苦手な上司との付き合い方
毎度繰り返しになりますが、このnoteは自由気ままな専業主婦と化した元ワーママが早稲田大学大学院経営管理研究科(夜間MBA)の受験や学生生活、仕事や育児、人事関連について勝手気ままに言いたい放題持論を述べているものです。
先日とある方から「苦手な上司と上手くやる方法についてもnote書いてみて」とオーダーをいただきました。生々しい私の処世術的なものを暴露するかたちになるのでちょっとお恥ずかしいのだが、誰かのためになるならと本当に勝手気ままに書き連ねます。
私の上を通り過ぎた上司たち
私にはこれまで嫌いになった上司は1人もいない。
そういうと「よっぽど上司ガチャ当たりの人生だったんですね」と言われるのだが、私の過去の上司、ある方は告発本を出版されたり。またある方は週刊誌に名指しでパワハラ疑惑と書かれたり。3社の勤務歴中2社での上司がメディアで話題になっているので決して穏やかな部下人生ではないと思う。(念のため、本や週刊誌に書かれた内容の真実性への言及はここでは控えておきます)
ただ、どの方にも非常に仕事を評価していただき、可愛がっていただいた。
どうしてそういう関係性を築けたのかを振り返ってみる。
人間関係は鏡である
私の関係性の築き方は至ってシンプルだ。
自分から嫌いにならない
これだけである。
いやいや、嫌いにならない方法を知りたいんだよ…という声が聞こえそうだが、私は「感情的に人を嫌いになること」と「その人の言動に批判的な視点を持つこと」は全く別物だと捉えている。
自分と価値観や方針が違うなと思っても自分から感情的に嫌いにならないようにすればとてもスムーズに関係性が築ける。
嫌いという感情
上司が嫌いなんです、というパターンは大きくは
1.上司の言動が嫌い
2.上司を生理的に嫌い
の2つに分かれる。
1.上司の言動が嫌い
1のケースについては色々あるだろうがこれも大きく分けると
①上司自身の働きや態度に対する不満(働かない、仕事が出来ない、指示がブレる等)
②自分への評価や態度に対する不満(評価してくれない、自分にだけ当たりが強い等)
が大半を占めるだろう。注意すべきは、この2つはグルグルと循環するものでもあるということだ。
上司に対して批判的な目を持ってしまうと、直ちに「嫌い」「苦手」という感情に繋がる人が多い。しかし人間関係は鏡である。自分が嫌いと思っていると必ず相手に伝わる。そうすると相手も「自分を嫌ってくる相手のことはこちらも嫌いだ」という敵意を持ってしまう。
①のケースについては、批判の目は持っていいと思う。上司に至らないところや不満がある場合は冷静に見ておけばいい。ただ全面的に嫌悪感を出すのではなく「あなたとはチームです」という姿勢を絶対に崩さないことが重要だ。そこで強い信頼関係が築けたら、いつの日か上司の不足しているところや不満を本人に指摘しても「あなたへの愛情があります」という絆がある限り不快な気持ちを与えない。むしろ「率直に伝えてくれて有難う」と評価が上がる。
②のケースについは、まさに①と循環する。どんなに偏った評価をするタイプの上司であっても、こちらから「あなたのことを信頼しています」「同じチームの一員です」という態度を折れることなく続けるのだ。なんか当たり強いな、全然見てくれていないなと思っても、ひたすら続けるのだ。上司も人間なので、部下から真っすぐな姿勢で向き合ってもらって悪い気はしない。もしも癖が強くて慕ってくれる部下がいない上司なら、なおさら喜ばれるだろう。
私は「嫌い」という感情ほど非合理的で厄介なものはないと思っている。
嫌いな相手であれば、北川景子のような顔面でもブスに見えるし、大谷翔平のような類まれなる才能を持っていても失敗を祈ろうとする。貴方がどれだけ仕事をこなし優秀であったとしても嫌いという感情は上司の判断力を大きく鈍らせる。だから、決して媚びろと言っているわけではなく、必要以上に嫌われないように接するというのは社会人として欠いてはいけない心得であると考えている。
