【読書感想】行動経済学の超基本/橋本 之克
「行動経済学の超基本」こちらの本、読みました。
行動経済学の本は「サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学」に続いて2冊目です。
1冊目として読んだ「サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学」きっかけで行動経済学に興味が湧いたので、2冊目として本書を読んでみました。
本書も「サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学」と同様、図解・イラストを多用していて分かりやすかったです。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
こんな感じの本です。
記事の冒頭でも触れましたが、図解・イラストを多用していて分かりやすかったです。
あとは、事例が豊富だったのも良かったです。
ちなみに本書はシリーズ本のようです。
「今さら聞けない超基本シリーズ」というのがあり、その中の「行動経済学」が本書のようです。
「今さら聞けない超基本シリーズ」がどんなラインナップかは、以下リンクを見て頂ければと。
著者情報
本書の著者である「橋本 之克」でネット検索したところ、いくつかヒットしました。
リンクしておきます。
いくつか引用と感想
自分でつくると価値が上がる:IKEA効果
店名から心理的バイアスの名前がとられたというのはユニークですね。
これまでの自分の体験に照らし合わせてみると、IKEA効果を何度も体感しています。
自分の時間を費やしたり、自分で作ったりすると愛着が湧いてしまいます。
結果として実際以上に高く評価してしまうのも納得です。
私が浮かんだ事例としては、音楽を聴く時ですね。
今の主流はサブスクで、聴きたい曲をダウンロードする流れだと思います。
ですが一昔前の主流は、CDを買って音楽プレーヤーにインポートする手間がありました(現役でこの方法の人もいるとは思いますが)。
さらに昔のMDの頃は容量の関係で曲を厳選したり、更に手間がかかっていました(こちらも、もしかしたら現役の人がいるかもしれませんが)。
なんとなく、聴きたい曲を聴くまでの手間がかかればかかるほど曲に対して愛着がわく気がします。
これがIKEA効果に該当するかは分かりませんが、なんとなく近い事例に感じました。
せっかくなので「イケア効果」に関して、リンクしておきます。
CMは買った人のためにある:確証バイアス
確証バイアスは、「ネット検索の際に自分の意見に近い物を探してしまう。」という事例で一番目にします。
ですが、引用した中の事例「その商品を購入した人に安心を届けるCM」は印象的でした。
たしかにこれも確証バイアスですね。
CMはこれから買ってくれる人のためのものだと思っているフシがありました。
ですがたしかに、既に買った人のためでもありますね。
買った後に安心したい時は、CMが効果的に作用しますね。
新しい観点でした。
せっかくなので「確証バイアス」に関して、リンクしておきます。
多くの人は自分を事実以上に評価する:ダニング=クルーガー効果
本書では「ダニング=クルーガーの曲線」の図が載っています。
ですが、その図をそのまま引用するのはダメな気がするので同じような図が載っているサイトを代わりにリンクします。
上記リンクの曲線をざっくり説明すると、「馬鹿の山」で自信過剰になり、「絶望の谷」で自信喪失し、「啓蒙の坂」で徐々に自信を回復し、「継続の大地」で自信が復活する。
といった感じです。
たまに「馬鹿の山:少しの知識を得て自信に満ち溢れている」状態にずっと留まってしまっている人に遭遇することってありませんか?
私はそういった人に遭遇した時、「自分はこうならないように気を付けよ…」となります。
「少しの知識で自信に満ち溢れている」状態は、なんとも恥ずかしいなと。
最終的に心がけたい事は「知識を得ても調子にのらず、常に謙虚な姿勢を大切にする」ですね。
なんとも当たり前な内容ですが、「ダニング=クルーガーの曲線」の図を見た後だと、より背筋が伸びる感じがします。
ちなみに引用にもある「晴れ男」や「晴れ女」を本気で信じてる人って、どのくらい居るんですかね?
ほとんどの人は本気で信じていない気がします。
話のネタくらいの認識なんじゃないかな…と思ったり。
意識せずに健康増進させる
「地下鉄の階段を鍵盤にする」という事例は、ユニークで良いですね。
たしかに階段からピアノの音がするなら、エスカレーターを使わずに階段を利用したくなります。
普段ならエスカレーターを利用するところを、「階段からピアノの音がする」というだけで階段を利用したくなる。
結果として、自発的に健康に良い行動に促される。
うまい仕組みですね。
ネットで探したら記事になっていました。
こういった事例は、ビジネス(ビジネス書)との相性が良さそうですね。
「この事例、うまくやればビジネスにも転用できそう」とか、「IKEA効果を活用して商品を売り出そう」とか。
読みたい本を探す時に「行動経済学」に関する本をよく見かける理由が、少しだけ分かった気がします。
ナッジは街や施設をきれいにする
「投票スタイルで吸い殻のポイ捨てを減らす」という事例が印象的でした。
本書で図解されている投票スタイルのゴミ箱は、中身が見えるように(投票結果が分かるように)なっています。
そうなると心理的に、ポイ捨てせずに投票したくなりますね。
こちらもネットで探したら、似たような記事がありました。
ポイ捨ては最初の一人目が罪深いですよね。
1つでもポイ捨てされていると、二人目以降は罪悪感が薄くなってしまう気がします。
こういった現象を「割れ窓理論」と言うみたいです。
投票スタイルのごみ箱だとポイ捨ての一人目が生まれにくい気がしますね。
長所と短所がある「ナッジ」
ナッジを活用して効果を実感すると、徐々にエスカレートしてしまう予感がしました。
そういった時に都度立ち戻って、悪用しないように気を付けたいですね。
引用にもあるECサイトとかは、職業的に自分もそうしてしまう恐れがあります。
さすがにないとは思いつつ、意図せずスラッジになってしまう可能性は捨てきれないかなと。
うまくユーザを誘導して、ユーザ的にも満足する方向なら「ナッジ」の活用となります。
ですがユーザを誘導して、結果的にユーザが不満に思ったり、トラブルが発生してしまったら「スラッジ」になってしまいます。
ナッジとして活用したはずが、意図せずスラッジになってしまうこともありそうです。
ナッジを活用するにしても、そういった点は気を付けたいなと。
ナッジを活用するかは置いといて、スラッジを回避できるかどうかはナッジの事例や効果をどのくらい知っているかで変わってくる気がしました。
おわりに
ということで「行動経済学の超基本」に関してアレコレ書いてみました。
今回の記事で引用したのは、
自分でつくると価値が上がる:IKEA効果
CMは買った人のためにある:確証バイアス
多くの人は自分を事実以上に評価する:ダニング=クルーガー効果
意識せずに健康増進させる
ナッジは街や施設をきれいにする
長所と短所がある「ナッジ」
の6つでした。
「CMは買った人のためにある」は新しい観点でした。
言われてみればたしかに、という感じですね。
また、「ナッジ」の事例をいくつも読むと、人間の心理をうまく突いた内容で感心します。
「自分も仕事で人間の心理をうまく突いた仕組みを…」と思ったりもしますが、そう簡単にはいかないよなぁと。
とはいえ、ヒントをたくさん得ることが出来ました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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