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創作物の振り返り:絵を描く行為の中にも、ちょっとした好みやこだわりや性格が滲み出ている
目的もなく絵を描く、という要素を中学生ぶりに生活に取り入れ始めて早一ヶ月弱。絵柄や形式には拘らずにとりあえず楽しく続けよう、というゆるい視点で描いているが、無意識の好みやこだわり、普段の性格が、描いている最中にも滲み出ていることに気が付いてきた。
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まず、使用ツールをペンに絞っているのは、無理なく続けられている要因だ。中学で美術部、高校でも美術を選択していたが、当時から絵の具が苦手だ。下書きで割と精密に描けたとしても、色の塗り方が下手だったり納得がいかなかったり、絵の具の色をうまく作れなくてもやもやしたり苛立ったりする。色を作らないこと。既にあるインクを使うこと。好きな色を店で探せて使えるのも良い。
ガラスペンは可愛くてインクも綺麗で好きだが、せっかちなのが仇となり、乾く前に触ってしまう。綺麗にかけていたのに伸びてしまって愕然となる。乾くのが早い顔料のインクは水彩のようなテクスチャで自分の描きたい絵のテイストとは少し離れる。ただ金のラメの顔料インクはとてもよい。乾くのが早くてキラキラだ。
コピックマルチライナー、よい。同じ色で異なる太さ、すぐ乾く。色が少ないのが欠点だが、一色、いいブルーを見つけたのでよし。あとラメのキラキラマーカー。よい。金は色的にはガラスペンの顔料インクの方がキラキラしてて好きだけどマーカーペンの方が手軽に描けるのが利点。
(前にもペンの話を書いたりしてる↓※20210909追記:リンクができていなかったので記事を貼りなおしました)
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何を描くかは描く前からはあまり決めていないが、私はどうやら木を描くのが好きだ。そういえば大学のとき木のスケッチをよく描いていたし、同級生や先生に褒められて嬉しかったなあ。
花の絵も描いてみたけど、それより木の方が好きだし、描きやすい。理由を考えてみた。花は形が決まっていて、そこから外れると花っぽさが薄れてしまう。テキスタイルやイラストチックな花もいいが、私は自分が描くとなると、どこかリアルさを追求したくなる傾向にあるらしい。その点、木は種類はあれど、幹の太さも枝の長さも本数も生え方も木目も何もかもが違う。一本一本個性があって、生きてるって感じがする。
木を描くとき、参考資料は特に手元に置いてない。生きろー、伸びろー、好きにやれーって念じながら描いてる。ちょっとくるくるしたり、真っ直ぐになったり、幹が真っ二つに分かれたりする。それでも何故か木になる。木だなってわかる。不思議だ。そして楽しい。同じ木は一つとしてない。それってなんだか人間みたいで個性的だ。絵を描くときは見ないけど絵を描いてないときは木を見るようにしてる。するとめちゃくちゃヘンテコな木が、家の近くにも、写真の中にも、そこら中に散りばめられてる。
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木じゃない、どこか抽象的な風景画も描いてみる。空と星と地面と川を描いた。すると、今まで大体一日で描き終えていた絵と同じ大きさの絵を描き終えるまでに一週間以上費やした。正確には、体調不良もあったけど、描きたくなくなって、もっと正確に言うと飽きてしまって途中で描かなくなった。描いたとしてもほんの少しでなかなか進まなかった。
その絵は、空と川については線を格子に重ねることで色の濃淡を表現し、地面に関しては草が生えている感じと均一感を出したくて、直線を配列するような構成になった。時間がかかったり飽きたりしていたのは、断然、後者だった。
私は飽きっぽいんだけど変に凝り性というか神経質なところがあって、漫画は順番に並んで欲しいし、物の配置は縦横がきちんと合わさっているのが好きだ。シンメトリーもアシンメトリーも好きだけど、余白が均一だったり、どこか一辺が整っていたりすると美しいと感じるようだ。
それが、この地面の草の直線にも現れたんだと思うけど、もうひとつ性格としてある飽きっぽさが、直線をただひたすら均一に描き続けるという作業を困難にさせたんだろう。空と川は描くのがとっても楽しかった。割とランダムに描いてたし、線を重ねると色が濃くなるので、飽きずに描き続けられた。
他にも、なんかわからんけど、人のような影を絵の中に描きたくなる。顔や身体は細かく描きたくないので(たぶん面倒だから)、のっぺりとした人影になるんだけど、木の幹に座らせたり、水面の近くに立たせたり、私がなんとなく描く人影は、なんか寂しい感じだ。でもそう描きたいんだな、きっと。
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振り返ってみると、ただ描いていただけのはずなのに、無意識のこだわりとか好みとか面倒くさがりで飽きっぽいのに細かいのがいい性格とか、いろんなものが溢れていた。
創作活動をしている、noteユーザーの人たち。描いてる絵や、文章を書く人なら言葉や、写真を撮る人なら被写体や構図など、どんなことにこだわりがあるだろう? そういう目線で見るのも楽しかったりする。
自分の作品の振り返り。きっとそのときの精神状態とか、興味がある物事なんかでも、作品の内容は変わるだろうから、定期的に見直すと面白そう。あの日の自分と今の自分を比較して、変化を楽しむ、そんな、ゆるりとした毎日を過ごそう。
サポートありがとうございます。ボールペンのインクや、ノートや、弟と両親と祖母へのプレゼントに使わせて頂きます。