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幸せってなんだろう?

人事をやっていると、下のようなさまざまな相談(?)を受けることがあり、その都度「仕事や会社に対する思いや、幸せの基準は、人それぞれ違う」と思いました。

・報酬を上げて欲しい(≒報酬が成果や能力に見合っていない)
・正当な評価をされていない
・リーダー(課長)や部長になりたい
・やりがいがある業務にアサインされない(≒あの仕事がやりたい)
・今の業務に成長を感じない
などなど

マズローの5段階欲求の何段目?

図は「study hacker」さんから引用

有名なマズローの5段階欲求。
人間の欲求を5つの階層に分け、低い階層の欲求が満たされると次の段階の欲求を求めるという理論ですが、最近では「科学的に脆弱な理論であり、時代遅れである」という考えが主流だそうです。
たぶん、低い階層が満たされてなくても上の階層を求める人がいたり、上の階層の欲求を求めない人がいるからかもしれません。

私は、冒頭のような相談を受ける時に「どの段階の欲求か」を考えながら聞き、対応や反応の目安にしていました。
同じような相談でも、人によって少しずつニュアンスが違うので、対応や反応も少しずつ変わってくると思ったからです。

人間の幸福や健康に関係があるのは、、、

仕事は、人生の多くの時間を費やします。
(1日8時間、年240日だと1年で1,920時間!)

時間が長いだけでなく、生活費を稼ぐ、社会的価値が認められる、自己実現の手段や目的など、仕事が人生の重要な位置づけだという人とたくさん話しました。
また、逆に仕事は二の次という人ともたくさん話しました。

どんな人ともフラットに接したいと思い、考えの軸にしていたのは「ハーバード大学の成人発達に関する75年に渡る研究の結果」でした。

動画は、ハーバード大学のロバート・ウォールディンガー教授(臨床精神医学)による「人生を幸せにする教訓」というTEDトークです。
12分で、日本語字幕もあるので、ぜひ動画を見ていただきたいのですが、以下に要約も載せておきます。

1938年に始まったこの研究は、当時ハーバード大学2年生の男子学生とボストンの極貧環境で育った少年たちの追跡調査で、開始時に724人いた被験者のうち、約60人が健在で調査に参加していて、そのほとんどが90代です。
開始時に聞き取り調査と健康診断を行い、その後、1年おきに本人への質問票調査、本人や家族への聞き取り調査、医療記録の確認、血液検査等を行ってきました。本人と妻が話している場面の撮影までしました。

そのような膨大なデータを分析した結果、
人を幸福にし、健康にするのは何よりも良い人間関係であり、その人間関係について大きな教訓が3つあることが明らかになりました。

(1)家族、友人、コミュニテイ等、周りとのつながりを持っている人はそうでない人よりも幸せで健康で長生きする
(2)身近な人たちとの関係の質が重要である
(3)良い関係は脳も守る

(3)は、いざという時に頼れると感じている人と80代までしっかりした関係を続けている人は記憶が明瞭で、逆にパートナーは全く頼れないと感じている人に記憶障害が出現したことから結論づけました。

つまり、人を幸福にし、健康にするのは良い人間関係で、孤独は命取りということです。

TEDトーク要約

エントリー冒頭のような相談の時、意に沿わない回答をすることも多く(できないものはできないと答えないと、問題が大きくなったり長引いたりするだけなので)、相談者が怒ったり、落胆したり、泣いてしまったりすることがあります。

そんな時は、
今日は意に沿わない回答をされて、怒ったり、落胆したり、泣いたりしているが、この人が誰かと良い人間関係を築け、幸福で健康な人生を送れたらいいな
と思って接していました。

そしてこのnoteを見てくださった方の人生も幸福で健康でありますように。


もしよかったら他の記事も読んでいただけたら嬉しいです。


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