【読書感想】サクッとわかる ビジネス教養 認知バイアス/藤田 政博
「サクッとわかる ビジネス教養 認知バイアス」こちらの本、読みました。
「サクッとわかるビジネス教養」シリーズというものがあり、その中での認知バイアス編が本書です。
※「サクッとわかるビジネス教養」シリーズのラインナップは以下リンクで確認できます。
同じシリーズの「マネジメント」「行動経済学」が良かったので、3冊目として「認知バイアス」をチョイスしてみました。
本の内容
まずはAmazonから本の内容を抜粋します。
こんな感じの本です。
同シリーズの「行動経済学」を読んだ時に出てきたワードが本書でも出てきたりして、ジャンル的に近いものを感じました。
そう感じつつも、紹介されている事例は異なっていますし、その事例に私も大いに心当たりがありました。
「行動経済学」も「認知バイアス」も、両方とも読んで損はないかなと思います。
著者情報
本書の著者(監修)である「藤田 政博」でネット検索したところ、いくつかヒットしました。
リンクしておきます。
いくつか引用と感想
なぜバイアスはあるのか
「バイアスが働いている」「バイアスがかかっている」状態に対して、本書を読む前まではたしかにマイナスイメージがありました。
マイナスイメージがあったのでバイアスに気付いた時にすることとしては、バイアスが働かないように意識するとか、客観的にチェックするとか。
ただ引用にもあるように「バイアス自体は、よくも悪くもありません。」とのこと。
「よくも悪くもない」を受け止めたうえで、「じゃあ実際バイアスとどう向き合えば良いのか」は何とも明確な答えが自分の中で見えてこないな…と。
とりあえずバイアスに対してマイナスイメージは抱かないようにして、無条件でバイアスを取り払う方向にいかないようにするのが良いのかなと。
そして、多くのバイアスを事前知識として知っておく。
みたいなスタンスでいこうかなと思います。
多くのバイアスを事前知識として知っておけば、自分がバイアスにかかっている状態に気付きやすくなるかなと。
気付いたうえで取り払う方向にいくか、そのバイアスを維持する方向にいくかを随時判断する流れが良いのかなと思いました。
(書いておいてアレですが、このスタンスを言葉で表現するのはなかなか難しい…)
認知バイアスの重要ワード①:”誤謬”の正体
引用の中だと「ふつうはバイアスの存在を自覚できません。」「だからこそ、人間がどのようなバイアスに陥りがちなのかを知っておくことは非常に大切なのです。」この辺りの内容が印象的でした。
たしかにバイアスが働いているのを自覚するのって難しそうです。
気付くとしたら、そういったバイアスの存在を知識として知っていて、その知識とその時の自分の状態を照らし合わせてバイアスが働いていないか判断する。みたいな感じでしょうか。
となると結局大切になってくるのは、様々なバイアスを知っておくことになるのかなと。
また、引用した事例「自然主義的誤謬」に関して。
事例のエピソードとして書かれている「ずっとこういう方法をとってきた ⇒ これからもそうするべき」の論理的な間違いは、私もやってしまっている気がします。
私は変化が苦手な人間なので、過去の成功事例にすがってしまうというか、不安が増幅しないためにもそうしているフシがあります。
上記の行動の影響範囲が自分のみならまだ良いのですが、周りにも影響を与えているケースがあるかもしれません。
一度立ち止まって「”べき”に固執してないか」を自問自答する必要があるかもなと思いました。
せっかくなので「自然主義的誤謬」に関して、参考リンクを貼っておきます。
認知バイアスの重要ワード②:”ヒューリスティックス”の正体
「ヒューリスティックス」は以前の記事で、本書と同じシリーズの行動経済学でも引用した内容です(リンクしておきます)。
【読書感想】サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学 - ヒューリスティックとシステマティック
この辺りが、先ほども触れた「行動経済学と近いなぁ」と思った部分です。
ただ「行動経済学」と「認知バイアス」で紹介されている事例はけっこう違います。
