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ジャンルにこだわらず読んだ本あれこれ。
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2021年12月の記事一覧

☆本#264,265 成り行き「私はいつも私」片岡義男著、「ムーンライト・イン」中島京子…

前者は都会的でスタイリッシュというか比較的論理的な女性主人公の短編集で、後者は高原が舞台…

☆本#263 教養 「スティル・ライフ」池澤夏樹著を読んで

ふと読みたくなって手に取った本。この著者の他の本は読んだことがない。中編が二つ。 著者は…

☆本#262 平等「ブラックウェルに憧れて」南杏子著を読んで

医学部で知り合った4人の女性と、初の女性教授がメイン。医学界の男女差別や、それぞれが直面…

☆本#261 SF「わたしたちが光の速さで進めないなら」キム・チョヨプ著を読んで

韓国の若手作家。SFジャンルの短編集。 「館内紛失」から読む。主人公は妊婦。亡くなった母の…

☆本#258,259,260 対極「アカシア香る」「別ればなし」藤堂志津子著、「2020年の恋人…

アカシアと別れ話は、展開が対極で、作品の世代が違うってのもあって作家同士の描く内容が対極…

☆本#257 独特「悲しき酒場の唄 騎手」カーソン・マッカラーズ著を読んで

表題2作と、ほか短編5作。 著者は、1917年生まれ。日本の大正6年。これは1951年以降に書かれ…

☆本#254,255,256 「桜ハウス」「夫の火遊び」「ほろにがいカラダ」藤堂志津子著を読んで

シリーズものの3作品。 桜ハウスに住む(あるいは住んでいた)女性4人が出てくる短編。主人公は30代半ば過ぎ、ほかは20代がふたり、30代前半がひとりで、それぞれ5歳ずつ差がある。2冊目では主人公が40代半ばで、3冊目では50歳。それぞれのその後が描かれている。著者らしい設定があこちこみられる。 1冊目「桜ハウス」では、語り手は主人公の蝶子。独身で亡くなった叔母の遺言で彼女が所有していたアパートを引き継ぐ。10年前そこに住んでいたのが、30代前半の遠望子、20代半ば過ぎの綾音