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ピンクで私を大切にする

一週間前くらいにちょっと離れたところにある咲きそめの桜を見に行った。とか言って、この写真が桜じゃなかったらどうしようと少し自信がなかったりもする。軸の部分が長めで先の部分に切り込みがあるのが桜だというけど、もしそうじゃなかったらすみません。

少し前から部屋に飾ってあるのはもう少し色の濃いガーベラにカーネーションというお花で、やっぱりこれも母が買ってきてくれたものだ。カーネーションはまだつぼみだが、今すぐにでも咲きそうに花びらがほころんできている。ついているつぼみがみんな咲くくらいに長持ちさせてあげたいと思う。




話は変わるようだが、私の部屋にはピンクのものが多い。書いている今この瞬間に着ているのもピンクの服だったりするし、使っている財布も手帳も布団もピンク色だ。これは私が可愛らしいものが好きな女性らしい性格だとかそういった意味ではなく、実は他の意味があって集めるようにしているものだ。それがタイトルにした「ピンクは自分を大切にできる色」ということ。

いつだったか購読していたファッション誌にあった特集にあったコメントだった。よくある「この色が好きな人はこういう心理」というものではなく「この色のものを持つとこういうところが良くなる」という、今思えば運気の上昇のようなことを説明していたのだと思う。もしかしたら風水関連かもしれない。

雑誌自体を処分してからもその特集は妙に心に残った。何故なら私はその頃に長引く失恋の痛みに辛い思いをしていたからで、ずっと後悔をしていることがあったりと自分のことをうまく大切にできないでいたからだ。幸せになるようなことにためらいを感じているような、そんな状態だった。


私は普段から持ち歩く化粧ポーチを淡いピンク色にしたり、思い切って財布を新調したり、ピンクのバッグを使うようにした。部屋を思い切って模様替えして、ピンクをメインに白と木目が映えるようなナチュラルのテイストで揃えてみた。

気分が上がらず暗めの色の服ばかり着ていたのが、再び白のブラウスなど明るいものを選ぶようになった。本当は自分には暗めの色は似合わないのだとパーソナルカラー診断でわかったからというのもある。だけど一番の理由は、私が数多く持つピンク色の小物には似合わない色だと思ったからだ。

自分を大切にできるようになったのかはわからなかったが、次第にその可愛らしさに自分が見ていて癒されるようになった。元気をもらえるようになってきた。ピンク色のものを見つけると何となく微笑みたくなる。


気付けばピンク色のものを収集するくせはなくなっていた。十分に周囲にピンク色のものが増えていたし、そうしなくても日常生活にはたくさん溢れていると知ったからだ。ピンク色を使っているのは私だけではない。



さわさわと柔らかくそよいでいく風の中で少し歩き、少し離れた所にある桜の木を眺めた。もう入ることのできない、あの日の私がたたずんでいた場所だ。淡いピンク色の重なった満開の日に何があったのかはもう詳しくは覚えていない。優しい思い出だったような気もする。


今でも覚えていること。思い出したくないこと。ありありと思い描けること。忘れた方がいいこと。いろんなことがあった。

自分をきちんと大切にして、無理に忘れようとしなかったのが良かったのだと思う。とても綺麗に昇華していった。この桜が咲いていくみたいに。きらきらと注いでいる太陽の光を見上げながら、一枚だけ写真を撮った。

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