☆本#230 不思議とリアル「一人称単数」村上春樹著を読んで
著者と思われる人物の、10代の頃のガールフレンドとその兄と偶然会った話や、醜いけど魅力的な女性との話や、温泉旅館で会った言葉を話す品川出身(?)の猿の話、書き下ろしが表題の、8作品の短編集。
それぞれそれなりによかったけど、品川猿と表題が印象的。
前者は、言葉を話す猿という設定で、著者の独特の不思議な世界観が出ていて、最後にそもそも品川猿はそこにいたのか?的流れもよかった。
著者は、5年ほど前に群馬の小さな旅館に泊まる。そこの浴場で、年老いた猿が働いていて話しかけられる。