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☆本#248,249「秋の猫」「きままな娘 わがままな母」藤堂志津子著を読んで

著者は恋愛ものが多い作家だと思っていたら、動物ものと母娘ものがあったので読んでみた。
前者は短編で5話。後者は長編。

短編集のほうは、この作家らしいなという感情の流れ(男女間)もあり、微妙なのもあったけど、最後の「公園まで」がいいと思った。これは端的にいうと、30代半ば過ぎの女性が主人公で、彼女は両親を続けて亡くし、夫も浮気相手に子供ができ家をでて、その後離婚し、愛犬と暮らしている。ある日、公園で男性と出会う。実は数年前に会ったことがある人で、彼は猫を飼っている。で、ラストのほうで元夫との意外な過去がわかり(というか、とばっちり的)、それはもう過ぎたことで、これからの暮らし向きが明るい感じでおわる。

長編のほうは、母娘の話。
主人公は30代半ば過ぎで、母親と二人暮らし。父親はすでに亡くなっており、弟は就職して家を出ている。

ある日ふと退職しようかと母の前でいうことで、実際フリーランスになって、話が展開していく。

といっても、なにかひとつの大きい事件はなく、喧嘩したり、主人公がストーカー扱いされたり、さらっと不倫があったり、母が倒れたり、弟が突然結婚したり。弟の嫁ができた人だったり。その人を嫁にもらった弟が人間大きかったり。
母親はちょっと個性的で容姿にコンプレックスを持っている。弟はいいやつで、緊急時に人柄がわかる。

娘はそれほどきままじゃなく、母もそれほどわがままじゃない。

著者の過去の連載ものの本を見つけたので、読んでみたくなった。

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