異業種からのWebディレクター転職で役立ったWeb以外のスキル
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こんにちは、エムハンド ディレクターの民野(@Shogo_Tamino)です。
弊社のディレクター体制は4チームにわかれ、それぞれ5~6名程のディレクターで構成されており、中にはWeb業界未経験で入社したスタッフも数多く在籍しております。
また、私自身も異業種からエムハンドに入社した一人です。
今回の記事では、異業種からのWebディレクター転職を考えている、または転職した直後の方に向けて、異業種からの転職で役立ったWeb以外のスキルについてお話したいと思います。
業界未経験からWebディレクターになるまで
私は現在、冒頭にも述べたディレクターチームのうちの1つをまとめるマネージャーとして、自身の案件対応もこなしながら、チーム方針の立案、メンバーの育成とフォロー、売上管理などに従事していますが、元々社会に出てからの10年間は販売・営業職に従事していました。
Web業界未経験だった私がWeb制作の世界に興味を持ったのは、法人営業で経営者の方とお話をする中で、Web活用に『ビジネス課題を切り開く可能性』を見たからです。
それからは、仕事をする傍ら独学でWebサイトの構築を学び、趣味である写真を活かして自身のポートフォリオ兼ブログをWordPressで構築しました。
それを持って前職のWeb制作会社にデザイナー兼ディレクターとして転職。
その後、エムハンドにディレクターとして入社して今に至ります。
しかし、ディレクターとして仕事をしている今では、Web関連で学んだことよりも販売・営業職で学んだことの方が多くの場面で役に立っていると感じています。
異業種で培った役立つスキル
私がディレクターとして実務をこなす中で、身に付けていて役に立ったと感じたWeb以外のスキルについてお話します。
クリティカルシンキング(本質を追求する思考法)
クリティカルシンキングとは、簡単に言うと「そもそもそれは正しいのか」という思考のもと、様々な角度から物事を見ることで本質を見極めることを目的とした考え方です。
例えば今、仕事に追われてタスクに遅れが生じているとします。これを解決するために、「ひとつひとつの仕事の効率を上げて早く終わらせなくてはならない!」と考える人も多いでしょう。
しかし、ここで一歩立ち止まって、そもそもその考えは正しいのか、他に方法はないのかと考えると、新たな可能性が見えてきます。
「自分の仕事は自分一人でやらねばならない」という自分の中の常識を一旦置いておいて、あらゆる可能性を考えて判断することが、ディレクターの仕事においては本当に重要です。
そしてこれは、クライアントから提示された課題に対して提案を行う際にも役立ちます。
私はこの思考法を、営業としてお客様に商材の提案をするときに身に付けました。
あるタイミングで、成績が伸び悩んだ時期がありました。「もっと話術を磨かないと!」という考えのもと、ひたすらロープレに明け暮れましたが、それでも結果は出ませんでした。
そんな時、当時の上司から「そもそも相手が求めていることにあった商材なのか?要望だけ聞けばあってるかもしれないけど、相手の置かれている状況を見落としてないか?」と聞かれ、真剣に考えてみたのです。
そうして分かったのは、お客様の要望の先にある懸念点を見落としていたということ。提案する商材を変え、その理由をしっかりお伝えするようにしたら営業成績は回復しました。
ロープレ=練習さえすればできるようになる、という考え方は必ずしも正解というわけではなかったのです。
タスク管理術(シングルタスクの高速回転)
自身のタスク管理は、どんな仕事でも大切とされるスキルのひとつです。特に、一度に数多くの案件を同時進行するWeb制作会社のディレクターにとって、自分なりのタスク管理術の確立は必要不可欠な能力といえるでしょう。
私は、2つ以上のことを同時に考えて進行することが苦手なので、シングルタスクを高速回転させることで日々の業務を滞りなく進行するようにしています。
以前、このようなポストを投稿しました。
大袈裟に見えるかもしれませんが、実は結構リアルな日常を表現しました。
特にディレクターの仕事は、デザイナーやエンジニア、クライアント、社内のディレクターやその他部署の方々など、数多くの関係者と常にやり取りしています。そこで発生するタスクも誰かに依頼して渡す場合があるため、自分の手元を一時的に離れたタスクまで管理しなくてはなりません。
これができれば、ディレクター業務のうち『進行管理』の部分の半分はできると考えてよいと思います。
数字管理能力(目標から逆算した数字管理)
特に販売・営業経験者であれば、嫌というほど数字に向き合ってきたのではないでしょうか。ディレクターになっても『数字管理』という概念はついてきます。
ただ、販売や営業と違うのは、売上目標だけでなく、サイトを完成させるための正しい見積もりを作る力と、お客様から預かった予算の中で工数管理をする力が必要だということです。
サイト完成までのスケジュールを逆算して、想定される残りの必要工数を常に追い、自分が当初予測していた以上の工数がかかってしまった場合には軌道修正をする。その判断も、数字の変化に敏感になれるかどうかで変わってきます。
販売や営業職をしていて、3ヶ月や半年といったスパンで目標を設定し、残りの営業日から逆算して自身の行動を改め続けるといった経験が、ここで活かされています。
提案書作成力(企画力とそれを表現する力)
弊社のディレクターは初動対応から企画・提案についても自分で行います。そのため、提案書を作成する能力は大いに役立ちます。私自身、これまで数えきれないほどの提案書を作ってきました。
提案書については、エムハンド独自のテンプレートが存在するため全体的なトンマナは統一されていますが、重要な柱となる企画部分はディレクターが作成します。
弊社では、仕組みで品質を担保するため『提案書会議』というものを開催します。この会議では、当事者であるディレクターやマーケターだけでなく、プロジェクトに参加していない社員も参加し、客観的な視点でアドバイスをもらうことができます。
そのため、当然この会議の場では最低でも80点以上だと自信を持って出せるクオリティの資料を作っていかねばなりません。そこからブラッシュアップを重ね、100点を目指します。
考える力と手を動かす力の両方が必要とされるので、提案書を作った経験が豊富であればあるほど、その経験は役に立ちます。
最低限の知識・スキルは研修で学べる
ディレクターとして実務をこなすうえでWeb以外のスキルが大事だという話はしましたが、もちろん最低限の知識・スキルは必要です。
現場で必要とされるであろうWeb関連のスキルについては新人研修でしっかり学ぶことができます。そしてもちろん、現場で起こることは様々であり、研修で全てを網羅することはできないので、チームへの所属後も学びは続きます。
常にブラッシュアップを続ける、ディレクターの新人研修についての記事はこちらをお読みください。
自分が持っているスキルにも目を向けよう
異業種からWeb業界への転職を目指す時、私自身も「ディレクターになるにはデザインや構築のことを詳しく知っておかねばならない」と思っていました。
もちろん、興味を持って自分で学習するという気持ちは何よりも大切です。
しかし、それ以上に大切なWeb以外のスキルはたくさんあります。
今まで自分がやってきたことを振り返り、業務で活かせそうなものを見つけられれば、自分にしかない強みを持ったディレクターになれるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。