキープしていた作品だ。いい機会なので、本日の記事ではすばせかの魅力をざっくり解説させていただきたい。

①おしゃれさを際立たせるゲームの舞台

すばせかは、半ば強制的に「死神ゲーム」と呼ばれるものに参加することになった主人公の桜庭音繰を操作し、7日間のミッションをクリアしていくゲームである。ミッションに失敗した場合は消滅＝死。命がけである。

そしてその生き残りをかけた死神ゲームの舞台となるのが、東京に佇む街の一角、渋谷だ。

この渋谷というチョイスが非常に素晴らしく、すばせかに固有の色合いを持たせている。ファッション、グラフィックアート、あらゆるサブカル、ポップカルチャーや思考が混在するこの街でストーリーが展開されることにより、ゲームをひたすらにオシャレ感漂わせるものにしているのだ。グラフィックには特にこだわっているように思う。キャラクターの会話中の吹き出しのデザインから、キャラの着ている服まで全てがカッコ良さ全開。渋谷の街並みもしっかり再現されており、実際に存在する建物の名前も出てきたりする。時々オマージュ的なものもあるけどね。（109が104になってたり）

このゲームがキッカケで学生時代に初めて一人で東京に出向いた時には、何をするわけでもなく渋谷へ向かったのだが、歩いているだけでとても感動したものだ。まるですばせかの世界に入ったようだった。

②カッコ良さと完成度の高さが群を抜いている音楽

ゲームミュージックを聴くのは昔から好きでペルソナ、FFなどあらゆるサントラCDを保有している僕だが、ゲーム音楽のアルバムで1枚だけ選ぶとすれば、すばせかのサントラで揺るがない。

あえてゲーム音楽っぽさを出さないようにと作られたこのサントラは、ロック、ヒップホップ、トランスなどあらゆる現代的ジャンルの音楽が詰め込まれている。知らない誰かに聴かせてもこれがゲームで使用された音楽とはまず分からないだろう。ストーリーを通して常にオシャレさ全開で流れ続ける楽曲は、渋谷のあらゆるカルチャーが混ざった雰囲気を表しているかのようにも感じる。戦闘曲もボーカル付きのもの盛りだくさん。一つ一つの戦いに臨場感、そして高揚感をもたらしてくれる。

僕が特に好きなのは、サムデイ。英語ボーカル曲が目立つこのゲームで数少ない日本語ボーカルのカッコいいロックチューンである（英語版もあり）。ちなみにカラオケでも歌えるそうだ。

③楽しさと独創性を兼ね備えたゲームシステム

アクションRPGであるこのゲームには、他のものと同様戦闘というシステムが存在する。ノイズと呼ばれる敵と戦うことでキャラクターが成長していくのだが、当然異型のもの相手に生身の体で戦うことはできない。すばせかでは、主にバッジを用いた超能力で敵を倒すのである。

炎を出したり、氷の刃を出したり、電撃を出したりなどバッジごとに様々な能力が割り当てられており、いずれもオシャレかつスタイリッシュなのはお約束。戦闘後にはバッジに経験値が入ることでレベルが上がったり、進化したりもする。様々なバッジを組み合わせて自分だけの戦術を作ることができるのだ。

そして、このゲームを特徴づけるシステムが、同時に二人のキャラクターを操作して戦うということ。

ノイズを倒す能力はパートナーと契約しないと倒せないという設定なのである。しかしどうやって一度に二人のキャラを操作するのか、これがまた秀逸なのだ。

そもそもこのゲームのオリジナル版のハードは何かというと、

2画面でゲームをプレイすることができるハードとして話題となった、ニンテンドーDS。

お気づきの方もいるかもしれない。

そう。このゲームの戦闘では、上画面で主人公をタッチペンで操作し、下画面ではそのパートナーを十字ボタンで操作する。共通の敵をそれぞれ別画面から攻撃し、倒していくのである。同時進行での2キャラ操作の難易度は高いのだが、慣れてくるとこれが非常に楽しい。またコンビネーションを決めることで強力な技も出すことが可能だ。この感覚は、すばせかでしか味わえない。

すばせかはニンテンドースイッチでもリメイク版が出ているようだが、ハードの性能上2画面戦闘は少し違ったものとなっている。スイッチ版でもストーリーは十分に堪能できるのは間違いないが、これからやろうと考えている方は、できればオリジナルのDS版をやることをオススメする。

おわりに

コアなゲームファンに間違いなく高評価をされるゲームすばせか。非常に高い完成度を誇る作品なので、未プレイの人はぜひプレイしていただきたい。スイッチの新作の方も楽しみである。

ちなみにアニメは本日深夜1時から放送だということで、Netflixでの配信予定もあるらしい。僕の契約しているオーストラリア版ネトフリでも配信してくれたらいいが、どうなのだろうか。要チェックすべきだろう。