両方読んで、共通点を感じながら読むのも楽しいかなと思います(現に私は両方とも楽しく読めました)。
で、引用の中で印象的なのは「多少おおざっぱでもおおよそうまくいく」という部分。
以前も同じようなことを書きましたが、意外と正解率が高いというのが面白いなと感じます。
「自分はやはり正しかった」と感じたい:確証バイアス
「確証バイアス」に関しては以前も記事で引用していますが、またしても引用してみました。
【読書感想】行動経済学の超基本 - CMは買った人のためにある:確証バイアス
確証バイアスと一口に言っても、該当する事例はたくさんあります。
なので事例をたくさん引用することで、様々な確証バイアスを知識として得ることができ、バイアスが働いていることに気付きやすくなるかなと思います。
また、紹介されている事例に心当たりがある人が多いかなと思います。
自分の出身地・出身県のニュースは、つい注目してしまいますよね。
テレビを流しながら作業をしていても、出身県のニュースが流れてくるとピタっと作業が止まって、ついニュースに注目してしまいます。
他の都道府県のニュースもたくさん流れていますが、出身県のニュースだけが強く記憶に残ってしまいます。
まさに、紹介されている事例の通りの現象です。
この先の対策案として、もし出身地のニュースや事件が多いと感じたなら、まずは確証バイアスが働いているかもしれないと自覚してみる。
自覚したあと、実際に都道府県別のニュースや事件の件数を調べてみたりする。
その結果によって、それが確証バイアスなのか、実際に事件が増えているのかを見極める。とかでしょうか。
といった感じで対策案を書いてみたものの、毎度調べたりして労力をかけるのも面倒です。
なので「確証バイアスが働いているかもな…」と自覚するだけでも良いのかもしれません。
※引用に「彼は、」というのが突然出てきますが、これは本書がイラスト込みで事例を紹介しているためです。
※少し違和感があるかもしれませんが、イラストを引用するわけにはいかないので、この辺りはご了承ください。
占いが当たっていると感じる:バーナム効果
私はどちらかというと占いは疑いの目で見ています。
テレビ等で占いをやっているのを見かけても、引用にある「誰にでも該当しやすい曖昧な記述が自分に当てはまっている」目線で見ています。
要は「誰にでも当てはまりそうなこと言ってないか?」という目線です。
これに「バーナム効果」という名前がついているんですね。
「バーナム効果」という名前は今回初めて知りました。
ちなみに占いは疑いの目で見ていますが、別に否定的なわけではありません。
自分の占いの結果は気になりますし、結果が良ければ多少なり気分は上がりますし、結果が悪ければ無かったことにします。
そういった都合の良い受け取り方で良いんじゃないかなと勝手に思っています。
せっかくなので「バーナム効果」に関して、参考リンクを貼っておきます。
無意識のうちに自分を「盛っている」:社会的望ましさバイアス
適性試験を受けるとき、いつもなんとなくモヤっとします。
これまでに受けた適性試験を思い返すと、形式的な内容であればあるほどモヤモヤが増します。
このモヤモヤの正体がこの「社会的望ましさバイアス」なのかもしれません。
適性試験を受けてる時の心境を思い出すと、しっかり社会的望ましさバイアスが働いている気がします。
社会的に望ましくない選択をして下手に悪い印象を与える必要もないので、それはそうですよね。
今後もし適正試験を受けるとなったら、社会的望ましさバイアスを自覚しながら試験を受けることになります。
そうなるとなんともムズムズする感じになりそうですが、バイアスを自覚する前後で回答が変わることもなさそうな気がします。
結局のところ、悪い印象を与えたくないですし。
また仕事上でも、初めての顧客先に伺う時や打ち合わせの時などにも社会的望ましさバイアスが働いている気がします。
そういう意味では、適性検査で社会的望ましさバイアスがしっかり働くのは意味があるというか、ちゃんと適性検査が機能している感じもしますね。
せっかくなので「社会的望ましさバイアス」に関して、参考リンクを貼っておきます。
成功は自分のおかげ、失敗は状況が悪かったせい:セルフ・サービング・バイアス
