見出し画像

英語学習に必要なものは…

 毎日CDを聴くだけで、あなたも英語がぺらぺらに!

という、英語教材のCMをたまに見かける。


うそっぱちだ、といつも思う。

 毎日英文を聞き流しているだけという、ごく簡単な方法で本当に英語力が身につくのならば、日本人はこんなにも英語が話せないことで苦労してはいないだろう。

なによりも、私は毎日英語の曲を聴いていますけれども。
何度もきいてたら、歌の意味が分かるようになりました!という記念すべき瞬間は一向に訪れる気配がない。
こんなに聴いているのに英語が話せるようにならないのは、なぜなのでしょうかね。
そこのところ、説明してくださいますかしら???



 英語を必死で勉強したのは、受験期でもなく、大学生の時でもなく、社会人2年目の春だった。

「一年間働けば、好きなところに異動できますよ」


という入社時に掲げられた会社の公約が、幻想だったことに気づかされて絶望した直後だった。

職場環境も悪い上に、好きなところにも行かせてもらえないのか。
気軽に遊びにもいけない仕事づくし。
ええい、こんなところ辞めてやる!

と、それまでゆらゆら迷っていたけれど。

怒りとともに決意を固めた。


でも、ようやく一年働いただけのぺーぺーなキャリアしかない私には、転職はとても厳しそうに思えた。
いきなりやめてもだめだな、と思い、考えた末の苦肉の策が、
TOEICの点数を上げることだった。

当時、求人サイトで見つけた興味のある会社の条件がTOEIC750点だったのだ。

始めたのが12月の冬。

5月か6月まで必死に勉強して点数を上げて、準備が整ったら転職活動を始める…。

というその年の上半期の計画を立てた。

当時の私の点数は600点台前半。
英語も英カルチャーも好きだけど、ちっとも得意ではないということがお分かりいただけるだろうか(笑)
英文科卒なのにお粗末な話である。
なぜ、大学時代に頑張らなかったんだ…そしたらこんな苦労もなかったのに。と何度も自分を責めたことを覚えている。


けれども、人間自分の生活や人生がかかると、必死になるものだ。
もはや反骨精神の塊だった。

仕事で毎日10時間くらいたち仕事で働かされて、ぐったりしているような日々だったけれど、一日のうちの無駄な時間を洗い出し、スケジュールを組み立てることから始め、早起きの習慣をつけて勉強時間を捻出し、休憩時間も単語帳を眺めるという受験生みたいな生活を始めた。


そうして毎日学習を積み重ね、休日を犠牲にして受けた試験結果は…
3回の受験で115点アップ!!

ものすごく嬉しかった。

綺麗に努力がつながった珍しい体験だった。
こんなにぎりぎりの生活でここまで伸びるなら、時間がある学生の時にちゃんとやっておけよ…と思わないでもないけれど。

でも、それまで勉強してもこんなに伸びたことはなかったんだ。
これは日常のうっぷんが昇華された形であって、火事場の馬鹿ぢからみたいなものだったんだろうなと思う。



英語学習に必要なのは、効率でもなんでもなく、絶対に何が何でも身につけてやる!という熱量と根性なのだとこのときから思っている。

結局、いろいろ考えが変わって、当時あこがれだった会社には入社に至っていないけれど。
就活にTOEICの成果は役だったような気もしている。
何より、自分が満足だ。

苦しかったけど、自分を強くしてくれる良い時間だったなーと振り返る。
いまは人生ゆるゆるモードなので、勉強していない。


でも、また初めてみようかな…とひそかに思っている。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?