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自由の象徴とNTR

7月4日はアメリカ合衆国の独立記念日です。この日は国民の祝日になっており、コロナも比較的落ち着いたことから多くの催しものが予定されています。
そんな独立の象徴といえばニューヨークはリバティ島にある自由の女神でしょう。設計はフランスのオーギュスト・バルトロディで、像はフランスから送られたものでした。当時、アメリカ大陸は元より世界中でイギリスと覇権を争っていたフランスはアメリカ合衆国の独立に助力し、その友好の象徴として自由の女神が贈られたというのは有名な話です。この像が設置されたリバティ島はニューヨークを出入りする船であれば必ず目に付く場所でした。

自由の炎

女神像の設置から約100年後、米仏友好の証として、像の特徴の一つである松明を模したオブジェがアメリカからフランスへ送られました。「自由の炎」と呼ばれるその像はエッフェル塔からほど近い、セーヌ川に掛かるアルマ橋北側に設置されました。そこはセーヌ川沿いの、パリ中心部でしたが、ある事件があるまでひっそりと佇んでいました。

イギリス人の象徴になった炎

1997年8月31日、この像から十数メートルという距離で発生した事故がこの像の運命を変えます。執拗に追い回すパパラッチを撒こうとした一台の車がトンネルの中で事故を起こします。乗っていたのはイギリスの元王妃ダイアナでした。
彼女は世界中から広く愛された王妃であり、彼女の死を多くの人が悼みました。現地を訪れた彼らのうちの一部は、付近にあったおあつらえ向きなモニュメントに献花をささげるようになります。その内、誰もこのモニュメントの元の意味など考えなくなり、2019年にはパリ市が公式にダイアナ妃の追悼碑としました。

元はイギリスとの独立戦争に始まったこの像は、NTR好き歓喜なストーリーを胸の内に抱え込んだまま、今もセーヌ川のほとりにダイアナ妃の追悼碑として佇んでいます。

参考

National Park Service, "Get the Facts"
https://www.nps.gov/stli/planyourvisit/get-the-facts.

The telegraph, "Paris pay homage to Princess Diana by naming a square after her , 22years after fatal car crash"
htmhttps://www.telegraph.co.uk/news/2019/05/30/paris-pays-homage-princess-diana-naming-square-22-years-fatal/

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