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いくつ知ってる? “優良企業マーク”を理解して後悔しない就職活動を

前回の記事では、主にこれから就職活動をする女子学生に向けて考えてほしいことをお伝えしました。大きくは以下の3点がポイントでした。

① 今後は男女問わず、60代70代まではたらき続ける時代になるというイメージを持つこと
② 仕事をずっと続ける前提で、どんな場所でどんな風に暮らしたいのかをイメージすること
③ 「結婚するのか・しないのか」「子どもを持つのか・持たないのか」を成り行き任せにするのではなく、まずは、ある程度、具体的に考えてみること
(現在のパートナーの有無にかかわらず!)

こうして、将来の具体的なイメージを膨らませながら就職活動をおこなうと、2020年代、令和時代にフィットした会社選び、仕事選びができるようになります。

この記事では、社員の子育て支援に積極的な会社を見分けるマーク=“くるみんマーク”についても触れました。
いかにやりたい仕事ができたとしても、いかに社風が気に入っていたとしても、子育て支援が充実していない、あるいははたらきながらの子育てに理解がない会社だったために、育児と仕事を両立できずに退職…となってしまうのはとても残念なことです。

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▲商品やパンフレット、ホームページなどに使用して企業のイメージアップにつなげられます

ですから、今すぐの結婚・出産の予定がなくとも、「いずれ子どもを持ちたい」と考えているなら「育児と仕事の両立支援」という視点で会社をチェックすることは大切。

“くるみんマーク”の有無をチェックすることは、その第一歩になるのです。


ミッションは「就活生が安心して就活できる社会をつくる」
SHEMが発表するホワイト企業ランキングとは?

“くるみんマーク”のように、はたらきやすさの観点で会社の特徴をチェックできるマークはほかにもいくつかあります。
子育て支援に限らず、女性の活躍をバックアップしてくれる会社、若年者支援に注力している会社、残業時間の削減や有給取得率の向上をはかり従業員の労働安全衛生に配慮している会社など、知っていれば就職活動に大いに役立つ“優良企業マーク”について、今回はくわしくお伝えします。

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うつや過労死、労働災害などを引き起こす過重労働が社会問題となり、“ブラック企業”という言葉が新語流行語大賞にノミネートされたのは2014年。
その頃から企業のホワイト化100%を目指し、従業員が健康で安全にはたらける、優良企業の情報を提供している(社) 安全衛生優良マーク推進機構、通称:SHEMという団体があります。

現在、優良企業に与えられるマークの種類は、厚生労働省が認定しているもの、経済産業省が認定しているものなど、省庁ごとにいくつか存在していますが、SHEMはそれらの獲得数から総合的な順位づけをおこない、「ホワイト企業ランキングTOP100」として発表しています。


【最新版】ホワイト企業ランキングTOP100

最新のホワイト企業ランキングトップ10は上記の通り。

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現在、第1位に輝いているのは、首都圏を中心とした百貨店運営で知られる丸井グループ。表の右「取得マーク」欄に並んでいるマークが、企業が獲得している“優良企業マーク”です。
対象となるマークは全部で7つありますが、5冠を達成したのは、この丸井グループが全国で初とのこと。マークの数だけにとどまらず、グループ全体での平均残業時間3.5時間、有給取得率74%と、働き方改革の高い成果が感じられます。

こうして“優良企業マーク”によって会社の取り組みが可視化されると、やはり「ここではたらいてみたいな」「ここならずっとはたらき続けられるかな」と、求職者としては気持ちが動きますよね。

取得マークの種類でわかる企業の優良ポイント

では、それぞれのマークがどんな特徴を表しているのか見ていきましょう。

●ホワイトマーク(安全衛生優良企業認定)
職場の安全衛生、従業員の心身の健康、残業時間の抑制、有給休暇の取得促進などなど、高水準の優れた取り組みを総合的におこなっている企業を厚生労働省が認定する制度。
認定を受けるためには約80の認定基準をクリアするなど、他の優良企業マークより取得が難しいため、このマークを獲得している会社は押しも押されもせぬホワイト企業といっていいと思います。

