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☆本#297-301 いろいろ「幹事のアッコちゃん」「連続殺人鬼カエル男ふたたび」「葉桜の季節に君を想うということ」「ザリガニの鳴くところ」「カラハリ」を読んで

「幹事のアッコちゃん」は柚木麻子著で、アッコちゃんシリーズの3作目の短編集。アッコちゃんは、合理的で戦略的。

「カエル男ふたたび」は中山七里著。シリーズ2作目。1作目と同じで、殺人が無情で異常。で、賞を取った「ドビュッシー」と本当にその人が死んだのか、という点が共通していることに気付く。例の刑法第39条がまた出てきて、暗示をかける方もかかる、という流れになり、罪を犯した者は違う方向から罪がつぐなわれる…。微妙なエンディングではある。

「葉桜の季節に君を思うということ」歌野晶午著。
賞を総なめ、究極の徹夜本と知り、読んでみたらちょっと違った。
出だしの男性の語りが、ラノベの女子のようなノリで、年齢が明かされない。これは、最後にそこまで高齢だったか、へとつながる。
章の時系列がばらばらなので、高卒後の探偵時代のその後が気になりつつ読み進んだら、最後の方でやっと出てきた。
語り手の話し言葉が若いと、年齢ってつかみづらいのだな。

「ザリガニの鳴くところ(翻訳版)」ディーリア・オーエンズ著。
やっと翻訳版を読む。方言が標準語だと全然印象違う。英語版は読み書きできない有色人種や、主人公自身も途中まで読みかけ出来なかったので、話し言葉のスペルが合ってない言葉を喋るので、翻訳版でそれがないとちょっと違和感だったけど、翻訳にそれを取り入れるのはかなり大変かも。
この作品は、欧米で長いことベストセラーリストにランクインしていた作品だけど、ミステリー、恋愛、それとおそらく孤独にまつわることも書かれているので人気なのかな。
著者が69歳で初めて執筆した小説がこの作品、ってなんかすごい。現在アイダホ在住で湿地帯の保護活動をしているので、そこで創造がふくらんだのか?

「カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす」マーク&ディーリア・オーエンズ著。
著者らは、大学時に出会い、その後結婚し、その1年後の1974年に全財産約6000ドルでアフリカへ研究調査に行く。7年間滞在した動物記録で写真入り。アメリカではベストセラーになったらしく、文字多め。
夫妻は滞在中、動物保護団体から援助してもらっていたらしいけど、摂氏49度の厳しい環境での暮らしや資金集めって、肉体的にも精神的にもタフなふたり。というか、同じビジョンを描いているふたりだから実現したのか。帰国後、博士論文を書いたり、ほかに動物についての調査まとめを本に書いたりして、1981年にまたカラハリに戻った。

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