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思想家の休日

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2020年8月の記事一覧

恋と超越

神のようになって眠る君の身体が硬直する。たび重なる夜は、ただ重なるだけで頼りなく、あいまいに改ざんされる日々の生活というやつの中で、賢く生きるなんてことは吐き気がするし、なにかキラキラしたものとは、薄気味悪いし、作られたものでしかなく、そのようなギミックを滅ぼすために、言葉や文字は存在して、損得を吐き出す化け物どもの住処から抜け出し、ばくばくと太陽や都会を食べるケモノになりたく、ただひとり、ひどい

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芳しい差異

パンチラインだらけの名著を読みながら夜を過ごす。退屈でままならい動機が延々と空間の中で攪拌され、自らがこなごなになるまで倒錯する。錯雑とした伴侶が大げさに仕事をこなす間に、無くしたものをそのまま放置し、屠られたままに永遠にさえずる陰影の彼方では、加担すべきものすらなくなり、求めるほどに不自由になる今から解き放たれる。暴力的な言語によって滅びた故郷を思い泣き叫ぶカースト制に苦しむ人々の蒸れた匂い、熟

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優しい値

曇天をくすぐる落伍者たち、時間とは持つ限りにより、待ってはくれず、今を支配するためだけに、時を進める。艱難辛苦が迫る夜、寄りかかる満月と君、記憶を殺戮した幼い我が子、秩序をフラスコにいれて、実験を続ける深夜、静閑な森で熱暴走するフクロウが食べ尽くした銀河の痕、思い出の固形物、荘厳な魂との和解、切れ端にたまる血のぬくもり、カタストロフがこぼす散漫な汚穢が記号化し、定めた意図から放たれる印象や、因子や

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ドレスアップされた昨日

境目も持たずにまた再会して、さらなる思いを手繰り寄せ、孕む季節が和み、ひたすらに無知な所以にからまる行方や、真相をつらぬき、うそぶくだけの世界が正解すら持たずに、持ち合わされた意味が世界を駆逐して、チクチク痛む胸の内に迫る意思的な汚穢が悩ましく迫り、過信ばかりの日々が悲観的なものを打ち出して、奪い合うだけの今に期待感すらなくなって、気配を攪拌して、成否を厭い、ひたすらに漁るだけの輩が支配する気配の

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すべてのよろこび

いつも誰かの食い物にされ、消費されるための毎日の中で殺伐としてゆく意識の波形、経過してゆく意味の中で言い訳ばかりを重ね、懐疑的に配される愛に関わるほどに、敵意にむしばまれ、無駄な争いばかりを重ねては、勝手気ままに募る痛みの中で枷に変わるだけの世界に求められる代償や、刹那に裁かれるだけの堕落した日々を厭いながら、移動してゆく意識は、陰鬱な衝動をかかげ、健気に募らせる苦しみの配下になり、似合わぬ意思を

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むくむくの身体

この世界は食べごたえがあるらしく、君は無垢な歯で、この世界をガリガリかじる。この血を煮えたぎらせ、没落したい、と願う私に迫る忌々しい結末に屠られるために謳われた理由からの決別を終え、退屈な概念なら瞬時に消し去り、獅子奮迅の活躍を続けるために書き続ける先には敵すら居らず、なにかを選ぶ暇すらない。真実などは誰にも見えておらず、見落としてばかりいて、見え透いた嘘を信じ込んだり、混濁する頭の中で回転する過

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輪唱

行きすぎるだけの価値、枢要な君を捕食するだけの人々が交差する四季、バラバラになった君の身体、正当性すら潰えた夜、遊離する精神をひたすらに介錯する感度、薄命な時にすがる瞬間的な躍動、カラフルな時を刻み、自堕落に流布する感情のリフレイン、因果律に反し、口内が酸っぱくなるような胃からのトキメキがこぼれる恋の行方、加速する思いが重なる瞬間には、宇宙の始まりくらいのエネルギーが現れているのか、と詩的な思いが

