見出し画像

【質問回答】母に憎まれていて、どうすればいいのかわかりません…

質問箱の質問回答を自分に義務付けている私めですが、もうこれは金銭的なやり取りの発生しない、しかしなにか大きな意義のある活動だという気がしております。

そして私は、その自分の感覚というのが間違っていてもいいと思うのです。私が勝手に「これはきっと、やるといいことなんだわ!」と思っていて、それによってエネルギッシュになることができる。さらに、結果としてなにかものすごいことが起こらなくともまったくかまわないのです。なぜなら、出かけようとしたときに晴れたりするようなちょっとしたことを、私は「あれをやったからアタシはこんなに運がいいんだわ!」などと思って常に悦に入っていられると思うからです。そうすると人は、火のないところにも幸せの煙を見出しちゃったりするのですよね。

こういう”いい勘違い””いい幻想”を自分で自分に起こせていれば、それで私は良い気分でいられます。この自給自足感、自家発電感よ。自分を幸せにするってこういうことですよね。われら、路傍の石ですら良い気分になるネタとしてどんどん勝手に利用していきましょうね。図々しく、都合よく!!
というわけで、今日も元気に回答してまいりましょう。

ご質問いただいてからしばらく時間が経ってしまっているのですが、回答が遅くなってしまってごめんなさいね。お母様のことが好きだった質問者さまにとって、このような状況はたしかに心苦しいことだったと思います。

私の祖父はアルコールに負けてしまって、晩年はあまり会話らしい会話ができませんでした。小さかった頃は私と妹をとてもかわいがってくれていた祖父でしたが、年老いてからの祖父は、私のことを本当に私だとわかってくれているのかすら、あまり確かではなかったのを覚えています。

この祖父が入院中、一度病院から抜け出して家に戻ってきてしまい、家でご飯を食べたことがありました。そのとき祖父は、大量の醤油をおかずにかけて食事をして、食事の終わりにそのお皿にタプタプになった醤油をずるずると飲んでしまいました。私は身体を悪くしている祖父が塩分過多になるのを心配して、ダメだよ、飲んだらいけないよ!と、いつになくそばに詰め寄って止めようとしました。その時祖父がゆっくりと顔を上げ、まったく知らない他人を見るかのような目でこちらを見たことがとてもショックで、いまだに忘れられません。

それから年月が経って、今私は年老いた母と同居しています。母も昔のことをだいぶ忘れてしまい、以前に比べて頑なにひとつの考えにとらわれたり、自分のことで頭が一杯になりやすく、私や夫や娘のことを家族として扱う心を忘れていたりします。同居はそれなりに難しく、事あるごとに心を砕かなくてはなりません。

この母や、それから当時の祖父のことを思うと、人は片時も同じではないことを嫌というほど確認させられます。
私たちが他者を「同じ人」だと思っていても、本人にも止められない不変の道理で、人は変化して、常に同じではなくなっていることを痛切に感じます。切ないですが、これはどうしようもないことなんですよね。

私は今そのことを、こう考えています。

私が小さかった頃の祖父とのやり取りは、確かにあった。私が育つ間の母とのやり取りも同じく、確かに存在したものです。
でもそれは、彼らがお酒に負けようが負けまいが、老化で性格がちょっと頑固になろうがなるまいが、それとは関係なく二度と戻ってこないものであるということ。
その時美しかったのだから、それで十分であるということです。それは永遠に美しいメモリーであり、しかしもう、終わったことなのですね。取り戻す必要もなければ、それが可能なことでもないのです。しかし、それはしっかりとこの宇宙の美しい出来事として、刻印されたのです。

当時のお母さんを愛していたあなたはそれでいい。そして今の関係に適切な距離を取っているあなたもそれでいいのです。なにもおかしな方に進んでいませんよ。
今の関係は、以前の関係を汚すものではないからです。あなたとお母さんの紡いできた美しく素敵な時間は、不可侵なものです。

だから、今のお母様との、あなたにとっての快適な距離はきちんと保ってください。そしてこれを踏まえた上で、お母様のためではなくて、あなた自身のために、できるだけ納得の行くように、できるだけ後悔のないように、今の行動を選んでいくということです。
時々会いに行くもよし、一度だけ会いに行くもよし、今のお母様のご様子に関係なく魂同士は交信しあっていることを信頼して、最後のときにだけは会いに行こうと決めておくもよしです。あなたにとって、あなたができるだけ「あの時、ああしてよかったな」と思えるようにしてあげることが大切です。

お母様のことは進むべきように進みますから、大丈夫ですよ。お母様は立派な1人の人で、ご先祖様やお母様の生きるために必要な存在たちからサポートを受けています。あなたの肩に、お母様の全運命がかかっているわけではないのです。ですからなによりも、あなた自身も1人のお母さんとして、ご病気のお子さんのことをどうぞ目いっぱいに守ってあげてください。

お母様はきっと、いつの日か肉体の制限から自由になるときには、あなたが穏やかであなたが幸せであること、それからお孫さんが元気であることを喜んでくれますよ。ですから、まずはどうかご自愛くださいね。そして、お母様の子孫であるお子様を、守ってあげて。

なにより、お母様の大切な子どもであるあなたという人を、あなた本人が悲しませないであげてください。そこをきっぱり大切にするのです。そのことを、お母様の魂も喜んでくれるだろうと思うことは、親に向けられるいちばんの信頼だと思いますよ。優しい質問者さまへ、あなたの幸せを祈っています。

それではまたね。

毎日無料で書いておりますが、お布施を送っていただくと本当に喜びます。愛と感謝の念を送りつけます。(笑)