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【読書感想】リーダーの報・連・相/相田 吉雄

「リーダーの報・連・相」こちらの本、読みました。

報・連・相は、仕事で特に問題なく出来ているとは思いますし、どういった動きをすれば良いかも分かっているつもりです。
ただ、報・連・相を言語化するとなると、意外と難しいかもなぁと思ったり。

また、本タイトルに「リーダーの」と付いているのに興味を持ちました。
なんとなく「リーダー」と「報・連・相」があまりリンクしないというか、関連性がそこまでないような気がしてしまうというか。

そういった部分で気になって本書を読んでみました。


本の内容

まずはAmazonから本の内容を抜粋します。

報連相を機能させるのは「あなた」です。
この本は、「いつも指示通りに動かない」「ミスをひた隠しにする」「何を考えているかわからない」という部下に困っている、
もしくは「チームでの伝達がうまくいかず、成果が上がらない」と悩んでいる
中堅社員(リーダーやマネジャー)のために書きました。
あなたのチームは「報連相」を徹底することで必ず見違えます。
「報連相」というと「それって新入社員が学ぶものなんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、実は報連相を機能させるための鍵を握っているのは、部下を指導する立場にある中堅社員、
つまりこの本を手に取った「あなた」なのです。

こんな感じの本です。

記事の冒頭でも少し触れましたが、「リーダー」と「報・連・相」は関連性がそこまでないような気がしていました。
ですが著者からすると、報連相を機能させるための鍵を握っているのはリーダー、とのこと。

著者情報

本書の著者である「相田 吉雄」でネット検索したところ、いくつかヒットしました。
リンクしておきます。

いくつか引用と感想

報告のキホン

報告とは、「指示を与えられた人が、指示を与えた人に仕事の途中経過や結果を告げること」です。
通常、指示は自分より上位の人から与えられます。ですから報告は、部下から上司へ、また担当者からお客様へということもあるでしょう。
このように報告は上位者に行うもので、基本的には1対1で行います。
忘れてはならないことは、報告とは指示を受けたものの「義務」であるということです。つまり、依頼された限り、どんな小さな仕事でも終了したら報告をして初めて義務を果たしたことになります。そういう意味では「報告までが仕事」とも言えます。

「報告」はもちろん分かっているつもりですが、言語化するとなると意外と難しいです。
そんな自分にとって難しい言語化をしてくれていたので、引用してみました。

私がメインで報告を行うタイミングは、朝に行われるデイリーの会議です。
そこで一日分の進捗報告をしている感じです。

引用では「基本的には1対1」となっていますが、そのデイリー会議では5人前後のチームメンバーが集まっている感じです。

もちろん、デイリー会議以外でも報告するタイミングがあります。

例えば、「次の日のデイリー会議を待たずに、早めに報告しておいた方が良いな」と思うものや、突発的に発生したトラブルに関するもの等です。

本書でも「中間報告」「結果報告」「トラブル報告」「変更報告」に関して、それぞれ詳しく解説しています。
引用すると長くなってしまうため、その辺りは割愛しています。
詳しくは本書を読んで頂ければと。

連絡のキホン

連絡とは、「自分が見知った仕事に関する事実や情報、あるいは自分の身に起きたこと、経験したことを関係者に正確に伝えること」です。ここで言う見知った事実や情報とは、お客様の人事異動や競合他社の新商品の開発などが当たります。
「連絡」は関係者全てに対して行うものですので一対複数、つまり上司だけでなく同僚や部下、他部署に対しても行います。また、「連絡」も「報告」と同様に「悪い情報」だけでなく、「良い情報」も関係者と共有することが大切です。
「連絡」は「報告」と違い、義務ではありません。だからと言って、もちろん軽く考えてはいけません。「義務」になっていない分、「連絡」するしないは、その人の主体性が問われます。ですから、周囲への思いやりや配慮の気持ちといった「チーム意識の差」が、明確に表れてしまいます。指示の有無にかかわらず、仕事を円滑に進めるためにも周囲に有用な情報は積極的に「連絡」を行うよう指示していきましょう。