「成功は自分のおかげ、失敗は状況が悪かったせい」というのは、なんともオメデタイ思考というか、自分都合な解釈というか。
とはいえ私にも心当たりがありますし、この「セルフ・サービング・バイアス」が働くことでメンタルがある程度安定するのかもなと思ったり。
悪い結果をなんでもかんでも自分のせいにしてしまうと、メンタルが不安定になりそうな気がします。
自分のせいにして、そこから反省して、反省を活かして成長する。みたいな人もいるかもしれませんが、少なくとも自分には無理そうです。
たまには反省を活かして、みたいなことをすることもありますが、なんでもかんでもは無理そうです。
逆にセルフ・サービング・バイアスが働き過ぎて他罰的になりすぎるのも考えものですが、周りに迷惑をかけない範囲でうまく活用するとメンタル安定に繋がりそうだなと思いました。
せっかくなので「セルフ・サービング・バイアス」に関して、参考リンクを貼っておきます。
同じことをしても自分と他人では「原因」が違うと考えるのはなぜ?:行為者観察者バイアス
これは1つ前の引用と似ている感じがしますね。
自分が遅刻したときは自分以外に原因があると考え、相手が遅刻したときは相手のうちに原因があると考えるというのは、なんともオメデタイ思考です。
ただ、こちらも先ほどと同様、私にも心当たりがあります。
この「行為者観察者バイアス」の影響で、様々なシチュエーションで相手とのすれ違いや認識違いが発生している気がします。
対策としては、この行為者観察者バイアスの存在を知っておく・意識しておくことが大切になるかなと思いました。
行為者観察者バイアスが働いている時は主観的に物事を見ている気がします。
その状況からバイアスが働いていることになんとか気付いて、客観的な視点を加えると良さそうです。
せっかくなので「行為者観察者バイアス」に関して、参考リンクを貼っておきます。
原因は、本当にその人の内面にある?:基本的帰属の誤り
これも1つ前の引用に似ている感じがしますね。
自分に対しては内的属性を求めず、相手には内的属性を求めて決めつけてしまう。
なんとも自分勝手ですが、これにも悲しいことに心当たりがあります。
「就職氷河期」の事例も、なんとも悲しいですね。
批判的に論じたくなる気持ちも分かりますが、元から批判的に論じたい気持ちがあったんじゃ?とも思ったり。
結果としては、景気の悪化や企業側の都合が原因だったわけですし、批判や否定的なことを発言するときは特に気を付けないとですね。
これの対策に関しては、以下のリンクに対策が載っていて参考になりました。
ただ繰り返しになりますが、対策を講じるにはバイアスの存在を知り、それに自分で気付く必要があるかなと。
ということで「基本的帰属の誤り」に関して、参考リンクを貼っておきます。
おわりに
ということで「サクッとわかる ビジネス教養 認知バイアス」に関してアレコレ書いてみました。
今回の記事で引用したのは、
なぜバイアスはあるのか
認知バイアスの重要ワード①:”誤謬”の正体
認知バイアスの重要ワード②:”ヒューリスティックス”の正体
「自分はやはり正しかった」と感じたい:確証バイアス
占いが当たっていると感じる:バーナム効果
無意識のうちに自分を「盛っている」:社会的望ましさバイアス
成功は自分のおかげ、失敗は状況が悪かったせい:セルフ・サービング・バイアス
同じことをしても自分と他人では「原因」が違うと考えるのはなぜ?:行為者観察者バイアス
原因は、本当にその人の内面にある?:基本的帰属の誤り
の9つでした。
最後の3つの引用は、3つとも自分勝手なバイアスだなぁと感じました。
そう感じつつ、悲しいことにどのバイアスも心当たりがありました。
自分勝手なバイアスだとは思いますが、このバイアスのおかげでメンタルの安定に繋がっている気もします。
セルフ・サービング・バイアスは特に。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
「仕事」関連の読書感想をマガジンにまとめています。
こちらも良ければぜひ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?