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熊本のクリ材を私たちの暮らしにつなげる

熊本地震

2016年4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震央とする震源の深さ11 km、気象庁マグニチュード  6.5の地震(前震)が発生し、同県の益城町で震度7を観測した。その28時間後の4月16日1時25分には、同じく熊本県熊本地方を震央とする震源の深さ12 km、Mj7.3の地震(本震)が発生し、西原村と益城町で震度7を観測した。Mj7.3 は1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)と同規模である。 --wikipedia--

この地震により、住んでいた福岡県でも(といっても熊本県に近い地域でマンションだったためか)大きな揺れを体感しました。私は食器棚の前に立って、両手を広げて扉を押さえました。夜中だし夫はまだ職場で、幼児二人。当時の緊張感はまだ鮮明です。

この地震による被害はとても大きく、お付き合いのある製材所も被害にあいました。そこで、何かできることがあればと製材所をかけつけました。道中には、地割れと傾く道路、屋根に張られたブルーシート、救援物資など… いつもと違う景色が広がっていました。

熊本のクリ材


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家具といえばオーク、ウォールナットをはじめ、輸入材が多く使われています。それまで国産材はスギ、ヒノキなどは節が多く使いづらい・ケヤキは値段が高いなど、様々な理由から積極的に使われることがありませんでした。

その製材所では、熊本産のクリ材を扱っていました。
私たちが商品に使うことで何か手助けにならないだろうか...
実際目にしたクリ材はとても木目や色がきれいで、中身がつまった硬い木材。いくつか持ち帰って検討することにしました。

商品化


クリ材は和風なイメージが強く、民芸品などによく使われてきた素材です。これをモダンで今の時代に合ったデザインとして取り入れるにはどうしたらよいのかと長く悩みながら、繰り返しの試行錯誤を続け、ようやくクリの質感を生かしたモダンな和家具の商品にたどり着きました。

「こたつ」
です。(ここに至るまでの経緯はまた別の機会に・・・)モダンなデザインや、素敵なショールームにおいてある商品からほど遠いイメージのこたつ。これをあえて今の若い方にも使っていただけるような、インテリアになじみやすい雰囲気にすることにこだわり、木目も色もよく合う、上質なこたつができあがりました。
PSEマークも申請し、そのシリーズをウェブショップに出店すると・・・

おかげさまで、とても人気が出ました。ランキング1位となり、取材を受けたり、雑誌に掲載されたり、授賞式にも参加させていただきました。また、商品をCMに起用していただくという経験もしました。

大切なこと


それだけではありません。このシリーズを作ったことによってもっと大切なことに気付かされました。
林業の方々が大切に、良質に育ててきたクリ材を積極的に使い、今回のように商品を作る、そして暮らしへと届けることが私たちの役目だと実感したのです。何かできることはないか、との思いで始まった商品でしたがこれをきっかけに

木を植え、育て、商品を作って暮らしへとつなげていくという循環・サイクルの一端を担っていくこと
国産材を上手に使い、森や経済を循環させていくこと

を、私たちは目指していくことになったのです。


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