漫画『自転車屋さんの高橋くん』はアラフォー女性の人生の分岐点、振り返り、この先の未来を考える要素がつまってる!っていう話
先日、ライターの講座で座談会があった。
数十名いる中からランダムに選ばれた数名で
約20分のおしゃべりを何クールかする。
テーマは決まっていない。自由。
その1クール目。
わたしを含め5名の女性とグループになりおしゃべりをすることに。
わたしたちのおしゃべりのテーマは「大人の恋愛」だった。
なにがきっかけだったか思い出せない。
自分のもっているは恋愛観は何タイプ?とか、
○○タイプの女性と△△タイプの男性は相性がいい!とか。
恋愛事情を赤裸々におしゃべりした。
しかも、ほぼ初対面の方と。
恋愛トークはだいたい友人が多いわたしにとって、
その20分は「キュン」な時間。
新しい感覚だった。
そんな座談会が開かれた週、ちょうど読んでいた漫画がこちら。
冒頭の恋愛トークもあったことで、
感想を思わず書きたくなり、noteをひらいた。
「自転車屋さんの高橋くん」
これはレンタルマンガ屋さんでは、男性大判コミックに陳列されている。
しかし、れっきとした恋愛漫画。(だと、わたしは思っている)
現在5巻まで発売中だが、わたしは4巻まで読んだ。
ちなみにわたしは、女性漫画はあまり読まない。
ほぼ青年・少年漫画を読み漁る性質。
そんなわたしが恋愛漫画(だと思う。)に手を出したのだから、
自分でもビックリなのである。
と、いうことを前置きとしてお伝えしたい。
『自転車屋さんの高橋くん』のあらすじ
パン子
パン子はどこにでもいる、普通のOL。
毎朝片手にパンを持ち、片手で自転車を運転しながら(高橋くんの)自転車屋さんの前を通勤。
会社では、上司からセクハラまがいなことされても、同僚からバカにされても喝を言えず。
唯一の味方同僚のキミちゃんに助けられながら、のらりくらりと交わす日々。
自分だけがガマンして合わせようと思っているのに、正直それがしんどい。
「わたしなんかのために、、、」っと自分を卑下し、自分に自信のないタイプ。
高橋くん
高橋くん(26)は自転車屋さん。
おじいちゃんと2人で暮らし、自転車屋さんを営んでいる。
(っといっても、おじいちゃんは店番要員)
前髪は金髪で後ろ髪は黒色。
耳にも口元にも(たぶんおへそにも)ピアスをつけてて、よく見るとイケメン。
お友達は、アニメオタクのぽっちゃりとしたテルちゃんと、
心優しい妻子持ち、中華屋のまさやん。
思ったことはなんでもすぐに言い、我慢できないタイプ。
そんなふたりが、
ふとしたきっかけで出会い、付き合うストーリー。
ギャップや萌え要素もありつつ、
わたしはパン子にあるあるを感じてしまった。
けど絵的に、雰囲気的でほんわかした漫画ってことが想像できます?
絵もキライな人はいないんじゃないでしょうか?
ってぐらいキレイ。
男性コミックのくくりっていうのがニクいなぁ~なんて思う。
以下は少しネタバレ含みます!
それでもOKなら、個人的な魅力をご紹介!!
魅力① ただのほっこりとした恋愛漫画ではない
わたしは4巻まで読んだのですが、
1巻からは考えられないストーリの展開に驚愕。
ザックリとこんな感じなのですが、
ただアットホームでほっこり恋愛漫画ではないのです。
「関係性」と書いた部分には、
親と離れて暮らしているからこそ先のことを考えると気持ちのゆれや、
母親のいる場所は、自分の居場所ではないと割り切ったり。
山本くんにいたっては、親、祖母の期待が大きすぎて自分のことを喋れない辛さだったり。
恋愛の、ただキラキラ&キュンな部分だけではなく、
等身大のリアルさが含まれている点がこの漫画の魅力。
魅力② シュールな場面は愛嬌のあるキャラと岐阜弁がカバー
上記に書いたように、シュールな場面も結構多いこの漫画。
けどどの巻も読了後は「ほっこり」で終わる不思議。
パン子×高橋くんを応援したくなるし、
2人をとりまくキャラたちが愛嬌が良いこと良いこと。
キラキラしてる~!とか、
この人推してる~!とかいうキャラではなく、
「こういう人実際いるよな~」と、思える人物が多め。
ぶっ飛んでいる人もあんまりいないのだ。
そして舞台が岐阜。岐阜弁がわんさか、いい具合に出てくる。
「○○したりゃあ~」「○○するんけ?」「えれぇな(えらいな)」
「ほぅか(そうか)」とか。
小さいひらがながたくさん出てきて、
それだけでもほっこり要素が散りばめられている。
巻数を重ねるごとに、少しシュールな出来事も起こるけど、
キャラと方言がまぁ~るくストーリーを包んでいる。
だからどんな場面に出くわしても、
ちょっぴり考えさせられて、あったかい気持ちになれる漫画なのだ。
魅力③ 連載のきっかけはnote
実は『自転車屋さんの高橋くん』は、
noteでマガジン化されていた漫画。
1巻のあとがきを読んでその事実に気づき、衝撃!!
漫画家の松虫あられさんはあとがきによると、
昔少し描いていた漫画をツイッターに投稿したら反響をいただいたそう。
さらにnoteに高橋くんとパン子の話を描き続けていたら、
当時の編集者さんの目に止まり、連載が決まったという経緯。
下記は、松虫さんのあとがきで心に響いた文言。
描き続けて、さらに好きに描き続けて目に留まる。
「いいものはいい」っと、誰かから認めてもらえて
可能性を信じてくれることって、
これほど嬉しいことはないのでは!?
noteさん、夢ありすぎる……!!
手にとって、素の自分に問いかけられる漫画
男も女も、なんで30代に突入っていう時に節目みたいなのがあるんだろう?
結婚やら、出産やら、出世やら、自立やら。
そんなことが当たり前のように付随してる違和感を、この漫画はいやらしくない程度に描かれている。
30代は大人になる一歩手前みたいな感覚なのかな?
ある程度稼いだり、挫折を味わったり、嫉妬やら妬みやらに出くわすことを一通り経験してきたからかな?
そんな風に考えると、どのエピソードも愛しい。
誰でも1度は訪れる分岐点に立てる『自転車屋さんの高橋くん』。
アラフォーだからこそ、
高橋くんの竹を割ったようなことばや真っ直ぐな感情が、響く。
響く箇所、ことば、場面は人によって違うけど、
わたしは今のタイミングでこの漫画に出会えてよかった~って思える。
読了後、なんとな~く近所に2軒ある自転車屋さんを覗く。
どちらのお店も、店先におじいちゃんがいた。
イケメンはいない。
うん、知ってたよ。
知ってたんだけどね、なんとなく気になったんだよ。
イケメンいたりするのかなぁ~て。
てへ。
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