季節は過ぎていき、1年
いつの間にか9月も終盤に差し掛かってきた。
会社の窓に差していた日光はいつの間にか月に変わっていた。夜が来るのが早い。
今の仕事を始めたのが去年の9月。
いつの間にか1年が経った。
あっという間に感じるような、やっと1年間経った…と重荷に感じていたような、不思議な気持ちである。
現時点での体調はまずまずといったところ。
季節の変わり目もあり、胸がザワザワしたり頭がズキズキ痛くなったり夜寝る前にモヤモヤしたりの循環ではある。
1年働いて未だに1ヶ月皆勤賞の月はないのが申し訳ないし苦しいが……仕方ないと思うしかないのかもしれない。
病気であることを免罪符にするのは憚られるのだが。難しい問題である。
1年前の自分は、急に仕事を決めた。
理由は、早くお金が欲しかったからだ。
時給の高さと、車で通えないことはない距離だという理由で申し込んだ。
そして父の実家があるという理由もあった。
「この地域に、祖母が暮らしているんです」
面接に緊張しながら、『この地域にゆかりがあるんです』アピールをしたのは今も覚えている。
そんな祖母は、かれこれ1年は入退院を繰り返している。
自宅に帰ったのは、3ヶ月前が最後である。
仕事の休みを親と合わせて、病院へ面会に行くようにしている。
1回10分という短い時間だが、私にはとても長く感じる。
本人の希望で、延命措置は行なっていない。
両親は私たち孫には言わないだけで、祖母の病状はかなり重いものらしい。
元気になったり弱ったりを繰り返す祖母の姿を目の当たりにすると、毎回何を話せばいいのかわからない。
呂律が回らない祖母に適当に相槌をするだけで、ほとんど沈黙のまま時間が過ぎる。
面会が終わる度に、涙を流している。
よく叔父や両親は「孫が来ただけでおばあちゃん元気そう」とは言うが、未だにピンと来ていない。
その孫は、希死念慮を時たま呼び起こす。
でも最近は、「簡単に『消えたい』なんて言えないな」なんて思いながら過ごしている。
本物の死を間近に感じるからこそ、今を生きねばならないな、と感じる日々である。
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