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「トラックドライバー不足」2024年問題 そもそもの問題の始まりは平成2年の「物流二法による規制緩和」「#緑ナンバーの高速道路料金無料化」の声はなぜか全く聞こえない

「#トラックドライバー不足」#2024年問題。そもそもの問題の始まりは平成2年の「#物流二法による規制緩和」、「#緑ナンバーの高速道路料金無料化」の声はなぜか全く聞こえない。

「タクシーの場合、高速料金は急ぐ客側が払う。そもそも企業間輸送ではなぜ、運ぶ側が高速料金を負担することが前提なのか」と疑問を投げかける。

巷で騒がれている、トラックドライバー不足2024年問題。

残業時間の上限、拘束時間や残業時間の厳格化…

よくもまぁ「現場を見たことのない人間」が色々と決めてくれるなぁ、と心から思います。

自動車運転業務に関する問題
ドライバーの収入減少
ドライバーは走行距離(※厳密には走行距離ではなく荷物によって)に応じて運行手当が支払われるため、稼働時間が減り走行距離が短くなり賃金も減少する。全職業平均と比較してトラック、バス、タクシーのドライバーは、労働時間が1~2割長く、賃金が約1~3割低いとされている。これ以上、収入が減少すると離職率の増加につながる可能性がある[7]。

ドライバー不足

時間外労働の上限が下がることにより1人当たりの年間の稼働時間が減り、輸送できる荷物量も減少する「モノが運べない」物流危機が問題視され、さらにインターネット通販なのでよく利用される宅配便についても翌日配達あるいは再配達の対応が困難になり荷物が予定通りに届けられなくなるおそれが指摘されている。これを補うためにはドライバーを増やす必要があるが、ドライバーの有効求人倍率は全職業平均の約2倍、人手不足は年々深刻化している。また、ドライバーの高齢化率が進んでいることも要因になっている[7]。

↑ウィキペディアより。


東京新聞より


これはそのままその通りでしょう。
以前、国民民主党の玉木代表がこんなツイートをして炎上しました。

『玉木雄一郎代表が大型トラックの高速道路での制限速度を「80キロから100キロに緩和してはどうか」と提案』

速度制限を上げれば済む問題ではない。
これで事故が起きたら誰が責任を取るのでしょうか?
玉木さんは何も責任取らないでしょう。  

この問題の解決策は少子高齢化を対策すること、大型トラックの免許制度を以前のように戻す、国の運賃補償、国の法制度としてパレット卸を厳格化(JPRパレット均一化)、海外からの荷物はJPRパレットではないため、海外荷物は受けた倉庫でパレット積替え(倉庫作業の仕事が増える)、緑ナンバーの高速道路無料化、個人宅宅配関係の消費者にとって便利すぎる「時間指定」をする場合は運賃割増や国の補助などなど、やれることは沢山ありすぎてここでは語り尽くせない。

このままいけば荷物が届かなくなる、というのは本当にそうなると思う。
だって、国が本気で少子高齢化対策してないから、免許制度が複雑化してるから、ドライバーがどんどん少なくなってる。
自分は45歳ですが大型トラックドライバーで45、まだまだ若手のこの年齢ですよ。

本気で国が対策に乗り出せば、一瞬で解決しますよ。
道路渋滞が問題、などと言いますが、道路渋滞は確かにドライバーにとって大変ですが、それは経済が回っている証拠なんですよ。

そして、問題となる平成2年の「物流二法」制定。

それまで貨物自動車運送事業は従来免許制でしたが、許可制に変更になりました。
それにより新規参入で、トラック保有台数が10台以下の零細事業者が急増したため、運送業界の構造として、大手と、大手の下請けの仕事をとる零細事業者の二極化が進行。そのため、大手は荷主企業の値下げ分を、下請けの零細事業者に転嫁させるようになり、零細事業者は過積載や長時間労働でカバーするようになってしまいました。

結果として、新規参入は増えたものの、大手・零細事業の二極化が進み、必然的に運賃が低くなってしまう業界構造となった。

荷主側は「一円でも安い運賃で運んでくれる企業を」と会社を探し、一方荷物を運ぶ企業側は「ヨソより一円でも安く荷物を運ぶから仕事をくれ」となり、低賃金競争となったのです。

運賃が安くなる、ということはドライバーの給料が少なくなる、ということ。
それにより高速道路利用を削ったり、ドライバー側の負担がどんどん大きくなり、それが当たり前となった、ということです。

そして少子高齢化、運転免許制度の複雑さ、宅配業者の時間指定問題、パレットバラ積みバラ卸、などなど先にも言いましたが、問題がありすぎる。

結局この問題は、下にも書いてあるようにドライバーやそれに関連する倉庫業務の人々などを「物流コスト」としてしか見ない社会的風潮が問題の根底にあるのだと思います。

本気でどうなるか心配なのならば、「宅配荷物の時間指定をなくす」くらい消費者は覚悟できるのか?それが問われています。

今の便利になりすぎたこの社会で、そこまで消費者は真剣に考えられるのか。
宅配荷物の時間指定、といっても大手のヤマトや佐川急便以外にも、自宅に届くためにどれだけその荷物に関わっている人がいるのか。
想像してみてください。

運送会社の2024年問題。

様々複合的に問題が絡み合っているこの問題。

本気でどうにかするならば、本気で政治を変えるしかない。

農家さんの問題ばかりが騒がれている昨今。

その農家さんが作ってくれた荷物を運び届けるのが我々運送業界。

一蓮托生、全ての問題は根底で繋がっている。

3.11が起きたとき、物流業界の有り難みに改めて気付いた人も多いでしょう。

荷物が届かない、そんな時一体今の便利さに慣れすぎた日本人はどうなるのか?

もう一度、全ての問題は根底で繋がっているのです。

↓は東京新聞のウェブ版より。

「規制緩和による過当競争の結果、運賃は下がり、仕分けや手荷役、陳列まで運転手がやっている」と橋本さんは指摘する。2024年問題は、これら企業間輸送を担うトラック運転手に大きな影響が出る。「消費者がドライバーを意識することが少ない。存在が見えず、ないものとして考えられている」。見えない彼らが止まれば、消費者の生活は成り立たないにもかかわらず「世間からは『物流コスト』としか見られていない。運転手の人権の問題でもある」と訴える。

 「見えない化」が進むことを危ぶむ橋本さん。現場の声が反映されにくい現状を指摘し、こう訴える。「現場を知らない人たちがルールを作っている。制度との乖離かいりで現場は疲弊するだけだ」

◆デスクメモ

 よく通る大通りに、ダンプやトラックが路肩停車するスポットがある。運転手はシートを倒して、仮眠していることが多い。公道上のマナーとしては良くない。自分が運転するときはじゃまでもある。でも、とがめる気にはならない。その寝顔に浮かぶ疲労を見ると何も言えないのだ。(歩)

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