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オランダからこんにちは!#15 ‐宗教編‐

連載15回目、今週のテーマは世界各国の「宗教」。

ヘッダーの写真は、Delft(デルフト)という街の「新教会」で撮ったものです。キリスト教の古い大きな教会には必ず高い塔があり、このような狭い螺旋階段が頂上まで続いていきます。

世界中には数え切れないほど色々な宗教がありますね。今週の各曜日担当のみなさんの記事も国ごとに違いがあり、読んでいて面白かったです。

もちろん地域差や個人差がありますが、一般的には先進国化が進めば進むほど、宗教を拠りどころにせずに個人の信条で生きる人が増えていく気がします。

ヨーロッパ全体をかなりざっくりと見ると、宗派に違いはありますがほとんどの地域ではキリスト教系の宗教が広がっています。ただ、一口にヨーロッパと言っても実情は国・地域ごとに違い、南ヨーロッパや東ヨーロッパの方が宗教的な信仰心が厚い人が多い印象を受けます。

*キリスト教国家の現状*

さて、オランダはどうなのかと言うと、歴史的にはキリスト教国家なわけですが、現代のオランダでは宗教色は段々と薄れてきています。これまでに私が書いた記事の中でも少し触れたように、オランダではクリスマスやイースターなどキリスト教関連の祝日は大きなイベントとして祝われますが、もはや宗教的な意味で祝うというよりは、家族で過ごす楽しい祝日・季節行事といった意味合いの方が強いです。

そのため、敬虔で熱心なキリスト教徒の人たち以外は、毎週日曜日のミサやクリスマス、イースターのミサのために教会に行くことはほぼないようです。今でも各都市に大きな教会や大聖堂は残っていて、教会としての機能+観光地としての機能を果たしていますが、それ以外の教会では信者の減少で本来の宗教的な目的では使われなくなったところが増えており、最近ではイベント会場としてよく使われています。各種フェアやハンドメイド作品のマーケット、展覧会会場などなど、様々な使われ方があるようです。

また、リノベーションを経て本屋さんになった教会もあり、イギリス紙で「世界一美しい本屋」に選ばれたことがあります。以前の記事で少し紹介していますので、気になった方はこちらからどうぞ!

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ここからは、オランダ中央統計局(CBS)が発表した統計データを参考に、オランダ人と宗教について紹介していきたいと思います。

*信仰されている宗教の割合*

宗教グラフ

今回、私が見つけることができた最新のデータが2017年(*発行は2019年)のものでした。数年前のものですが、現在と比べてそこまで劇的な変化はなさそうです。

上のグラフは、15歳以上のオランダ人信仰している宗教(宗派)があるかを質問した結果です。合計すると101%になってしまいますが、これは小数点以下を四捨五入して丸い数字にしてあるのが原因のようです。無視でお願いします!笑

さて、気になる結果は、

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