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出力

鈍色の今朝を愛撫して、旋回する意識は、虚空を漁り、永遠性などに隔てられている憂鬱や、季節的に飛来するウイルスや、運命論に騙された恋人たちや、孤独を謳歌する虫たちのセレナーデや、痩せ細った大陸を徘徊する若者たちの採否や、量産的な君たちの敵意や、そこかしこで逸脱し続ける私は、文明的なものを踏み台にして、普遍性を模倣するだけの老人や、猜疑心を生み出すメディアの策略などに加工された正しさや疾しさの中で、干渉する思い出の煩わしさや、駆逐されるだけの、惰性で引き延ばされた理念や、あらがうほどに生まれる溝や、無垢なほどに、生まれる憎しみの数々、平行宇宙を彷徨う違う世界での私の気配、同じ確率の最中を跨ぐ優劣の足、耽溺し続ける君たちの焼夷弾により、焼き尽くされた街を眺め、性善説に酔い痴れる聖職者の群れや、正しいからといって振るわれる暴力や、慈しみと憎しみの差異や、しどろもどろになる観念を弄る猿の手や、無形物の海を泳ぐイルカの群れ、乖離して行く面影が孕む原理、電気的な衝動性や、蓄積される可能性の厚み、違う過ちから、さらなる過ちを引き出す可能世界での分岐点や、整合性もなく、語られる答えの末期的な誤りや、閉鎖的な義務感に苦しむ記号や暗号の群れ、現前を搔き毟る太い腕、分裂して行くギミックや、奇跡を悪用する奴らや、腐敗するだけの権力や、献身的な悪意の饐えた香り、論理的な部位を破壊して、複製される権威を破滅に追いやり、今を打破して、立場を利用しては、そこかしこに、悪意を生み出すだけの、愛というまぼろしを信仰し、絶えず憎しみを生み出して行く。

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