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☆本#66 冗長的(?)描写あるある 「本当の翻訳の話をしよう」村上春樹 柴田元幸著

著者ふたりが雑誌で翻訳について対話連載してることも共著の翻訳があることも知らなかった。

で、まずこの本を読んでみた。

海外作家でたまに背景描写が不必要に長いとか、だからそこ飛ばして読むとか(もちろん、翻訳時は丹念に読む)、なんだか同感で共感。

海外のミステリー系は、そういった描写もなにかにつながるかと思ってわたしも以前はちゃんと読んでいた時期もあったけど、徐々にポイント読みするようになった。あまりに情景描写が長いと...。特に、事件解決の糸口になるわけでもなかったし。

作家によってはスイッチが入ったかのように長々と室内の描写を書く人もいるらしく、適度なカットは編集の責任なのになぜ止めなかったんだろう、と。私も不思議に思う。

日本の翻訳家の話も興味深かった。森鴎外はなぜペンネームを使ってまでたくさん翻訳したんだろう。

森鴎外は子煩悩だったようだけど、追っかけてきたドイツ人女性もいて罪な男な印象。それを小説の題材にしてるし。

(ちなみに、総務省統計局のデータによると国際結婚は男性の方が多い。てっきり女性の方が外国人と結婚してるかと思ったら違った。女性の国籍で2トップは中国とフィリピン。アイドルとかモデルの親の出身地としてここ数年聞くなと思ってたらやはり。たまに母親がミャンマーという人もいるのでミャンマー人も増えているのだろうか。)

Back to the topic.本題に戻る。

すでに訳された本を訳すときは違う表現を探すとか、訳を長年しているからこそできる訳者への評価とか、違った視点で見れて興味深かった。

ふたりがレイモンド・チャンドラーやフィッツジェラルドの小説の一部をいくつか訳してる箇所があって、そこは比較的できて読み応えあり。

ほかに、短編で読みたい作家もちらほら。ふたりが評価しているので期待が高まる。

個人的には意訳しすぎより原文に忠実な直訳に近い方がいいような気がするけど、作家でも訳者でもなく、ストーリーが読者に好まれて記憶に残る、のが究極なようだ。

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