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●健康経営優良法人
従業員が健康的にはたらける環境作りを積極的におこなっている企業を、「健康経営優良法人」として経済産業省が認定する制度。
そのうち、とくに優れた取り組みをおこなっている大規模法人上位500社を「ホワイト500」(赤いマーク)と中小規模法人上位500位を「ブライド500」(青いマーク)としています。

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多くの企業が関心を寄せている“健康経営”先進企業の証とあって、2017年→2019年の2年間で、健康経営優良法人取得企業は大規模法人で約4倍、週小規模法人ではなんと約8倍に増加しています。

▋おもな認定基準
・定期健康診断受診率100%
・ストレスチェックの実施
・健康宣言を社内外へ発信
・役員クラスが取組みの責任者 など

●ユースエール認定
若者の採用・育成に積極的で、従業員300人以下の中小企業のなかでも、若者が働きやすい職場作りに積極的に取り組む会社が厚生労働省から認定されるホワイト企業マーク。
従業員300人以下の中小企業が対象。ワーク・ライフ・バランスが取りやすい会社が多いので、入社後のライフステージの変化にも柔軟に対応しながら仕事を続けられる可能性が高くなります。

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▋おもな認定基準
・新入社員の離職率20%以下
・残業60時間超の従業員ゼロ
・育休取得率75%以上
・キャリアコンサルティング制度 など


●えるぼし・プラチナえるぼし認定
女性の積極的な登用や活躍を推進している企業を厚生労働省が認定したマークです。
えるぼしマークには、会社や社会の中で活躍し、きら星のように輝く女性へのエールが込められているのだとか。
女性活躍推進法の改正を受けて、取り組みの実施状況がとくに優秀な会社に“プラチナえるぼしマーク”を認定する制度もスタートしました(2020年6月より)。

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▋5つの認定基準
・男女の採用比率
・女性の就業継続年数
・残業時間が45時間未満
・男女の管理職比率
・多様なキャリアコース

※基準をすべてを満たしている企業は★が3つのえるぼしマークです。


●くるみん・プラチナくるみん認定
前回の記事でも紹介した、子育てと仕事の両立支援に積極的に取り組んでいる“子育てサポート企業”の証。こちらも厚生労働省が認定しています。
2007年に428社の認定からスタートした制度は、毎年約200社ずつ増加し、令和2年3月時点で3312社(うちプラチナくるみん367社)になりました。

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▲プラチナくるみんマークのマントは12色あり、コーポレートカラーなどに合わせられます

くるみんマークについては↓↓こちら↓↓の記事を参照してください。

“優良企業マーク”は企業の本気度のバロメーター

はたらく世代が減少傾向にある今、景気自体は決して上向きではないものの、就職マーケットは売り手市場。そのため。優秀な人材に入社してもらい、かつ長くはたらき続けてもらうために、中小のみならず大手企業も昨今は大変な苦労をしています。
そのため、はたらきやすい環境があること、はたらく人への配慮が行き届いている会社であることの格好のアピール材料になるこうしたマークを、多くの企業が取得しようと努力をしているというわけなのです。

実際、経済産業省の調査(2016年)では、就活生の半数近くが「従業員の健康やはたらきかたに配慮している企業」に就職したいと回答しています。
ホワイト企業化をはかることは、若手人材を確保し、長く組織を存続させるためにも必須の取り組みとなってきたといえるでしょう。

現在就活中の方は、志望する企業がどんな優良企業マークを取得しているか、マークを取得するためにどんな取り組みをしてきたのかをぜひチェックしてみてください。

■ 文/西岡 笑子(にしおか・えみこ)
防衛医科大学校 医学教育部 看護学科母性看護学講座教授。順天堂大学医学部非常勤講師。順天堂大学医学部助教、神戸大学保健学研究科准教授を経て現職。母性看護学・助産学とウィメンズヘルスが専門分野。2児の母でもある。mezame女性研修の監修を行う。

(構成・文/阿部志穂)


“mezame”は、
はたらく女性の健康とキャリアを
サポートするプログラムです

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