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第21回カレリア語【ヴィエナ方言】 独学記録 - On+補語+不定詞(「~することは…だ」文)

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カレリア語のうち、本カレリア方言-ヴィエナ方言を学ぶページです。
方言分類に関してはこちらの記事をご参照ください。
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「~することは…だ」文

「歌うことは楽しい」とカレリア語で表現すると、次のようになります。

On vesselä laulua. 歌うことは楽しい

「~すること」という動作を主語にする場合、まず「On vesselä」で「楽しい」と先に表現し、その後で「歌うことは」の部分を動詞の不定詞で表現します。過去形であれば On の代わりに Oli になります(過去形については、別途学びます)。

Oli ikävä kuulla šemmoni uutini. そのようなニュースを聞いて残念だった

On に続く補語は多くが形容詞で、主格あるいは分格で表現されます。
使用頻度の高い形容詞ほど主格で表現される傾向にあり、hyvä(良い)、paha(悪い)、parempi(より良い)は必ず主格になります。
以下のような形容詞が、この表現でよく用いられます。

・vesselä 楽しい  On vesselä ~ ~することは楽しい
・hyvä  良い       hyvä ~  ~することは良い
・parempi より良い   parempi ~ ~することはより良い
・paraš   最も良い      paraš ~   ~することは最も良い
・paha    悪い     paha ~    ~することは悪い(良くない)
・mukava  快適な    mukava ~  ~することは快適だ、気持ちがよい
・varma  確かな    varma ~  ~することは確かだ
・helppo   簡単な    helppo ~ ~することは簡単だ
・vaikie  難しい     vaikie ~   ~することは難しい
・ikävä   残念な     ikävä ~  ~することは残念だ

否定文で使うことも可能です。その場合、「Ei ole」が冒頭に来ます。

Ei ole hyvä olla koissa yksin. 家に一人でいるのは良くない

形容詞以外の補語の例を見て見ましょう。

Miula on aikua kaččuo tämä filmi. 私にはこの映画を見る時間がある

このように、第20回で学んだ所有文の中で使われることも多くあります。

「~することは…だ」文の目的語

「~することは…だ」文の動詞の後ろに目的語がくる場合、目的語の形は所有文・存在文と同じ考え方になります(第20回参照)。

つまり、
否定文の場合:分格目的語判別図:①
物質名詞の場合:単数分格目的語判別図:③
個体名詞の場合:主格目的語判別図:④→⑥
となります。

目的語については第19回をご確認ください。

Ei ole helppo šuaha työtä täššä kyläššä. この村で仕事を得るのは簡単でない
(仕事:työ > työtä 分格)
On iloni juuvva lemonadie. レモネードを飲むのは嬉しい
(レモネード:lemonadi > lemonadie 分格)
On vaikie oštua lahja naisella. 妻にプレゼントを買うのは難しい
(プレゼント:lahja 主格)

例文

On vesselä opaštuo karjalan kieltä. カレリア語を勉強するのは楽しい
On vaikie ymmärtyä šuomen kieltä. フィンランド語を理解するのは難しい
Oli mukava kaččuo tämä näyttely. この展示を見たのは良かった
On vesselä nähä šilma pitäštä aikua. あなたと久しぶりに会えて嬉しい
On vaikie löytyä halpa kortteri. 安い住居を見つけるのは難しい
Ei ole mukava elyä šuurešša kaupunkissa. 大都市に住むのは快適ではない
Miula on rahua oštua televiisori. 私にはテレビを買うお金がある
Hänellä on mahollisuš rakentua šuuri talo. 彼は大きな家を買う可能性がある
Meilä on tilaisuš männä kylyh. 私たちはサウナに入る機会がある

応用

On mukava šoittua kannelta. Mie šoitan šuomalaista ta karjalaista kannelta. Ka on vielä vaikie šoittua karjalaista kromaatista kannelta. Miun täytyy treenata äijän. Ka miula ei ole aikua šoittua kannelta arkipäivinä, šentäh mie ruan firmašša. Mie šoitan vain netälin lopušša.

カンテレを弾くのは楽しいです。  私はフィンランドのカンテレと、カレリアのカンテレを弾きます。しかし、カレリアのクロマティックカンテレを弾くのはまだ難しいです。私はたくさん練習しなければならない。しかし、平日私にはカンテレを弾く時間がありません、なぜなら私は会社で働いているからです。私は週末にだけ弾きます。

On vaikie opaštuo karjalan kieltä. On onnellini ymmärtyä šuomen kieltä, šentäh on helppo ymmärtyä karjalan kieltä. Japanissa on vaikea niise šuaha karjalan kielen oppikirjat. Mie tavallisešti oštua ne Šuomešta. Joškuš miula on mahollisuš löytyä oppimaterialit niise internetista. On kiitollini šuaha ne internetista!

カレリア語を勉強するのは難しいです。フィンランド語を理解できるのは幸いです、なぜならカレリア語を容易に理解できるからです。日本ではカレリア語の教科書を入手するのが難しいです。私は大抵それらをフィンランドから買います。ときどき私は教材をインターネットで見つけることもあります。インターネットでそれらを入手できるのは有り難いです!

学習後のつぶやき

「~することは…だ」文は、形容詞も動詞も変化を気にせず使える点で初学者には重宝する構文ですし、色々便利に使うことが出来ます。

さて、応用文にも登場させましたが次回は「~しなければならない」という義務の構文を紹介する予定です。

>> カレリア語【ヴィエナ方言】 独学記録 - もくじ

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