「連絡」も個人的に意外と言語化が難しいなということで、引用してみました。

こうやって言語化された状態で振り返ると、自分はあまり連絡的なことをそこまで多くはしていない気がします。
他のメンバーのことを思い返しても、連絡の頻度にはかなり個人差が出ている感じがします。

引用にもある通り、連絡が義務ではないとなると、コミュニケーションに若干の億劫さを感じる自分としては少なめになってしまいます。

とはいえ連絡することはもちろんあります。

例えば、職業的にはよくある内容ではありますが、「開発環境の構築時に発生したエラーと、そのエラーの対策」を共有することは多々あります。

この開発環境構築時のエラーは、他のメンバーはエラーにならず、結局自分だけしかそのエラーが出なかった、なんてこともけっこうあります。
なので共有するかどうか、という観点だと義務ではない感じもあります。
ですが、こういったエラーとその対策は積極的に共有するようにしています。

もし同じエラーが発生したなら、とりあえず自分が共有した対策が役立つことも多いですし、チームで仕事を進めていくうえで大事な習慣かなと思っています。
(なぜか同じエラーなのに、その対策で解決しない場合もありますが)

相談のキホン

相談とは、「上司や先輩、経験者などに話を聴いてもらって解決の糸口をつかむこと」です。
長期的に成功している人には共通点がありますが、その一つが他人の知識・スキル・経験を活用するのがうまいということです。
相談することで得られた情報や知識は、問題を解決するきっかけとなり、アドバイスされた解決策がその後のノウハウや経験として蓄積されていきます。
上司や先輩の経験やアドバイスは部下を成長させる絶好のチャンスです。報告や連絡だけでは、決して得ることができない諸先輩のノウハウや、会社の貴重な知的財産を得ることができるのです。
(中略)
「相談」は「連絡」と同様に義務ではありません。つまり、するかしないかはその人の判断になります。
義務ではないだけに、相談とは「仕事に対する意欲」の表れが「見える化」したものなのです。「何としても高い目標を達成したい」と強く思えば思うほど、自分一人の力では足りないと感じて、必然的に「相談する」という行動になります。

「相談」もうまく言語化されていたので、引用してみました。
「報告」「連絡」ときたので、「相談」もついでに。

相談に関しても、こうやって言語化された状態で振り返ると比較的少なめかもしれません。
なるべく自分で解決しようという意識が強めなのと、なかなか周りを頼れない性格の影響かなと思います(以下のような本を読んでるくらいですし)。

なお、引用に『相談とは「仕事に対する意欲」の表れが「見える化」したもの』とありますが、なんでもかんでもすぐに相談する人はそれに該当しないかなーとも思ったり。

ただ本書では相談のポイントとして「自分の意見を持って相談する」を挙げているので、そこも含めた考えれば納得できます。
※ポイント部分は長くなってしまうので割愛しています。詳しくは本書を読んで頂ければと。

部下の学びと成長を促進させる

アメリカの人事系コンサルタント会社ロミンガー社のマイケル・ロンバルドとロバート・アイチンガーの研究によると、ビジネスにおいて人の学びは直接経験が70%と最も多く、他者の観察や他者からのアドバイスが20%、研修や読書からの学びが10%だそうです。
つまり、日々の仕事の中で試行錯誤しながら、困難を乗り越えて成果を出すことを繰り返すと、人は仕事の習熟と共にビジネスパーソンとして成長をしていくのです。
このように書くと、では上司からのアドバイスや読書、研修は重要ではないのか、と誤解されそうですが、そうではありません。自分の直接経験でより多くの学びや成長を促進させるためにも、知識や経験が豊富な上司からのアドバイス、さらに体系的に学べる読書や研修による自己学習は大変重要です。これらが三位一体になって効率的・効果的に多くの学びを得ながら、成果を継続的に出すことができるのです。

