見出し画像

サブプライムローンの仕組み

21世紀初頭、アメリカでは不動産売買が盛んだった。

当時インフレが緩やかに進んでいた。価格上昇が進むということは価格が上がり切る前に資産を購入し、後に売ってしまえば利益を上げられるということだ。

銀行から支払い能力と信用があると判断された人が土地や住宅をローンを組んで購入し始めた。価格の上昇に合わせてその資産を売る。デイトレードのように。そして上がった利益で借金を返済。これを繰り返せば儲けられるという見せかけの方程式が出来上がった。

これを知った人達は真似しようと銀行に融資を求め始める。中には返済の信用が基準に満たないものもいたが物件を担保にして金利を高く設定すれば儲けることはできると考え、そういった人達にも融資を行った。これがサブプライムローンだ。

だが実はこのサブプライムローン、金利を最初から高く提示していたわけではない。最初の数年は0.1~0.6%程度に設定してあるのだ。これが所謂サブプライム層をより惹きつけたのかもしれない。そしてその最初の数年が終わると金利はそれまでの遅れを取り戻すかのごとく3~6%程にまで跳ね上がる。

返済の事実があっても借家で家賃を払って生活するより住宅を購入してローンを支払うことの方が支出が少ないと判断したことや返済が滞っても住宅を売れば利益を上げることができたという事実もこれに拍車をかけたのだろう。

ここまでの仕組みを知った人達が挙ってローンを組み始め、需要と価格もそれに比例するように上り続けた。

ここまでであればまだデフレに陥っても経済的損失は少なかっただろう。

銀行はこれらの危なっかしい債権を企業や投資家に売ることした。

もちろんこのまま売りに出しても不安要素が多く信用できないと判断されてしまいますが、ここに一般の返金が保証されている債権を混ぜることで信用をあげるたのです。こうして一見ローリスクハイリターンの超優良債権が完成しました。

しかしそんな時代は長くは続きません。次第に住宅や土地の需要は減ることとなります。米金融当局が利上げしたことも相まって価格上昇は止み誰もが利益を上げられる仕組みは文字通りバブルが弾けるかのごとく消え去った。

住宅を担保に融資を受けていたサブプライム層の人達には返済が不可能になり、またその損失分を債権を購入していた企業や投資家が被りました。多くの企業が経営破綻へと追い込まれ急激なデフレ、世界金融大恐慌の火種となった。


何事も仕組みを理解しないと怖いですね。

以上、サブプライムローンの仕組みから金融危機へ至る経緯でした。

🙇‍♂️