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旋回

自由という言葉すら、おぞましくおこがましい闇が散る。一切は不埒なものの断続で、暗く歪む影をたおやかに引き延ばす白い手は、素知らぬふりをして、段々と迫る死が生に敷衍し、一切は不安定なものに偏りを示す。踏みにじられる結末の羅列、森羅万象をにごすための、ためらいがすかさず心に闇を与え、自らの強度を損なう場面、転化して行く弱さが身に染みる頃合いには、互いを誤りを認められずに、脳内で発信される電気的な信号に

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完結する日々

雲の上でブランコに乗りながら、思いを編む。言葉がなびく空はかかずらうことを忘れ、静謐にゆだねる精神は、眠るよりも心地よく、短時日にまじわる時計の音も聞こえず、呼吸すらも忘れ、故郷すらも捨て去る、そんな毎日を過ごす私は忙しくもなく、苦しみもない。なぜかと言われても、無いものは無いのであり、そこで当たり前のように語られるものに必然性などを感じることすらない。すべてがあたりまえのように扱われていることが

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なるようにしかならない

なるようにしかならない

ケバい裏通りにリリカルな歌声、他人行儀な街灯が照らす孤独な獣、成し遂げたあとに磔にされている老若男女たち、立場をとってなんか考える隙間もない海馬、リバイバルされてゆく面影との和解を終え、ガイダンスには一切従わずに、舌足らずな鳥たちが歌う幸福論なんかに耳を傾けずに、偏りを感じるような思想には加担せず、子孫繁栄がうるさくつきまとう機械的な行動理論が、意思を拘束しやがるから、次々と裏切り暴れまわる。バー

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すべてを乗り越えた先にも先

世界を終わらすためのコードを考えついた親ガラスが鳴き荒らす朝、仕分けされた感情にサフランをまぶして、ゆれる木々とたわむれる至極の時折になびく思いが、思い出なんかを破棄して、感覚だけで旅立ち、たちまちに竜巻に巻き込まれ、四肢はバラバラになって、頭もどこかに行ってしまったけど、まあいいか、と諦めて、ひたすらにたそがれる結末は、いつも晴れ晴れとして、君と離れ離れにはなったが、自ら選んだことになんの誤りも

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路地裏の論理

宇宙語を話す赤子と空白に住まう猫の話を延々と話す着飾るだけの君の強要と、独占欲の覇権が迫り、リビドーを燃やして、精神を貪婪に消費してきた資本主義も汚穢にまみれ、自由市場は衰退し、自由な意志だけが聡明な信念に接木をし、落ちないように橋を作り続けるノスタルジアの果てで、詩人であるとは、聖人君子であることを捨て、元気に空間で農作業するものだ、と月に住まうウサギと保守的なギミックについて話し合い、弁証法の

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退廃的な君を照らすもの

ぽっこりした太陽のお腹、照らす日差しが憎らしく、くたびれた身体を羽交い締めにしている夏も終わり、緩やかな胎動で和む年月などは、いっしゅんの出来事で、出来合いで愛した君も、いずれかは嫌いになるだけ、だ。フレーズが無限に増殖して、反復作業を続ける刹那に送り込まれる無限性の制圧や、圧壊し続ける先々では、たおやかにゆらぐ無数の雲が、豊かさなんかを象徴したりして、つたない日々を繋ぎ合わせる針と糸を持って、報

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人間の始まり

意思も持たずにさまよう人々、あるいはなにかを持ち過ぎて歩きにくそうな人たち、立場を利用して、理性もなくやりたいようにやった結果が恐れるがあまりに、誰かを蹴落としてまで、しあわせそうなフリをするような豊かさなどは枷になるだけなんだ、と気付いたころには、そこかしこに痛みを抱えているだけで、貸し借りや、加算される義務的なものにより、もたらされた罪の意識なんかが、儀式的なものを加速させ、意思を奪うだけの結

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