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サッカードイツ代表4人のレジェンドの後継者たち FOKUS Bundesliga!!! #15


前書き

8月29日、DFBはUEFAネーションズリーグに臨むサッカードイツ代表メンバーを発表した。ユリアン・ナーゲルスマン監督のもと、自国開催のユーロで素晴らしいサッカーを披露した同代表は、リーグA・グループ3に入り、9月7日にホーム(デュッセルドルフ・アレーナ)でハンガリー代表、10日にアウェー(ヨハン・クライフ・アレーナ)でオランダ代表と対戦する。以下、招集メンバーの紹介。

TOR
オリバー・バウマン
アレクサンダー・ニューベル
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン

ABWEHR
ヴァルデマール・アントン
ベンヤミン・ヘンリクス
ジョシュア・キミッヒ
ロビン・コッホ
マキシミリアン・ミッテルシュタット
ダビド・ラウム
ニコ・シュロッターベック
ヨナタン・ター

MITTELFELD
ロベルト・アンドリッヒ
エムレ・ジャン
クリス・ヒューリッヒ
パスカル・グロス
ジャマル・ムシアラ
アレクサンダー・パブロヴィッチ
アンジェロ・シュティラー
フロリアン・ヴィルツ

ANGRIFF
マキシミリアン・バイアー
ニクラス・フュルクルク
カイ・ハヴァーツ
デニス・ウンダヴ

総勢23名のメンバーのうち、ユーロ2024のメンバーでもあった選手は21名。ユーロ同様の戦い方を貫くというナーゲルスマン監督の意思表示にも取れる選考だ。ユーロで最終的にメンバー外となったニューベル、怪我で離脱したパブロヴィッチ、初招集のシュティラーの3名がチームに加わったことは、彼らの実力を考えれば大きなサプライズではない。

ただ3名の新しいメンバーが招集されたことに大きな注目が集まっている。理由はユーロ2024終了後、これまでチームを支えた4名のスター選手が引退を決意したことに起因する。トニ・クロース、トーマス・ミュラー、マヌエル・ノイアー、イルカイ・ギュンドアン。4人のレジェンドはそれぞれ自身のSNSアカウントで代表引退を発表した。

各々がマイスターシャーレやビッグイヤーを掲げた経験を持つ実力者であり、ユーロ2024でもチームの重要な役割を果たした4人。彼らの後継者として、誰が今後のドイツ代表を牽引するのだろうか。本テキストでは「4人の実力者」の後継者としてワールドカップ2026の舞台で活躍するであろう4選手を紹介する。

ドイツ代表4人のレジェンドの後継者たち

#1 マヌエル・ノイアーの後継者

マルク・アンドレ=テア・シュテーゲン
Marc-André ter Stegen
現所属:FCバルセロナ
生年月日:1992年4月30日
身長:187cm 利き足:右足

テア・シュテーゲンが「ノイアーの後継者」と目され始めたのは、最近のことではない。2015年にFCバルセロナでチャンピオンズリーグ優勝を経験し、2016/17シーズン以降は同クラブで主力として活躍した。欧州で五指に入る能力と実績の持ち主であるテア・シュテーゲンは、ノイアーの後任として十分な実力を誇る。

32歳のテア・シュテーゲンは反射神経を活かしたショットストップと正確なキックを特徴とするゴールキーパー。とくにビルドアップが重視される現代サッカーにおいて、テア・シュテーゲンのキックは貴重だ。同ポジションのライバルはアレクサンダー・ニューベルだが、経験でテア・シュテーゲンが遥かに上回っている。

#2 トニ・クロースの後継者

アレクサンドル・パブロヴィッチ
Aleksandar Pavlović
現所属:FCバイエルン・ミュンヘン
生年月日:2004年5月3日
身長:188cm 利き足:右足(または両利き)

ナーゲルスマン監督はクロースの後継者候補として、バイエルンユース出身の2選手に白羽の矢を立てた。シュティラーとパブロヴィッチである。確かにシュツットガルトで主力を務め、正確な左足のキックを特徴とするシュティラーは素晴らしい実力の持ち主だ。しかしクロースの後継者に相応しいのはパブロヴィッチだろう。

20歳のパブロヴィッチは長身の体格と両足でのボール展開を武器とする中盤の選手。低い位置でボールを持ちながら、長短のパスを送るプレースタイルが特徴的で、機を見て前線へと飛び出す運動量もある。また体格を活かしてボール奪取もできる。バイエルンで中心的存在となっていることから考えても、末恐ろしい選手だ。

#3 イルカイ・ギュンドアンの後継者

マーリン・レール
Merlin Röhl
現所属:SCフライブルク
生年月日:2002年7月5日
身長:192cm 利き足:右足

ユーロ2024でドイツ代表のキャプテンを務めたギュンドアンは、トップ下として豊富な運動量を見せただけでなく、チームの精神的主柱だった。そういう意味ではギュンドアンの後継者探しは簡単ではない。ただ能力だけでみれば、ドイツには彼の後継者に相応しいタレントたちがいる。その代表格がマーリン・レールだ。

22歳のレールは巧みなコントロールを活かした、伸びのあるドリブルが特徴のトップ下を主戦場とする選手。左寄りの高い位置で、前向きの状態でボールをもつと真価を発揮し、カットインで相手を抜きながら得点を狙うことができる。また中央でプレーする際もボールキープやターンを駆使し、スルーパスも提供できる。

#4 トーマス・ミュラーの後継者

ヨナタン・ブルカルト
Jonathan Burkardt

現所属:FSVマインツ05
生年月日:2000年7月11日
身長:181cm 利き足:右足

ドイツ代表にとって最も困難なのは、「ラウムドイター」や「ラジオ・ミュラー」として知られるトーマス・ミュラーのプレースタイルを引き継ぐ選手を見つけ出すことだろう。得点力や存在感を遺憾なく発揮したミュラーを引き継ぐことのできるであろう選手を1人だけ指名するなら、私はヨナタン・ブルカルトを挙げたい。

ブルカルトのポジションを形容するのは難しい。ウイングの様なドリブル、ストライカーの様な得点能力を持ち合わせながら、ウイングやセンターフォワードという枠組みでは捉えきれない。マインツという特殊なクラブで育った故のものかもしれない。ナーゲルスマン監督が彼の能力を欲する試合がいずれ来ると推測する。

後書き 新キャプテン、キミッヒ。

ドイツ代表にとって、4人のレジェンドの引退は大きな喪失感を伴うものになるだろう。彼らはチーム最高の選手で、象徴的存在であり、何より影響力があったためだ。ナーゲルスマン監督は彼らに取って代わる新たなリーダーとして、ヨシュア・キミッヒをキャプテンに就任させた。実績や能力を考えれば当然の選択だ。

召集メンバーを見る限り、右サイドバックで起用されるであろうキミッヒは、フリック前監督時代からリーダーの1人だった。しかし期待されて臨んだ2022年のワールドカップでは予選敗退。2023年末にはクラブでの不調もあり、大きく評価を落とした。しかし2024年のユーロで躍動。その能力を遺憾なく発揮した。

キミッヒの脅威的な特徴は、能力以上にそのメンタリティにある。常に勝利を渇望し、必要とあれば監督にも物怖じせず発言する。そんなキミッヒに求められるのは、チームを勝利に導く存在となることだ。ドイツ代表には才能ある2人の若手選手がいる。彼らの才能を試合のなかで引き出し、支え、導くことが勝利に最も近い道だ。


そのほかドイツ代表について書いたテキストはこちら

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