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[LUKU/講読1] KANNEL ON KANŠALLISŠOITIN(カンテレは民族楽器)

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カレリア語のうち、本カレリア方言-ヴィエナ方言を学ぶページです。
方言分類に関してはこちらの記事をご参照ください。
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ちょっとした読み物を通して学ぶ「講読」の場。

今回は、民族楽器カンテレに関する小文を読んでみます。

KANNEL ON KANŠALLISŠOITIN

Korvešša kašvau,
koissa šyntyy,
ihmisen polvilla itköy.
Mi še on?

Se on kannel. Puu kašvau meččäššä, šiitä valmissetah šoitin koissa, jota šoitetah ihmisen polvilla.

Kannel on šuomalaisien ta karjalaisien kanšallisšoitin.

Kantelehen šynnyštä kertou Kalevala. Runojen mukah Väinämöini luati enšimmäisen kantelehen šuuren hauvin leukaluušta. Kielet oltih heposen jouhista, nuaklat hauvin hampahista. Myrškyššä še lankei ta upposi veteh.

Toisen kantelehen Väinämäini luati koivušta. Kieliksi hiän pyyti nuoren neiččyön hivukšie. Täššä kantelehešša oli viisi kieltä, yhtä äijän kuin šormija kiäššä.

Nykysissä šoittimissa on 39 kieltä.

Petroskoissa on kuulusa Kantele-yhtyveh. Lapšet ta vanhemmat tanššitah, lauletah ta šoitetah kannelta.

単語

kannel [名] カンテレ(楽器)
kanšallini [形] 国の, 国民の
šoitin [名] 楽器, プレイヤー
korpi [名] 深い森
kašvua [動] 育つ, 成長する
šyntyö [動] 生まれる
ihmini [名] 人, 人間
polvi [名] ひざ
valmistua [動] 製造する, 作り上げる
šoittua [動] 弾く, 演奏する, 奏でる
šynty [名] 誕生
kertuo [動] 語る, 物語る
mukah [後] ~を伴って, ~によると
hauki [名] カワカマス
leuka [名] あご
heponi [名] 馬
jouhi [名] 毛, 馬毛
nuakla [名] 釘
hammaš [名] 歯
myršky [名] 嵐, 暴風
lanketa [動] 落ちる,倒れる
upota [動] 沈む
koivu [名] 白樺
pyytyä [動] 手に入れる, 探し出す
neičyt [名] 乙女, 少女
hivuš [名] 髪の毛
yhtä [副] 同じくらい
käsi [名] 手
nykyni [名] 現在 [形] 現在の
kuulsa [形] 有名な, 著名な
yhtyveh [名] 楽団, バンド, アンサンブル
vanhemmat [名][複] 両親, 大人
tanššie [動] 踊る

[日本語訳] 

カンテレは民族楽器です

深い森で育ち、
家で生まれ、
人の膝上で歌うもの。
これは何でしょう?

それはカンテレ。木は森で育ち、その木から家で作られ、人の膝の上で演奏されます。

カンテレは、フィンランドとカレリアの民族楽器です。

カンテレの誕生に関しては「カレワラ」が語っています。詩歌に基づくと、ヴァイナモイネンは最初のカンテレを大きなカマスの顎骨から作りました。
弦は馬の毛から、釘はカマスの歯から作られました。戦いの嵐の中、カンテレは水に落ち、沈んでしまいました。

2つ目のカンテレをヴァイナモイネンは白樺から作りました。彼は、弦のために乙女の髪の毛を手に入れました。このカンテレには、手の指と同じ数の5本の弦がありました。

現在の楽器には、39本の弦があります。

ペトロザボーツクには有名な「アンサンブル・カンテレ」があります。子どもたち、大人たちが踊り、歌い、カンテレを奏でています。

学習後のつぶやき

文法を紐解くのも良いですが、文章を読むのはやはり楽しいですね。ということで、これからは定期的にカレリア語の読み物にも取りかかっていこうと思います。短く、簡単なものに限られますが。

第1回目は大好きな楽器、カンテレについての文章。小学校4年生向けの教科書に掲載されている文章です。もともと知っている内容ということもあって、訳しやすかったです。

こなれた訳にすることよりも、直訳で良いので正確に読み取ることを心がけていこうと思います。

「フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』」、「フィンランドの民族楽器カンテレ」と紹介されるのは日本に限ったことではありませんが、どちらもフィンランド、カレリア共和国で「民族叙事詩」、「民族楽器」として認められており、正確に表現するならば、フィンランドとカレリアの共通の文化財産です。カンテレは伝統的な5弦がそれぞれの地で別の形に発展していきました。

「アンサンブル・カンテレ」とは、カレリア共和国 国立芸術団体「歌と踊りのアンサンブル・カンテレ」のこと。ペトロザボーツクにある活動拠点は”カンテレ・ハウス”と呼ばれています。

>>カレリア語【ヴィエナ方言】 独学記録 - もくじ

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