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BUMP OF CHICKENの新アルバムIrisを聞きながらバンプの思い出

 BUMP OF CHICKENの新譜「Iris」が発表になって数日。なかなか感想の難しいアルバムだなと思っています。これまでに発表されてきたタイアップ曲、配信、シングル曲が結構多く含まれていて、丁寧に追っているとすると、新しい曲が少ないのではないかという印象。いやわからんけど。もちろん新しい曲もあるし、編曲面で手が入ったものもあるし。
 バンプは20年以上結構聞いているけれど、あんまり吐き出したことなかったな、と思ったので、振り返りを個人的にしていきたいと思います。


Iris

「Sleep Walking Orchestra」はダンジョン飯の曲。アニメを最初少し見ていたので知っています。漫画は読んでいたし。なないろはNHKの曲。Sourvenirはアニメの曲。クロノスタシスもコナンの劇場版の曲で聞いたことがあった。アカシアはポケモン。Small Worldはすみっコぐらし。まあそんな感じで、これまで聞いたことある曲が多かったのでした。
 逆に言えば、バンプが世の中から求められていて、タイアップ曲に選ばれまくっているということでもある。それは単純に素晴らしい。ブレイクしてからずっと色んなところで流れている。みんな知っているバンドなのだ。そして期待を裏切ることがない。
 こうしてまとめて聞いてみると、本当にバンプの曲は、譜割りが難しくなったなあ、という印象を受ける。コードも難しいし。でも、みんなよく聞いている。日本人の音楽リテラシーは相当高くなった。

FLAME VEIN

「ガラスのブルース」と「アルエ」が入っている。前者は、バンドのルーツ的な曲で、アルエはサブカル好きな人から支持を受けた。デビューアルバムである。メジャーの。シンプルなアルバムだと思う。マスタリングもそんなに上手くないというか……。まあ10代の荒っぽさなのかもしれない。でもまあ、バンドがブレイクしてから、あとから評価されるタイプのアルバムだよな。

THE LIVING DEAD

 2枚目。「グングニル」とか、この人たちゲーム好きなんだろうなって伺わせる所ある。この頃、Flashで「K」が流行ったことがあって、一部の人には人気になった。3枚目までは、ストーリー性をもたせた歌詞を作っていたので、そういうのが刺さった人も多かった。Kとか、のちの天体観測とかもそう。このアルバムは、ちょっと暗め。通好みなのかな。ただ僕は「Ever lasting lie」という歌がとても嫌いである。これだけはちょっとない、と思っている。だから、このアルバムを聞き返すことはほぼない。

jupiter

 言わずとしれた代表曲「天体観測」が入っていて大ヒットしたjupiter。ハルジオンも好きだ。スピード感があって。あとメロディーフラッグも好きだ。サビ前でオクターブ上がるところの思い切りとかが。僕もこのアルバムから買い始めた口である。研究室の先輩と一緒に聞いていたなあ。懐かしい。
 天体観測がヒットしすぎて、その後のコンサートなんかでも定番になっている。やらないと不満が出るらしい。TM NETWORKでGET WILDをやらないようなもんか。いやこないだのSTAND 3 FINALではやらなかったけど。

ユグドラシル

 爆発的人気バンドになってしまったバンプの真価が問われる……と思っていた。スノースマイルでゆっくりめな曲を出し、オンリーロンリーグローリーみたいなそれまでの路線と近い曲も出ている。全体的によくできたアルバムだと思う。sailing dayはワンピースの曲で、この頃からアニメなどのタイアップも盛んになる。乗車権やギルドみたいな挑戦的な曲もある。良いパッケージングである。
 天体観測からハルジオンが来て、こういう路線で行くのかなと思っていたけれど、「ロストマン」を聞いた時は結構感動した。僕がバンプで2番目に好きな曲がロストマンである。なんというか、大きな力を感じる。
 バンドの地位が盤石になった。そう感じた。

orbital period

 友人が才悩人応援歌が一番好きだと言っていた。まあそういう人も結構いそうである。メーデーがあって、プラネタリウムがあって、supernova、花の名、カルマといったシングル曲が含まれる。特にプラネタリウムは好きだ。手作りプラネタリウム。BUMPはかっこいいだけじゃなくて、子供っぽいだけじゃなくて、等身大というわけでもなくて、なんとも万人に受け入れられる、そんな要素をプラネタリウムに感じる。
 カルマはテイルズの曲。大人気だ。ハンマーソングと痛みの塔はいきなりBUMPのサウンドのテイストを変えてきて意表を突かれる。
 捨て曲のない完成度の高いアルバムです。みんな聞こう。

