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男性が「生理」を正しく理解するということ【後編】

こんにちは。
キャリアコンサルタントの東 公成です。

【前編】に続き、「男性が女性の「生理」を理解するということ」が、職場にどんなプラスをもたらすかを考えていきます。

【前編】 生理が女性のメンタルにもたらすこととは?
【後編】 男性が生理を理解することがもたらす価値は?

【前編】で集めた生理にまつわる女性の生の声を受けて、【後編】ではまず、産業保健師の小林智美さんに、女性がどのように生理と向き合っているのかを、豊富な相談事例の中からうかがうことにしました。

mezameにも参加している小林産業保健師は、日頃から女性に対して多くの健康アドバイスをされています。

仕事に影響があるなら“受診”はマスト

“生理”とひと言でいっても、量や症状などは千差万別です。
量が少なかったり、症状がない、もしくは軽い方にとっては「月1回の面倒なこと」といった程度の認識かもしれません。

しかし、量が多く貧血症状もあったり、月経症候群(PMS)や月経困難症のように、毎月重い症状が伴う方とっては、プライベートはもちろん、仕事にも影響があり、相談に来られるケースもしばしばです。

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そんな相談者に、私からお話していることは大きく2つあります。

《1》症状がつらい、生活や仕事に影響があるなら病院に行きましょう

多くのはたらく女性が、「(私の)生理が正常じゃないなら病院に行った方がいいですよね?」といった具合に、自分の月経が正常かなのか異常なのかをまず確認しようとします。

ただ、正常か異常かはもちろん重要なことですが、ご自身がつらいと感じていたり、生活や仕事に影響が出ている状況なのであれば、仮に正常の範囲内だとしても受診すべきだと思うんです。

医師に相談して改善する方法を知ることができれば、QOLも仕事のパフォーマンスがあがりますよね。

《2》「女性の身体的な特徴」ではありますが、はたらく一個人(労働者)として、生理はケアする必要があります

女性が婦人科を受診しない理由として、「生理は病気ではないから」「受診をする時間が取れないから」「面倒くさいから」…といった理由を耳にしますが、すでに仕事に影響が出ているのであれば受診はマストと考えてほしいです。
男性であれ、女性であれ、雇用されている以上は労働を提供して給与を受ける立場です。生理の影響で低下している生産性を「女性だからしかたがない」と放置してよいわけではありません。

(以上、お話:小林智美産業保健師)

男性が変われば婦人科を受診する女性も増える?

小林保健師のお話からわかることは、女性は月経周期というからだのリズムがあり、男性以上にそのリズムによるパフォーマンスへの影響を感じながら仕事をしているということです。

そして、そのリズムの変調に折り合いをつけながらも、「生理は病気ではない」などと不調に目をつぶる場合もあるのだということ。
仕事の忙しさや、文中にもあった「ちょっと面倒くさいな」という気持ちを優先させるケースも少なくないようですが、結果として、それが婦人科受診につながらない原因を作っているのだそうです。

婦人科の受診率が今よりももっと上がって、生理の症状が改善されて快適に働ける女性が増えるといいなと感じました。
もしかするとここにも、男性の生理に対する理解が影響するのかもしれませんね。

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“優しさ”以上に必要な“正しい知識と理解”

では、今回の記事テーマにも改めて近づいていきましょう。

【前編】でも書いた、新聞記事を読んでわいてきた疑問

① 生理について「男性に理解して欲しい」と答えた80%の女性は、男性に何をどんなふうに理解して欲しいのだろうか?
 ② 「つらそうなときに『無理をしないでね』と声がかけられるような職場環境」を、女性は本当に望んでいるのだろうか?

…に立ち返ると、

①については、
女性が男性に理解してほしいことは「バイアスのかかっていない正しい生理の知識」なのではないか。

②については、
「バイアスのかかっていない正しい生理の知識」にもとづいて想像力を働かせれば、男性から女性に対しての生理にまつわる不快な言動が少なくなるのではないか。

一連の考察を終え、私はこのように考えました。

「私の職場では、生理や女性の健康課題について、男性もきちんと理解している」

そんな認識を持つことができれば、多くの女性が安心して仕事ができるのではないでしょうか?
不用意に傷つけられたり、不快感をあおられたりする心配がなくなるというだけではなく、「理解されている」という安心感が、相手への信頼にもつながっていくのではないかと思います。

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男性の生理理解が職場にもたらすのは“安心感”と“信頼関係”

mezameの女性メンバーに話を聞いた際、次のような声があがったことは【前編】にも書きました。

「生理中の女性は、頻繁にトイレに立ちます」
「生理中の女性は、少し不機嫌な時もあります」

小さなことのようですが、前回と今回で学んだ生理にまつわるさまざまな事柄が集約されているように思います。

今回この記事を書くにあたり、mezameのメンバーでミニ座談会を持ちました。また、その後もテキストベースで質疑応答を重ねましたが、そのたびに「男性って本当に知らないよなぁ」と認識を新たにさせてもらいました。

わからなければ率直に質問する。
これはコミュニケーションの基本だと思います。
質問をきっかけとした会話から理解が生まれ、深まります。
そして、相手を正しく理解し信頼を積み重ねていけば、多くの人にとって働きやすい環境が作られていきます。

これからもmezameに関わる男性メンバーの一人として、はたらく人々の相互理解につながる“芽”をお伝えしていきたいと思います。

▶▶この記事の【前編】はこちら

■ 文/東 公成(あずま・きみなり)
国家資格キャリアコンサルタント、DiSC認定トレーナー、プレゼンテーショントレーナー、女性の健康経営アドバイザー


“mezame”は、
はたらく女性の健康とキャリアを
サポートするプログラムです

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さんぎょうい株式会社が提供する“mezame(めざめ)”は、産業保健師と国家資格キャリアコンサルタントがタッグを組み、

*健康知識とキャリアプランニングの基礎研修
*個別のキャリア面談によるモチベーションアップ
*ライフステージ別・職級別の健康とキャリアを考えるセミナー等

をおこなう支援プログラムです。

女性特有の周期的なカラダの変化、年代やライフステージごとに変わって行く役割、体調、かかりやすい病気…。ウィメンズ・ヘルスをふまえて“はたらく”を考えれば、女性従業員のパフォーマンスは今以上に向上し、女性自身もなりたい自分、叶えたい人生に近づくことができます。

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