この研究データは今回初めて知ったので引用してみました。

ネットで調べてみたところ、この法則の呼び名は色々とあるようです。

  • ロミンガーの法則

  • 70:20:10の法則

  • 7・2・1の法則

と言ったりするみたいです。

仕事を学んでいくうえで、この法則を参考にすると、やはり70%を占める直接経験から学ぶのが近道になりそうです。
となると早いうちからOJTを行うのが良いのかなと。

とはいえ、残りの30%もないがしろには出来ない割合ですよね。
ということで上司や先輩からのアドバイスや、研修や読書も重要になってくる、という感じになるかなと。

せっかくなので「70:20:10の法則」に関して、参考リンクを貼っておきます。

上司から指示を受けるときのスタンス

(略)
そこで、指示を受ける際に大切なことは「完璧な指示はない」と心得ることです。上司も人間なので、指示に抜け漏れやあいまいさがあって当たり前、というスタンスで指示を受けることです。
不明点やあいまいな点が出てきたときは、自分の判断で勝手に進めず、必ず上司に確認することはもちろんですが、明らかに指示が矛盾している場合や状況と違っている場合も「上司がこう言ったからいいや」とそのまま仕事を進めてはいけません。些細な数字の言い間違いや単純な勘違いの場合もあるからです。
このように上司からの指示が完璧でない場合、その上司を責めるより、上司の足りない部分をしっかりフォローするという意識を持って仕事をすることが部下として大切なスタンスと言えるでしょう。
たまたま、自分の上司が仕事を指示するときに、常に抜け漏れなく必要な情報を与えてくれる人だったら高い成果を出せる。しかし、そうでない上司だったら成果が出せなくなる。このような人は、要するに成果を出せるか出せないかは上司次第(上司に依存)であるということになってしまいますよね。
しかし、常に高い成果を出せる人(人財)は、上司が誰であれ成果を出すことができます。なぜならば、足りない情報は自分から取りに行くからです。

引用に書いてある「完璧な指示はない」のスタンスが大切なのは理解できます。
ですが、あまりにも曖昧な指示であったり、大前提が抜けた状態で指示がきたりすると流石に厳しいよなぁとも思ったり。

不明点や曖昧な点が出てきたときに都度上司に確認する必要性も理解できますが、あまりにも曖昧すぎると、その確認に時間が掛かりすぎて大変なんですよね…
そういう上司に限って、不明点や曖昧な点の確認を歓迎していない雰囲気を感じますし。

愚痴っぽいことを書いてしまいましたが、過去にそういった経験があったので、自分が指示を出す立場の時は抜け漏れや曖昧さがなるべく出ないように気を付けています。

「上司がこう言ったからいいや」というスタンスの人にもたまに遭遇します。
たしかにそれだと上司次第になりますし、そういったスタンスの人とやり取りしている上司はけっこう疲弊しているイメージです。

結局は、上司と部下の間でお互いに歩み寄りがあれば比較的平和に事が進むんだろうなぁと。

褒める目的

褒めるとは、良い行動を引き出す最も効果的な働きかけです。
とにかくメンバーの良いところを見つけて褒めましょう。
上司に褒める力が必要とされる理由は何でしょう。それは「良い行動を習慣化させるため」です。

褒めることにそれほどデメリットはないと思っているので、けっこう積極的にやっています。
褒めすぎるとわざとらしくなってしまう気がするので、加減には気を付けつつ。

ただ、褒めることに明確な目的はなかったです。
良いところを見つけたらすかさず褒めるようにしている、くらいの感じでした。

それが今回の引用部分を読んだことで、褒める目的が少し明確になりました。
「良い行動を習慣化してもらいたい」時に褒めると良さそうです。

これだけ書くとあまり変化はないですが、個人的に少し意識が変わった感じがします。

おわりに

ということで「リーダーの報・連・相」に関してアレコレ書いてみました。

今回の記事で引用したのは、

  • 報告のキホン

  • 連絡のキホン

  • 相談のキホン

  • 部下の学びと成長を促進させる

  • 上司から指示を受けるときのスタンス

  • 褒める目的

の6つでした。

本書は、普段からしている行動がうまく言語化されているなと感じました。
報連相のキホンであったり、「褒める目的」であったり。

そして自分は意外と、普段からしている行動を言語化できていないんだな…とも。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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こちらも良ければぜひ。


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