恋愛こじらせ女子
容姿が整っている訳でもなく、スタイルが良いどころかむしろ、オブラートに包んでふくよか。
声も普通。
黒髪ロング前髪ぱっつんを貫き通し、重い印象。
手入れもしていない太い眉毛。重たい一重。低い鼻。
可愛い子はもちろん、ちやほやされてモテていた。
そんなアイドル的な存在の女子と、委員会や修学旅行でペアとなれば、男子は喜んでいた。
それを見ていた私は、自分は邪魔者だと。
私とたまたまペアになった男子に申し訳ないとさえ、思っていた。
委員会での居残りで、男女複数人で教室に残っていた。それぞれが帰る方向を確かめ合い、遅いから送っていくよ。と男子が女子に声をかける様子を、帰る準備をしながら横目で見ていた。
もちろん。私に声をかける男の子など、居なかった。
これが容姿の差か。
と、誰にも声を掛けられなかった私は、すっかり日が落ちた、暗い帰り道、この世の理不尽さを胸に焼き付けた。
誰かに悪口を言われたわけでも、暴力を振るわれた訳ではない。だけど、虚しくて、悲しくて、泣いたのを覚えている。
そして、こう思うようになった。
恋愛は可愛い子がするからこそ、きらきらしている。
私なんかが好きな人や、好きな物の話をすれば、
え?ぶすのくせに?〇〇が好き?絶対無理でしょ。
なんか、〇〇が好きらしいよ。きも。
って言われるに違いない。
私が すき と思ってしまった相手にも迷惑がかかるかもしれない。
きっと、誰もそんな事思っていないだろうけど、そんな被害妄想に取り憑かれていた私は。
年齢=彼氏いない歴
という、歴を作り上げてしまった。
要するに、 拗らせている のである。
社会人となり、宴会や飲み会の場で、
「彼氏いないの?」
と、よく聞かれる。
「残念ながら、いないんですよ。いい人いたら紹介してください」
と、流せるくらいには大人だが。
相席屋やマッチングアプリなんかでは
「どのくらい、彼氏いないの」
と、聞かれる。
彼氏いたことないんです!と、言おうとして思い留まる。なぜなら、
「彼氏、いたことないんです」
とって、いい顔をされない。むしろ、引かれる。という事に気付き始めたから。
そう、大抵は大学や、バイト先やらで一度くらいお付き合いをしてもおかしくはないのだ。
年齢=彼氏いない歴
なんて、もはや性格や容姿に難あり。と言っているようなものではないかと。
「もう、長い間居ないんです。だから、寂しいですよ」
と、嘘をつくよつになった。年齢=彼氏いない歴は、恥ずかしい事なんだと思うようになった。
成人式で久しぶりに会った、クラスメイトに、まだソウイウコトした事ないの?と、聞かれて。
その頃の自分は素直に、
「あるわけ無いじゃん笑」
と答えたら、
「へぇ、へぇー。。そうなの(苦笑)」
みたいな反応をされて。
え?二十歳で経験無い事に何か文句でも?
せっくす経験した人はそんなに格上なのか?
と、心の中でムカついたのだけ覚えている。
ただし、現実問題。
なぜか経験が有るかないかで、女は女を見下してる節がある気がする。ムカつく。
動物の本能的行動でしょ?その行動自体に意味あるの?
暇潰しにヤるだけじゃん?
と、今でも思っている。
そもそも、高校卒業後一人暮らしを始めて、社会人となり、一人暮らし歴は6年目に差し掛かろうてしている。
が、一人で寂しいと思った事は一度もない。
実家に帰りたいとホームシックになることもなく。
むしろ長期休みで4日間ほど、実家に滞在した時は、アパートに帰って一人になりたいと思った程だ。
長女という、立ち位置にいたせいか、身の回りの事も一人で出来るし、何か困ったことがあっても人に頼ろうとはしない。
寂しいと思った事もなく、大抵のトラブルは一人で解決ができる。
はたして、
彼氏が必要なのか。
と思うようになった。
否。
要らないのだ。
私は、一人で生きていける。
ただ、世間体が気になるだけだ。
多分、結婚は親孝行にもなるのだろうし、アラサーと呼ばれる年齢に突入した私は世間で言う結婚適齢期なのだろう。
アラサー、容姿下の下、スタイルふくよか、恋愛経験なし、処女。
果たして、引き取り手はあるのか。
否。
きっと、こんな私を好きに想ってくれる人は居ない。
一般論の結婚や子育てが、幸せとは限らない。
早々に、結婚は諦めて。
おひとり人生を、背負うものなく、お気軽コースで歩んでいくのだ。
最近は、友達とも距離を取るようになった。彼氏が出来たり、赤ちゃんができたら、遊ぶ時間も無くなるだろうし。割り切ってはいるけれど、心の底からおめでとうを言えない自分が怖いから。
覚悟は出来ている。何に怯えているのか、私は。
これだけ世間に喧嘩を売っておきながら、 お一人様 容姿 へ偏見持っているのは、むしろ私自身なのかもしれない。 ここまで世間に長々不満を書いて、結局は、わまりを一番気にして、コンプレックスを肥大化させているのは自分なのだから頭が痛い。
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