そして重要な点として、自分自身がそのスタンスで上司と向き合っていくと上司も自分に心を開いてくれるし適切に評価をしてくれる(過小評価をされなくなる)ため、心底嫌いにならないというサイクルが完成する。
自分の仕事はチームで行うものであり、そのチームは上司を含めてのものである。自分のチームの空気を良くするも悪くするも自分次第だと常に心に留めておくことが重要だ。
2.上司を生理的に嫌い(なんとなく嫌い)
時々なんの悪びれもなく「生理的に無理なんです」と言ってしまう人がいるが、交際相手やパートナーを探しているわけではないのだからそういう判断基準を持つ時点で自分が未熟であると自覚していただき、自己コントロールするほかない。同じ会社、上司部下である立場から解放される日までその感情は蓋しておこう。
影響を受けた言葉
私はこれまでの人生であまり人の言葉に影響を受けたことがない。そんな私が唯一、大手芸能プロダクションに勤めていた時に上司からいただいた2つの言葉だけは自分の人生で強烈に影響している。
”自分の見たものだけで判断しろ”
「これからたくさんの噂を耳にすると思う。あの人はいい人だ、とかあの人は信頼できないとか。でも自分の目で見たことだけ信じればいい。自分で見たものだけで判断しろ。」
閉塞感のある空気が漂っていたりすると親切な先輩からの声掛けだったりに影響を受けてしまいがちである。先輩や同僚が飲み会の場で鬱憤を晴らしている姿を見ると上司への先入観も刷り込まれてしまったりする。その状態で職場で上司と先輩が言い争っている姿なんかを見た日には一緒になって嫌な気持ちにもなったりするだろう。ただ、それはあくまでもその上司とその先輩や同僚との関係性においての話である。そういう一面があるのね、と心にとめておきつつ一緒になって嫌う必要はない。
”自分から微笑みかけろ”
「人と接するときは自分から笑顔になれ。そうすると周りが変わる。」
私は(関西人だからなのか?)、笑うのは面白いときだけだと思っていた。面白くないのに笑うという感覚が全くなかったのだ。しかし確かに周りを良く見渡してみると、大手芸能プロダクションでは所属しているタレント、モデルみんなとても爽やかに笑って挨拶していた。仕事をするときにこんな風に柔らかい笑顔で接されるとなんて気持ちいいのだろうと実感した。
翌日、早速少しぎこちないながらも明るい表情、明るい声で挨拶をしてみたら複数の役員・社員から「雰囲気変わりましたね!」という反応が返ってきて驚いた。それはそれはめちゃくちゃ多くの人から言われた。(それまでいかに仏頂面だったのかと思うが)
自分が発するオーラで相手の反応が変わることを実感してからは、極力負のオーラを出さないように意識している。
上司の立場である方へ
最後に、今現在上司の方へ。
前提として、上司というものは煙たいし、近しい存在ではない。しかしだからといって変に部下に媚びても伝わるし、その姿はより尊敬されないので無理に好かれようとしなくても良い。上司がすべきことは、第一に自分のチームメンバーには信頼できる人しか選出しないこと。第二に自分が組成したチームは自分の責任のもと最後まで自分から愛情を示すことだと思う。
一方で一番やっかいなのは自分で選出していない、前任から引き継いだ敵意むき出しの部下だろう。能力的にも性格的にも難がある人を任されてしまうと関係性の構築は非常に難しくなるが、ここでも上司である貴方が先んじて苦手なオーラを出してしまうと「感情的に評価をしている」「部下を選ぶ人だ」と判断されかねない。
感情を押し殺し、適切に仕事ぶりや能力を評価できれば部下と良い関係性を築くこともできるかもしれないし、それがどうしても叶わない場合はレポートラインを変えるとかチームを変えるとか上司の立場で双方が気持ちよく仕事をできる方法を見出すことに尽力すればいい。最もやってはいけないのは自分の部下を嫌ったり蔑んだりすることだ。
悪循環を断つのは上司である貴方が先であってほしい。