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2023.11.17 ジュネーブ国連本部 イスラエルの蛮行を糾弾する! ナダー・アブータルブッシ大使

「パレスチナ国国連代表演説」より #イスラエルの蛮行を糾弾する   
ナダー・アブータルブッシ大使 2023.11.17 ジュネーブ国連本部。 

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私たちの国名についてイスラエルにお伝えしたい。「パレスチナ自治政府」ではありません。正しくは「パレスチナ国」です。
今年イスラエルの財務大臣がパリでこう発現した。「パレスチナ人などという人々は存在しない」。
ネタニヤフ首相は9月24日、国連総会に出て「新しい中東」と書かれた地図を広げた。 
その地図でパレスチナは消されていた。すべてがイスラエルになっていた。イスラエルが領土拡大や差別を国是としていたとしてもここでは通用しません。
事実上こう言ったのです。「私はガザのあらゆる人間をひとり残らず殺すことが出来る。ガザにいる230万人はテロリストか、テロリストの支持者か、人間の盾のどれかだ。だから標的にするのは合法なのだ」と。
ガザの全ての人間がこれらの3つのいずれかに分類されるのです。子ども、ジャーナリスト、医師、国連職員、保育期の中の未熟児も。それゆえイスラエルは人々を殺した後で、大胆にもこの議会に出席し、何食わぬ顔で世界にこう言います。「我々は国際法に準じて行動している」と。

この1ヶ月の犠牲者は1万1350人以上になりました。それが子ども、ジャーナリスト、国連職員、病める人、高齢者であれ、イスラエルはそれぞれの死を正当化しました。
いいですか?どれほど悲惨な無差別攻撃をしても非難の声まで破壊できません。人はそう馬鹿ではありません。会場の出席者はベテラン外交官です。博識で歴史の知識を持ち、多くの方々はこの15年間、ガザに6回軍事侵攻した際にイスラエルが同じ主張をしたことも見てきました。
次の事実も見てきました。イスラエルが集団的懲罰を行いパレスチナの子どもたち、ジャーナリストと医療関係者、援助関係者を標的としてきました。
次のような行いも見てきました。私たちの民を強制移住させ、私たちの土地を占領し、私たちの家を破壊し家族をその土地から追い出しました。10月7日以降だけでなく、それ以前の75年間にわたって見てきた事実です。
イスラエルが国を挙げて行っている情報操作も見てきました。
「国際法に従って行動している」という彼らの主張は次のように言い換えられます。
国連事務総長も、国連人権高等弁務官も、世界保健機関も、ユニセフも、国連の特別報告者も、国連の独立国際調査委員会も、世界中の人権団体も、世界中の軍縮NGOも、世界中の人権NGOも、無数の法律専門家も、全員が間違っていると言っているのです。
しかし、イスラエルは、皆が言うイスラエルの国際法違反は全て嘘だというのです。
イスラエルの方こそ正しいと言うのです。無差別な殺戮を実際に行っている国を信じろと言うのです。
とても興味深いことに「戦争でさえルールがある」と言って、イスラエルが引用しているのは国連事務総長の言葉ですが、その総長に同国は辞任要求を出しています。
それは彼が果敢にもこう発現したからです。
「イスラエルはパレスチナの土地を占領してきた歴史がある」と。
イスラエル代表の語る大きな矛盾は、戦争にもルールがあると言いながらもまさに今ジェノサイドを起こし、生放送のカメラが現場を捉えているなかで全てのルールを踏みにじっていることです。

こう考えていませんか?
人々を煽り立てる言葉を並べれば、イスラエルを代表する高官たちの扇状的な発言や行動を私たちが全て忘れるだろうと。
「ガザを消してしまえ」「パレスチナの人々の上に核爆弾を落とそう」「ヒューマン・アニマルと邪悪な子どもを殺せ」煽っても。
こう考えていませんか?
威嚇や脅迫的な言葉を続けることで、世界の目を事実からそらせると。
イスラエルは今この瞬間も赤ん坊、子ども、男女、高齢者まで殺しています。幼くても年老いていても、重病であっても攻撃対象からは外れません。
こう考えていませんか?
ガザの通信手段を断ったり何度も停電させたりすることでジェノサイド続けられるはずだと。現地の人々が、スマホやパソコンを使って、世界に発信できないその隙を狙って。
こう考えていませんか?
殺戮に酔う兵士たちが、世界の目を盗んで、ジャーナリストを殺害してくれると。すでに41人です。4週間で殺害されたジャーナリストの人数です。過去30年、あらゆる紛争で最多の記録です。戦争犯罪を暴く者は、もういないと高をくくっています。
こう考えていませんか?
戦争犯罪を告発する人々や反対者の口を封じられると。国家による国際法違反を追求する人々に、反ユダヤ主義やテロ賛同者のレッテルを貼れば人々の口を塞げると。

私たちは平和を愛する全ての国々とともに、良心ある全世界の人々とともに、声を上げ続けます。
イスラエルが犯した犯罪を白日のもとに晒し、国際法違反を問い続けます。
停戦を拒否して、パレスチナの人々を虐殺し、植民地主義的な占領とアパルトヘイトを進めるイスラエルに制裁を求めます。
イスラエルがこの75年間に学ぶべきだったことがあります。パレスチナの人々が「消え去るのを拒否する人々だ」ということです。
私たちを核で脅かし、爆弾を落とし、戦車とブルドーザーで破壊しようと、パレスチナの人々の自由、尊厳、平和への意思を挫くことはできません。
それは誰もが手にすべきものなのです。

2023年12月27日号「週刊新社会」より抜粋


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