見出し画像

BtoCの人がBtoBになって感じたこと。

就活で職業を選ぶとき。

「自分はBtoBがいいのか、BtoCがいいのか。そういった視点でも考えてみましょう~」

と言われたことを覚えている。

Business to Business
企業同士で仕事をしていきたいのか。

Business to Customer
一般のお客様を相手にした仕事をしていきたいのか。




理屈ではわかるよね。
でも、実際のその仕事がどういうものかなんて、なかなか学生の視点ではつかみにくいのではないかと思います。
私も実際ピンと来ないまま、就活していました。

親しみがあるのは、どちらかと言えばBtoC。
学生が携わらせてもらえるアルバイトのほとんどは、飲食だったり、小売り業だったり、直接お客様と接する仕事のほうが断然多い。

BtoBってなんか難しそう。
企業同士でやり取りするのって、どんな感じかもピンとこないし、CがBに変わることでどんな違いがあるのかもわからない。

イメージできるBtoCのほうが、サービスの経験もあるし、私にはあっているかな…。

なんて漠然と考えていました。


そんな学生時代から、数年がたち。
今の私はBtoBの仕事についています。
そのまえは、BtoCの仕事についていました。
短い間にどちらも経験したけど、結構違うなぁと思います。
これは会社や業界にもよって変わってくるし、私の主観も入るので一概に共通認識とは言えない。
でもちょっとでも学生の人とか、転職を考えている人の参考になれば嬉しいので、実感をまとめてみようと思います。


ちなみに今は営業と編集の出版・製作会社。
以前はホテルで働いてました。




1.みんな笑わないBtoB

いわゆる、営業スマイルというやつですね。
転職していろんな職場に営業をしに行くことが増えましたが、行く先、行く先、あう人みんな笑わないです。
サービス業をしていると、常に笑顔でいることがふつう。
今日はちょっと体調すぐれないなー、みたいな日も、仕事で人と接するときは、にこにこ笑っているのが当たり前です。
売り込まれる側の人だとしても、私からすると、仕事の会話=笑顔、みたいな認識が染みついていたので、目の前の人が無表情で話しをきいていることに最初はちょっと戸惑いました。
さすがに営業職の人たちは、BtoCな視点もあるので、にこにこタイプが多いですが…。

ああ、そうか、サービス業じゃない人ってこんなにも笑わないものなんだ…という「普通」を間のあたりにしました。


2.敬語やマナーはそんなに気にしなくてもOKなBtoB
対お客様の仕事をしていたら、敬語を間違えるのはご法度です。それでなくても、物腰、言葉遣い、雰囲気などなど、直接お客様と接する以上、見えるままの姿、聞こえるままの姿が、「会社のイメージ」「ブランドイメージ」に直結します。なので、常に気が抜けないです。
案外、ホテルのようなハイレベルなサービス業に限らず、小売りでもレジ打ちでも、高い水準の丁寧な接客は求められていると思います。(特に日本は)
航空会社の人はこんな話し方とか、受付の人はこんな雰囲気とか、ある程度イメージが出来上がってはいないでしょうか?

どんな接客にも求められる形があるので、ある程度「演じる」というスキルも大事になってきます。

単に実務ができるだけでなく、+華麗にできる!必要があります。


一方、BtoBはそこまで敬語やマナーを気にしていないような気がします。
敬語はもはや、異国語だとおもえ!と書いてある本を目にしたことがありますが、言い過ぎではないかもしれない。


私はBtoC時代電話がかなり苦手でした。緊張するときれいにうまく話せないからです。
でも、BtoBの世界に来ると、今度は自分の話し方が丁寧すぎて浮きました。
こんな私でも、メールも電話も丁寧だね~とほめられます。ちょっと得した気分にもなる☆
大企業でもないので、「得意先にごあいさつ!」みたいなBtoBのピリピリした現場に直面したことはありません。
なので、これは世の中の氷山の一角だと断ってはおきますが、BtoBのほうが全体的に言葉遣いもマナーもゆるゆるです。

私的には、そういった「どう見えるか」ということに変に気を回さなくていいうえに、緊張せずに物事そのものに集中できるので、BtoBのほうがあっているな~と思います。

基本的な礼儀を持って、コミュニケーションが取れるなら、大丈夫かと思います。


3.おきゃくさまは神様!のBtoC 持ちつ持たれつのBtoB

BtoCの場合は、パワーバランスがはっきりしています。とにかく、対価をもらう以上はお客様が上です。私がいた会社は主客対等を理念にしてましたが、それでも結局は、お客様が上です。
だからプロフェッショナルを求められるし、視線も厳しくなります。


一方、BtoBの場合は、「持ちつもたれつ」の対等関係の感覚が強いです。

文書を編集する、デザインをつける、印刷する、出荷する、広告を打つ、売り込む。

ひとつのことをやるのに、いろんな生業の人が関わってきます。自分の会社で一緒くたにやっていることもあるかと思いますが、外注して助けあっているところもあるんですね。なので、会社は違うし、お客さんではあるけど、一緒に協力して仕事をしているという感覚が強いです。仕事をもらって、仕事をおろす。
社会のなかに組み込まれている感覚?が強いのもBtoBだなぁと思います。
いろんなカラーの会社があるので、良かれ悪かれ、それをみるのも楽しいです。


4.一期一会のBtoC 
BtoBは他業種とも協力しながら、仕事をこなすので、自分のオフィスを超えた社外のこともちょっと見えたりします。でも新規開拓!みたいな大きな仕事をしない限りは、働く相手の会社もそんなに変わらない感じがします。
BtoCより、見える会社の幅や社会の仕組みの視点は広いですが、接する相手はあまり変化はありません。

逆にBtoCは仕事の枠組みは決まりきっている感じがするし、ビジネス的な外とのつながりもそんなに広くはないです。
だけど、接する相手がめまぐるしく変わります。毎日違う人に会います。
いろんな人に出会える!という良いポイントもありますが、実際は長い目で見ると一瞬の出来事なので、そういった人との深いふれあいみたいなことは期待できないかなと思います。
ただ、いろんな人に出会うことによって、ちょっとした顔色で雰囲気を読み取ったり、話すスピードを相手によって変える、みたいな読心術みたいなことができるようになります。
どこか会話を俯瞰するような癖がついて、相手の信頼が取れた!瞬間もわかるようになります。それから感謝をダイレクトにもらえることも、やりがいを感じられる点ではあります。




いかがでしたでしょうか。
BtoBとBtoCどっちが向いてそう~とかありましたか?

私の主観もかなり入っているので、参考になるかはわからないけれど、なにか役にたったら嬉しいです。
私は本当に接客業を続けることが苦しくなって、働いているときも、こんなことを続けて一体になにになるのか、アルバイトと何も変わらない…と思い続けていました。
でも、閉鎖された職場から、一般的な社会にでると、敬語もマナーも笑顔も、社会では意外と「当たり前」ではなくて。
くだらん!と思っていたことが、実は強みになる!ということに気が付いて、驚きました。なので、今はようやく、頑張ってよかったな~という気持ちになれています。


自分が持っている力が、いまはどんなにくだらないと思えても。
環境を変えたり、提供する相手が変わると、自分は変わっていないのに急に光り出すことがあるかもしれません。
自分がどう変わるかだけでなく、力をどう生かすか考えることも大事なのだと、転職して気が付きました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?