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フランス物価急騰!それでもコメが食べたい

海外で暮らしていると和食が恋しくなる。

とは言っても、小難しい材料や調理が必要な『ザ・和食』を溺愛している訳ではない。普段はパンやパスタをよく食べるし、漬物がなくてもピクルスで満足できる。

いわゆる『ザ・和食』がなくても、特に精神障害を起こすほど追い詰められたり泣きわめいたりなんてしないのだ。

ところがそんな私でも、半年に一度くらいの周期でふっくらと炊き上げたご飯の上に目玉焼きをのせて、しょうゆをチョロリとかけたものが食べたくなることがある。

半熟の目玉焼きにしょうゆをかけてふっくら炊き上げたご飯と一緒に頬張ると、心がポワポワと湯気を立てながらほぐれていく。

口の中ではご飯粒が香しい匂いを放ちながらホロホロと崩れ、噛むと優しい甘さがにじみでる。う~ん!ワンダホー!

和食はなくても困らないけど、コメはないと困るのだ!


フランスのスーパーで買えるコメの種類
フランスのスーパーでよく売られているのは、カマルグ米か、中東やインド料理などでよく使われるバスマティ米、そして東南アジアが主流のタイ米。

日本食ブームの波に乗ってか、SUSHI RICEと表示されたコメが売られているのをたまに見かけるようになったけど、パッケージが怪しいので私は買ったことがない。

いづれも500g~1kg程度のパックになって売っている。

日本でよく食べられる日本ジャポニカ米は手軽には手に入らない。

日本人の友達の中にはスーパーで買ったカマルグ米を上手く炊いて、お寿司やおにぎりを作る人がいる。だったら日本米がなくてもどうにかなるかと思いきや、なかなかどうして、水分量とか炊き方とか、上手くやらないとベットベトで苦いご飯が炊きあがってしまう。

料理下手な私が作ると、十中八九、失敗するのだ。

なので私はアジア食品店までわざわざ足をのばして、欧州で生産されているコシヒカリを購入する。日本のコシヒカリをイタリアの水田で栽培しているから、ほぼ日本と同じクオリティのコメが手に入るのである。

誰がやっても甘くてふっくらと炊きあがる欧州産コシヒカリは、コメだけで全然イケちゃう。コメを味わいたいなら、味は断然日本米が美味しいと私は思っている。

コシヒカリよりも糖度の低いカマルグ米は白米として食すよりも、味を付けて炊き込む料理、リゾットやパエリャなどに適している。

バスマティ米やタイ米は独特の香りが強いので、白米として食べるより香辛料の効いた料理と合わせるのがいい。


コメが食べたくなる時
普段は和食がなくても平気な私が、無性にコメが食べたくなる時がある。コメはコメでもふっくらと炊き上げたご飯が食べたくなる、ふっくらご飯欠乏症に陥る時だ。

おかずはそれこそ目玉焼きでもいいし、野菜や肉を炒めただけのものでもいい。味付けは塩やしょうゆでシンプルに。

それかおかずは作らずに、塩むすびにしてコメと一緒に買った海苔を巻いてかぶりついてもいい。

とにかく美味しいコメが食べたいのだから、おかずは極力シンプル、もしくは塩と海苔だけでも構わない。

年に一、二度訪れるふっくらご飯欠乏症の時にはやっぱりどうしても、欧州産コシヒカリを買ってしまう。というか、買わざるを得ない。

日本で生まれ育った私にとってのご飯は、甘味と旨味が凝縮された一品。ふっくら炊き立てご飯の匂いと味が、至福の感情と共にDNAの中に刻み込まれている。

フランスのスーパーで売られている安いコメでは満足が出来ないのだ。


コメの値段
そんな私がフランスに住み始めた頃にはまだ、欧州産の美味しい日本米が広く出回っていなかった。アメリカから輸入したカリフォルニア産の日本米が多かった気がする。ユーロ以前だったこともあり値段は覚えていないが、アメリカでの販売価格の2、3割増しくらいだった記憶がある。

10年前に日本から再びフランスへ戻ってきた頃に買っていた欧州産の日本米は、5kgで17ユーロほどだった。

南仏に越してきてからは、同じ5kgが20~23ユーロほどで売られていて、今年に入ってからはなんと!29ユーロまで値上がりした。


物価高
ロシア近辺の情勢が不安定になってから、ありとあらゆる物の値段が急騰した。肉や野菜、生活に必要なものが次から次へと値上がりしていく。

とは言っても、戦争以前にも物価は少しづつ上がっていた。ユーロを導入して以降、物の値段は常に上がり続けていた。それがここにきて、戦争を言い訳にするような形で一気に爆上がりしたのだ。

以前なら20ユーロ札を握りしめていれば、大人2人が3~4日食べていける量の買い物が出来た。今では40~50ユーロはかかってしまう。

ただ、数ヶ月で一気に5ユーロ以上も値上がりしたものはほとんどない。もしかしたら私の通っているアジア食品店だけのことだけかもしれないけれど、今回のコメの値段は異常な値上げとしか思えない。


ふっくらご飯欠乏症に陥る前に。。。
先日ついに、5kgのコメが30ユーロを越えたと聞いた。私自身はここ半年ほどアジア食品店へ行っていないから、友達から聞いた話だ。

今のところはまだ、ふっくらご飯が食べたい欲求は出ていないけど、年内、いやもしかしたら年明け早々にでも、食べたくなっちゃう可能性はある。

その時には一体いくらまで値上がりしているのだろうか。そして一体いくらまでなら私はこの美味しいコメを買い続けていられるのだろうか。

今のうちに料理上手な友達から、カマルグ米の美味しい炊き方を伝授してもらっておいた方が良いのかもしれない。迫りくる、更なるコメ急騰の時に備えて。



余談
日本食ブームのおかげでお弁当やおにぎりを販売する店が増えているので、日本米の需要は確実に増している。もしかしたら、需要と供給のバランスが崩れて値段が急騰した?のか?とも考えられる。

むむむ。そーなのか?

どーなのか。。。どーなのだろう。



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