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紫式部よりも風雅な魅力で心を奪う和泉式部をmiletで妄想する。


NHK大河ドラマを観るのはこれまでなかったのですが、『光る君へ』は見切ることなく、むしろ毎週楽しみしているわたし●●●がいるとは、思いも寄りませんでした。

中盤に差し掛かり、ようやく和泉式部が登場しました。

なんといっても、和泉式部も平安後宮を象徴する人物の一人です。

4月頃に公開されたキャスト(人物相関図)では和泉式部がなく、残念に感じていました。でも、やはり出ますよね。

NHK 「光る君へ」人物紹介 あかね/和泉式部◆泉 里香

つながりの 泉 里香さんが演じています。

泉 里香さん、清楚さと妖艶さの両義的な美しさを持つ方ですが、
わたしの和泉式部像とはちょっと違います。

くらきより くらみちにぞ りぬべき はるかに照らせ  山のの月

暗い闇から、さらに暗い道に入ってしまうに違いありません。どうぞはるか彼方から、私の行くべき道を照らし出してお導きください、山の端にかかる月よ。

『和泉式部』(コレクション日本歌人選6)高木和子,笠間書院,2011

平安期の女流歌人は、現代でいうシンガー・ソングライター、と勝手に解釈しています。

シンガー・ソングライターで、ビジュアルも売りにしている方って、モテます。

街を歩けば声掛けされて、人生のあらゆる交差点でモテてしまい、魅力が溢れ出して止まらない方が歌うから、わたしたちは聴いてしまうんです。

わたしたちが歌を聴く時、必ずしも歌唱力だけで歌を聴きません。声や歌詞、メロディーといった表に現れる印象だけではなく、無意識に響く存在感を、わたしたちは感じながら歌を聴いています。

歌にはモテが必要なのです。

ということで、わたしの和泉式部のイメージはmiletさん。

くらきより〜」の和歌を十二単衣で詠っても、 miletさんオリジナルに聞こえてしまいそう。miletさんに和泉式部を演じてもらいたかった。

和泉式部に関する書籍

『今ひとたびの、和泉式部』をもとに作成しています。歴史としては正しくない箇所があります。

伝記(フィクション)

  • 諸田玲子『今ひとたびの、和泉式部』集英社文庫

    • 歴史フィクションです。和泉式部日記が半端な箇所で終わっている訳は、何故か。没年不詳である和泉式部のその死に何が起こったのか。歴史小説というよりもミステリー小説。はじめて諸田玲子さんの作品を読みました。ストーリーテリングのあまりの巧妙さ、緊張感ある展開に圧倒され、息を呑むほかありませんでした。

伝記(評論・エッセイ)

昭和になって和泉式部を最高の歌人と見たのは、昭和11年から17年まで書き継いだという保田與重郎の『和泉式部私抄』(新学社)だったけれど、歌としてすでに与謝野鉄幹や吉井勇や萩原朔太郎や窪田空穂が、つづいて谷崎潤一郎や唐木順三や寺田透が深々と傾倒していった。それほど和泉式部の歌には才能がほとばしっている。

『和泉式部日記』和泉式部 − 松岡正剛の千夜千冊(285夜)

寺田透さんによる『和泉式部』は古典研究者や知識人の中でも広く読まれていました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/寺田透

フランス文学を専攻され、同時に評論家としてもユニークな存在である寺田透氏が、和泉式部の歌や日記について書かれたエッセイは、和泉式郊に対する深い共感と理解とを一万されたものとして、和泉式部研究者の眼を新たに開いてくれるものがある。

清水文雄『和泉式部研究の問題点』

私がこの本を書いたのは,大学院時代の恩師・寺田透先生との約束を果たすためであった.寺田先生の名著『和泉式部』中のいくつかの歌の解釈について,納得できない部分があると先生の申し上げた際に,いつか自分なりの和泉式部論をやりますと言ったことがあったからである.

『和泉式部幻想』(沓掛良彦,岩波書店,2009)
  • 馬場あき子全集 (第5巻) 古典女流歌人論

    • 歌人でもあり、古典の評論家でもある馬場あき子の評論『和泉式部』。学術的とまではいかないが、やや専門的。和歌の現代語訳ありません。『和泉式部』だけでなく、『式子内親王』、エッセイ『日本女歌伝』を収録。

歌集

和泉式部は、『和泉式部集』『和泉式部続集』あわせると膨大な1549首(重複あり)もの和歌を和泉式部は残しました。

『和泉式部集』『和泉式部続集』をさらに詳しく読むときに心強い書籍があります。

決定版は「奇蹟の全注釈」であるこちら現代における古典解釈の真髄が凝縮された知の宝庫です。

  • 日本の古典〈11〉和泉式部,西行,定家,河出書房新社,1972

    • 『和泉式部集』『和泉式部続集』『和泉式部日記』からの秀歌集です。古典文学を知り尽くした小説家、評論家である竹西寛子さんが現代語訳しています。この本には、ほかに以下も収められています。

      • 西行『山家集』(訳 宮柊二)

      • 藤原俊成『長秋詠藻ちょうしゅうえいそう』(訳 大岡信)

      • 『式子内親王集』『建礼門院左京大夫集』(訳 辻邦生)

      • 『後鳥羽院口伝』、鴨長明『無名抄』ほか(訳 久保田淳)

      • 解説 佐佐木幸綱

      • ほかに拾遺愚草/金槐和歌集/小倉百人一首

コミック

『和泉式部日記』 はコミック化されており、2作品あります。いずれも出版年が古く、漫画の表現技法がやや古典? マンガの面白さを求めるには、ちょっと厳しい。でも、和泉式部日記の内容を把握するには十分です。わたしは平凡社のコミックをおすすめします。

ユミコミックス(Kindle unlimitedあり)

その他

大江健三郎の短編『もうひとり和泉式部が生れた日』があります。

ごめんなさい。全集にしか収録されておらず、未読。

和泉式部といえば、娘 小式部内侍の『大江山~』

『光る君へ』で小式部内侍もぜひ登場してほしいです。誰が演じるのでしょうね。

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