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'21年度の素晴らしかったコマーシャル麒麟特製レモンサワー「みな美しき(華)篇」

麒麟特製レモンサワー「みな美しき(華)篇」(30秒Ver.)

ちょうど1年前となる2021年3月から展開された、キリンビール株式会社による「麒麟特製レモンサワー」のブランドCFとして内村光良をメインとしたバージョンの「華篇」。

「みな美しき(華)篇」は、内村光良さんが出演し、「麒麟特製レモンサワー」のおいしさと、上質な時間を楽しむCMとなっています。友人と屋形船に乗り水上に上がる花火を見ながら、「麒麟特製レモンサワー」を楽しむ上質な世界観を表現しました。花火に照らされながらお酒を飲む内村さんの横顔が、「麒麟特製レモンサワー」の格別なおいしさと、「お客様の今日を、幸せな時間で満たしたい」というブランドの想いを象徴しています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000049800.html

…というメーカーのプレス文言にもある通り、屋形船というロケーションとディテールを照らす照明演出だけで表現されているシンプルなこの構成は「日本人の意識における情緒と共感」に全振りしてすごい作品だなと感じていました。

麒麟特製レモンサワー「みな美しき(華)篇」
広告会社:catch/ENOAD/博報堂
制作会社:AOI Pro.
水上撮影コーディネート:ジール

屋形船、花火の光で浮かび上がるディテール、アルコールを酌み交わし語り合う仕草…のような「日本人ならここまで見せればわかるよね」要素に絞り科白も付けず、本当に内向ブランディングとして日本人にしかわからない機微や設定にすべてを賭けているあたりが潔い。
ちょうど、この昨年(2020年のこと)親しい人に会って/夏に屋形船で/などのシチュエーションでアルコールを愉しめなかった…そんな残念な気持ちを引きずる当時の生活者の心情をくみ取り「今年こそは」という期待をも表現したストーリーは、全般に無駄がなく本当に「端的」でよくできています。

ここ15年ほどですか、日本人が作る広告は「広告主様のすべてのご意見」に考慮する言い訳・保険を重ねまくるせいで「やたらと語らせる」悪い癖があり、作品性やプロダクトの力をまるで信じていないみっともない結果になってしまったものが多いのですが、こういう国民性や描写の作品性に依存させるアプローチは貴重だと思います。

まあ、受け止め方は人それぞれの感性に依存するし、その「とき」のCMプランナーやその広告代理店等の状況・考えにも依存することなので異なる考えがあって正しいと思いますが。

今年はどのメーカーのどういった素晴らしい広告が生まれるんでしょうね。

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