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SESの契約内容について改善できないか本気出して考えてみた

はじめに

私はエンジニアですが、経営者でもあり自分の会社のトップセールスを行なっている営業マンでもあります。
経営者や営業としての役務は働く人の環境を整えることが重要だと考えており、SESが抱える問題の多くを契約内容やサービスを変えることによって改善できないかと考えました。

SESとは

以下の記事にまとめておりますのでご参照ください


SES契約の内容で発生するトラブルの原因

SESの契約はアルバイトの時給と同じで時間で清算していることが一般的です。ただしアルバイトと違って清算には時間幅というものが存在します。
1ヶ月につき140〜180時間働くと報酬は〜円という契約内容です。
これが多くの問題を発生させている原因なのではないかと考えました。

お客様側はお金を払っているのでMAXである180時間働いて欲しいと考え、エンジニア側は時間を無駄にしないよう140時間働けばいいと考えているので、これでは両者に衝突が生まれやすい環境が契約によって作られていると言っても過言ではありません。
この衝突の温床とも言えるべき環境が発生しないように解決するためには、契約内容自体を改善する必要があると考えました。

改善提案  「基本契約+成果契約」

衝突の温床となるグレーゾーンの部分を成果契約に変更します。
従来の業務は基本契約内で行い、成果契約はエンジニアにとってミッションとすることでお客様側とエンジニアの協力体制を強化するのです。
基本契約については従来とほぼ同じイメージで時間清算しますので細かい説明は割愛します。

今回改善策として考えた成果契約とはエンジニアは自分が出来ることをお客様に提案し、お客様側は達成できれば報酬を支払うという内容です。
基本契約のオプションとして成果契約は存在するので、成果契約ごとに契約書が発行されるというわけではありません。
今まで提供してきた作業でお客様に喜ばれたものを以下に例として出してみましたので参考に成果契約を提案してみてください。

【成果契約の具体例】
・既存プログラムソースの部分的なリファクタ
・業務の自動化やCIの導入
・UI/UXの改善提案
・改善提案を含む業務の振り返りレポートの作成
・システム調査レポートの作成
・技術勉強会の実施
・最新技術ニュースの提供
・クライアントのサービスを利用している人へのユーザインタビュー

成果契約について注意するポイントは「月単位で清算できる内容にすること」(現実的に考えて2日/16時間程度で出来る内容)です。あまりに大規模なリファクタや自動化の提案をしてしまうと、1ヶ月で他の業務をしながらだと達成することが難しくなり、せっかくの成果契約を清算できないケースを招いてしまうことになります。
慣れてないうちは営業と一緒にお客様と成果契約の内容について結ぶようにしてください。
ある程度経験や実績が溜まってきたらメニュー表のようなものを作成してお客様に価格開示できると更に喜ばれると思います。


成果契約のメリット【お客様編】

予算や依頼内容に大きな変更がないので導入コストが低い
社会において何らかの契約内容を変更し、利用するサービスの内容が変更されてしまうと初期コストがかかるケースがほとんどです。ですがこの提案によれば基本契約は今の内容とほぼ変わらないので、今までと同じようにエンジニアリングサービスを利用することができます。予算についても大きく変わることはありませんし、むしろ無駄なお金が発生しにくくなる環境を手に入れることができます。

外注なのに自社にナレッジが溜まっていく
エンジニアがメインで参画しているプロジェクト以外でも、エンジニアが持つ業務改善能力や、研究結果などの成果を受け取ることができるようになります。リファクタやCI導入であれば既存のプログラムソースに反映されますし、調査や勉強会用の資料をモノとして残すように成果契約で合意すれば、SESを利用しているのに自社にナレッジが溜まっていくようになります。

依頼する、依頼受けるトレーニングをして業務効率アップできる
「タスクの内容を誤認識してました」「頼んでたことをやってもらえない」
システム開発であっても、仕事するのは人間なのでどんなプロジェクトでもこういった状態は発生します。しかしなぜか依頼者と依頼を受けた者の間で誤認識を未然に防ぐようなトレーニングは行われません。
この状態では両者の依頼に関するスキルが向上することは困難です。
成果契約はゴール認識に合意が取れていなければ結ばれないので、導入することで必ずゴールの定まったタスクが誕生します。
これを1ヶ月単位でも繰り返すことで、依頼すること・依頼を受けることのトレーニングにもなり、基本契約内で実施する業務の効率が向上することも期待できます。


成果契約のメリット【エンジニア編】

実績がわかりやすくなり、仕事に関する能力も上がる
成果契約でお客様と合意を取るために作業提案をするので、ゴールが明確になって実績がわかりやすくなります。「どこどこの現場に何年いました」とかフワッとした実績ではなく、明確に「〜をしました」が残ります。
より良い実績を求めて提案すればお客様への提案力は上がりますし、副次的なものではありますが、マネジメントを学んだり経験しなくてもタスク処理に関する能力がアップします。加えて営業スキルも身につきます。

担当範囲外の業務でも自分の能力を評価してもらえる
エンジニアとしてスキルアップは死活問題なので誰でも行うべきことです。
ところが直接的に業務に関わりがないスキルを向上させようとすると業務時間外を使うことになってしまい、多くのエンジニアがキャリア形成においての悩みとして抱えてしまいます。
しかし成果契約で仕事をすれば、勉強会の実施や最新の技術情報についてのレポートなども評価してもらえるようになります。

個人作業なので他人の影響を受けにくく、振り返りが効果的になる
成果契約は原則として個人作業を取り扱うので「チームの誰々が協力してくれないから〜ができない」などの問題が発生することもありません。
やることは明確化されているので、振り返りの際にも問題がわかりやすくなっているはずです。振り返りが効果的に行えると短い期間でも能力はかなり向上します。

他のエンジニアへのヘルプが出しやすくなる
行き詰まった時にヘルプを出す際も、ゴールが明確なので他のエンジニアに助けてもらいやすくなります。ヘルプを出すのに内容を整理する必要がないので時間短縮にもなります。合意した作業が勉強会やLT大会の実施などでも目的がはっきりしているため他のエンジニアへ依頼しやすくなります。
エンジニア同士の横のつながりも増えることが期待できます。

まとめ

SESを改善してより良いサービスにするためは、いろんなところに手を入れないといけないと思います。最初からあまり大きな変更をしてしまうと余計な混乱を招きます。そこでお客様やエンジニアにとって導入するコストができる限り少なくなるようにスモールスタートできる改善を考えました。

SESやエンジニア業界にとってより良い業務環境が作れるようにと考えましたので、本改善案はご自由にお使いください。
改善案に対してのご意見などは、コメントでもTwitterでもいただけると嬉しいです。


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