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俳優演出【入門】:【FACT / 事実】の提示/補足

俳優演出に限らず、映画製作に重要な事は整合性がとれている事です。

【FACT / 事実】にも同じ事が言えます。

と、いうのも、せっかくキャラクターを構成する様な【FACT】を作り上げても、シナリオ上のその人物の行動が、全く【FACT】に由来しなければ意味がありません。

映画は、常に監督がシナリオを書く訳ではありません。
脚本家の書いたシナリオを受け取り、演出する事が多々あります。

じつは、良く書かれた脚本には、その中に【FACT / 事実】を導きだせる様なヒントがたくさんあります。監督はそれを読み取って、さらに役者が表現しやすいように広げて、具体的に再構成していくのです。

その為、逆に自身が書いた脚本の場合も、同じようにシナリオに沿った【FACT / 事実】を設定する必要があるのです。ですから、シナリオを書く段階から【FACT / 事実】を設定しておくのが良いでしょう。すると、シナリオ上の登場人物の行動も自然と整合性のとれたものになっていきます。

既に何度も言っていますが、役者は経験した事以外は演じられません。

人間の心理的に不可能で総合性のとれない条件で役者は演技出来ないのです。

もし、あなたが何らかの映画でそのように見える演技を見たとしても、それは見えるだけです。演出の際には必ず、監督は整合性のとれた指示を加えています。

さて、シナリオの書き方、また【FACT / 事実】の項でも言及しましたが、映画製作に置いて形容詞を使うのは厳禁です。特にストーリーテーリング、キャラクター表現、心理描写においては。それは不確かで曖昧な上に言葉のみで完結してしまう情報だからです。

日本語の特徴として、多様なオノマトペがあります。
オノマトペとは『ドキドキ』『ぐぅわ〜〜〜〜〜っと!』『モヤモヤとした』といった物があります。
日本の撮影現場で監督さんがこれらの言葉を使って表現する事がありますが、これも言語道断です。これこそ、人によって定義のハッキリしない言語表現の最たるものです。
オノマトペや擬音語での指示は演出者が思っている以上に、役者には理解できていません。
まずは、この表現をしない事から始めて下さい。

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