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☆本#542,543 アート&歴史「〈あの絵〉のまえで」原田マハ著、「日本史を暴く」磯田道史著を読んで

前者は短編6つ。後者は新書。

前者はの語り手は20代から60代の女性。様々な状況で、それぞれ展開があって、最後に絵を前にして、リフレッシュするというかパワーを得るという流れ。
著者の本は個人的に当たり外れがあると思っているけど、当たりのほう。

「檸檬」という作品で新社会人の主人公は、同僚に厳しい忠告を受ける。そこはストーリー上ではその後の展開のための通過点なだけだけど、違う小説の二人の女性の対峙を想起。この部分の会社でのその後に興味ある。

舞台は広島、岡山、香川と主に瀬戸内海近辺が多かった。
〈あの絵〉の画家たちはメジャーなメンバーとはいえ、同じ美術館でも興味を持つ絵は人それぞれ。とはいえ、東山魁夷の白馬の絵は確かに印象的。岡山の郷土料理ままかり寿司にも興味を持つ。


「日本史の~」は著者が古文書を解読して、日本史のある面を暴いていく。戦国の武将から、江戸、幕末まで。信長、光秀、秀頼から、最後の女性天皇の話や、日本人のチョンマゲのやめ方から江戸マスク、等々。

中でも興味深かったのは、「松平容保と高須藩の謎」。彼と優秀な兄弟は「高須4兄弟」(ちなみに、wikiによると兄弟の数は10人ほど)と呼ばれ、江戸から明治にかけて活躍。出身はわずか3万石の高須藩(岐阜県)だけど、優秀な人材を輩出したのは、自由度の高い家風からか?

「『薩長密談の茶室』を救う」では、文字通り、解体されそうだった、西郷、大久保、岩倉の密談に使用されたという茶室「有待庵」を移築というかたちで救ったらしい。
観光公害は、思った以上に深刻化。


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