COSMONAUT

 このアルバムがもう2010年なんだって。時間の経つのは速い。
 なんといってもR.I.P.であろう。先日、子供の頃にミニ四駆にハマっていたことを書いたけれども、この曲を聞くと、そういう子供の頃のことを思い出さざるを得ない。そういう曲なのだ。

「三ツ星カルテット」など入ってきて、この頃からバンプの曲のテクニカルさが増してくる印象。譜割りがどんどん難しくなる。HAPPYとか魔法の料理とかも好きな人は好きだし、バンプは期待を裏切らないバンドであるということが確立されていく。

RAY

 この少し前に、初めてBUMP OF CHICKENのコンサートに行ったのだった。レインボーホール……という名前だったと思う。豆粒のような大きさでしか見られないけれども。見て思ったのは、ベースの人の動きが横ノリなのだ。明らかに縦ノリの曲でも、横ノリなのだ。常人ではない。このバンドの音楽的な独自性ってそういうところから生まれているのかもしれない。
 さてこのアルバム、何と言っても表題曲「ray」である。この曲があまりに良すぎて、他の曲が印象に残ってないレベルなのだ。大好きすぎる。ギターロックにシンセリードを乗せていくとか、僕がやりたい好きなことなのだ。こんな曲が作りたかった、と本当に思った。まあそういう曲は他にも何曲かあるが(國府田マリ子のHorizonとか)。
 あ、あとゼロがファイナルファンタジーの主題歌になっていたか……。ただこの頃にはもうFF興味なくなっていたからな……。虹を待つ人なんかもいいね。難しいけど。ギターロックだけでなく、シンセサイザーも少し入ってきて、複雑化が著しい。

Butterflies

 アニメ「血界戦線」の主題歌「Hello,world!」が入っている。この曲はかなり当たり曲で、さすがバンプだ、と思った。しかし、この曲をカラオケなどで上手に歌うことは極めて難しい。ビートが出ないのだ。シンコペーションが単にむずい、という話でもない。これをかっこよく歌える人は良いよなあ。
 あと「3月のライオン」の「ファイター」がある。アニメのタイアップもどんどん入っている。ただまあ、個人的には、rayが良すぎたせいで、少し関心が下がってきている。そんなアルバムだった。

aurora arc

 「アリア」が良いね。スピード感が良い。
 アンサーとかリボンとかシリウスみたいなヒット曲も含まれている。というか、このバンドは定期的に発表してはどの曲もヒットしているので……。

まとめ

 バンプを簡単に振り返った。いつの時代も、求められているものを、きちんと自分たちの流儀でアウトプットして、成功し続けているバンドだ。
 本人たちの音楽のルーツがどこにあるかとか、インタビューなど読んでないので知らないのだけれど、もちろん洋楽も大好きなんだろうなと思う。でも、結果的には、日本のロックの代表格になった、というか、日本人が洋楽に憧れなくても良くなったのは、バンプのおかげじゃないだろうか、とさえ思う。
 いわゆる漫画とかゲームとかアニメが好きなオタク層にも受けが良く、本人たちも漫画やゲームが好きだって公言している。そういうタイアップもずっとしている。かといってサウンド的にも、劣っているところがあるとかじゃなく、独自性を持った世界観や歌詞がある。オタクに優しく、邦楽を見下していたような人たちにも受けが良く、もちろんバンド好きな女性層なんかには大ヒットに違いない。全方位的に無敵だった。
 良いよなあ、BUMPは。

堕落する準備はOK?