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英語「カモンカモン」「パリ13区」を観て

映画紹介で同時に紹介されていた2作。
前者はアメリカ映画で、後者はアメリカの短編漫画をベースとしたフランス映画。共通点は、白黒で、そこがちょっと心配だったけど、始まってみたら気にならなかった。

「C'mon C'mon」
未婚で子供のいない中年男性ジョニーと、妹の9歳の子供ジェシーとの交流。といっても、単純に心温まる系ではなく。
子供は若干スポイルされてて大人は振り回される。けど、それにはそうなった背景というか環境があり。
とはいえ、親が過保護なのは、社会的な問題による影響も大きいのだろうな。アメリカは子供ひとりで電車に乗せたらいけなかったりするし。
LA、NY、ニューオーリンズが舞台。LAは広大さ、NYは高層ビル・人の多さ、ニューオーリンズは自然が特徴的で、スパニッシュモスが懐かしかった。

見始めてすぐ、ジョニーの妹ヴィブって見たことあるな、と思ったら、子役で映画に出ていたひとだった。
ジョニーがジェシーを怒鳴った後に落ち込んで、ヴィヴにそれを電話で話すと彼女は、私のいる親の世界へようこそ、というようなセリフを言う。全体的にクールで、子供とうまく付き合い、自分の人生も生きてる女性の役だった。
根幹に、きちんと自分の人生を生きるって大事。

ジェシーの仕事は、子供に訪問インタビューすることで、それはラジオで放送される。子供にはそれぞれ悩みがあり、夢があり、差別等のシビアな現実をしっかり見ていて。

ジェシーの発言は、監督の子供の言葉からきてるのもあるとか。あの、夜の設定か…。
タイトルは、映画内では「先へ先へ」と訳されていたけど、ニュアンス的には、急げとか、頑張れってのも含まれている、掛け声のような感じか。

「パリ13区」
アラフィフのアメリカ人漫画家・イラストレーターの短編漫画から、二人のフランス人が脚本を書き、フランス人のシニアの監督が撮った作品。漫画といってもアート的で、コンテンポラリー文学。この映画は4つの作品から作られている。オリジナルの細かい部分を知りたくなった。

主な登場人物は4名。台湾系フランス人のエミリー、アフリカ系フランス人のカミーユ、白人のフランス人のノラとアンバー。
冒頭、セックスシーンがあるけど、この映画の中で全体的にスポーツな感じ。エミリーとカミーユは、前者がアパートのルームメイト募集していたことで知り合う。エミリーは、カミーユって女性かと思ったら違ったので断ろうとするも、彼は学校の先生でなんだか押されて了承する。暮らし始めて彼女は彼を好きにけど、彼は束縛されたくないと、結局出ていく。

アラサーで大学に戻ってきたノラは、20代の同級生になじめず、パーティで変身したらその金髪ヘアで見かけがポルノ女優アンバーに似てしまい、周りにその人物と勘違いされ、ある日講義中誤解が拡大し、大学に行けなくなる。
それで、以前仕事をしていた不動産業で仕事をはじめ、そこでカミーユと知り合う。カミーユはほかの女性とはちょっと違うノラに興味を持ち、彼女はアンバーに興味を持ち、彼女のサイトを訪問する。
ノラはこの二人と親密になっていくけど、カミーユは振って、アンバーと公園で会う。

ノラはある日、同級生のひとりと通りですれ違い話しかけられる。別れた後でその子が横にいた人に彼女が誰かと聞かれ、大学でノラをからかい過ぎたと話すと、ノラは引き返しその子にパンチを食らわす。こういう女性の顔面パンチシーンって、アメリカ映画では見かけるけど、フランスでも同様なのか?それとも、原作を維持しているのか?

家を出た後もエミリーとコンタクトを取っていたカミーユは、彼女の祖母が亡くなったことを知る。愛してないならほっといてという彼女に、カミーユは答える。最後、意外な展開が良かった。

フランス女性は、雑に髪を束ねたりするけど、あれは毛量が少ない人向き。エミリーの黒髪の場合、若干その状態ではぼさぼさっぽいと思っていたら、途中から前髪を短くカットし、長い髪も先をまとめてゴム止めしてすっきり。彼女は若いだろうとは思っていたけど、撮影当時21歳ぐらいらしく、ほか3名が30代に比べるとかなり若い。

アジア系移民が多いという13区はたぶん通過したことしかないので、機会があれば行ってみたい。


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