☆本#101 日常的非日常「偶然の祝福」小川洋子著を読んで
そういえば、この著者の本は縁がなかったのか読んでこなかった気がする。原作の映画は観たことあるけど。
ので、読んでみた。
この小説は、作家が主人公で、短編が連なっている。読みやすくて、独特の世界観がある。
2つのシーンが印象的だった。
ひとつは、作家の弟と名乗るファンが付きまとう話で、雨の中、その男が運悪く歩道に倒れ持っていた本を水たまりに落とす。何冊も。本は雨に濡れ、通行人に蹴られ、傷んでいく。本好きな人はきっと胸が痛む…。
もうひとつは、作家の飼い犬が涙腺水晶結石症で死にそうだったのが、不思議な獣医に助けられるシーン。目蓋をつまみ絞るようにして結石をつまみだす。結構アナログな処置...。
ところどころふしぎな話だった。
でも、他にも読んでみたくなった。
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