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思考の癖をなくし、4つのステップで実施する問題解決のプロセス

何らかの問題に直面したとき、場当たり的な解決策で対応し、改善されなかった、失敗してしまった、という経験はないでしょうか。

会議で売上を上げるアイディアをみんなで考えたけど、成果につながらなかった…なぜミスが起こるのかを考えたけど、原因が多く出てしまって何を解決すればいいのか分からない…そんな経験がある方は、よくある思考の癖に陥っているのかもしれません。

ここでは正しく問題解決を行うために、ここでは「What→Where→Why→How」の4つのステップでアプローチする方法を紹介します。

What:何が問題なのか?(問題意識の明確化)
Where:どこが問題なのか?(問題箇所の特定)
Why:問題が生じる原因は何か?(真意の追求)
How:どうするのか(解決策の立案・実行)

陥りがちな思考の癖

人は課題や問題に対して取りがちな思考の癖があります。具体的な例と合わせて説明しましょう。

問題
あなたはある会社の人事部員です。最近、社員の離職率が高くなっています。何を考えますか?

出てきた意見

  • 教育がしっかりできてないのでは。教育を強化しよう。

  • 仕事がきつい割に給料が低いんだよね。だから給料を改善していこう。

このように原因から考え始めてしまっていませんか?

私もそうだったのですが、人は多くの場合、何らかの問題・課題に直面すると、なぜそうなっているのか(Why)、どうしたらよいのか(How)から考え始めるという強い癖を持っています。問題が生じる本質的な原因をつかむことなく、目につく問題や思いつきに手を打って失敗をしてしまうのです。

問題に影響を与える原因は、限りなく考えられます。また、原因が相互に絡み合っていて判断するのが難しいこともあります。結果、原因のどれが影響力が大きいのか判断できず、せっかく考えたことが無駄になってしまうことがあります。

必要なのは正しく問題を捉えること

このような状況に陥らないために、「なぜ辞めるのか(Why)」の前に「どんな人が辞めるのか」「どういったタイミングで辞めるのか」など、Whereを考え、どこに問題があるのかを調べることが重要です。さらに、そもそも「人が辞める」ことの何が問題なのか、Whatを考える必要もあります。

どこに問題があるのか、Whereを考える

調べることで「5・6年勤務してステップアップのために辞める社員が多い」「若手社員が定着しないことが数年続いている」といった傾向が見えてきます。どこに問題があり、どこに問題がないのか、を整理・分析し、原因を考える出発点を絞り込むことが必要です。Whereの分析は事実に基づく議論になるため、より合理的な議論ができるでしょう。

何が問題なのか、Whatを考える

人材の流動性が高い国や地域などでは、「人が辞める」こと自体は問題になりえません。何が問題なのか、を明確にしないまま議論をすると、途中で「そもそもそれは問題なのか?」と話が戻ってしまい、それまでの議論が無駄になってしまいます。

このように混乱を避けるために、Where、Whatを考えることが大切です。それぞれのステップについてもう少し詳しくご紹介します。

What:何が問題なのか?(問題の明確化)

同じ状況をみても、それを「問題だ」という人もいれば、「問題ではない」という人もいます。よく問題は「あるべき姿と現状のギャップ」と言われています。

人によって問題の捉え方が違うのは、

  • 現状に対する認識

  • あるべき姿に対する認識

が異なっているケースがあるからです。

「Web業界ならこれくらい辞めて当然だ」「一般的な企業と比較したら辞め過ぎだ」といったように認識が異なることで、問題かそうでないかが変わってきます。その場合は、この2つの認識をしっかり揃えることから始めましょう。

Where:どこが問題なのか?(問題箇所の特定)

Where(問題解決の特定)は問題解決の肝と言われています。どこにどのような問題があるのかを特定するのですが、そこで必要なのが、視点の発散と収束です。まず、どこに問題があるのか視点を広げて発散していきます。職種、年代、社歴など様々な軸や視点を広げていき、様々な切り口で傾向を分析していきます。

そして問題がある状況に共通している、共通していない属性や条件を見つけて問題の箇所を絞り込んでいくのです。

Why:なぜそうなっているのか?(真因の追求)

Whereで問題箇所が明らかになったら、なぜそうした結果が起きているのか、原因を考えていきます。原因はたくさん考えられてしまう上に、複合的に絡み合って影響していることから、追求するのが難しいと言われています。

ここでも発散と収束が役立ってきます。まず、全体をMECE(漏れなくダブりなく)で考えられる原因を洗い出していきます。洗い出した原因の中で、状況をしっかりと見据えていくと、それらの多くは原因ではなく現象(結果)であるケースが少なくありません。原因と思って挙げたものをよく見ると、それぞれが相関関係にあることがわかります。

例えば「売上が上がらない」→「自社の強みや優位性を市場にアピールできていない」→「市場における自社の強みや優位性が明確になっていない(または言語化できていない)」→「組織(会社)や社員が市場における自身のバリューを認識できていない(または意識できていない)」→「組織(会社)や社員が、土俵としている市場での戦い方を知らない(またはわかっていない)」といった具合につながっていきます。ここからどこからどこまでの点を問題と捉え、何が課題となっているのかを推測・分析し、改善の方向性を打ち出してきます。

このように、洗い出した原因を相関関係で捉えると影響度の高い原因を突き止めることが可能です。

How:どうすればよいか?(アクションの合意と選択)

What→Where→Whyとステップを踏んだら、最後にHow(アクションの選択と合意)です。ここでは以下のような論点を考えます。

  • 考えられるアクションは何か?

  • いくつかのアクションをどのような基準で選択するか?

  • 想定されるリスクは何か、その対応策は?

ここでアクションを1つに決めて実行してしまうと、「他のやり方はなかったのか」「なぜこうしなかったのか」と疑問を持つ人が出てきます。そのため、アクションの選択肢を出してから選ぶことで全員の納得感が高まるでしょう。
また、いくつかのアクションを検討し、そこから評価していくことが重要です。評価の軸もその時の状況によって変わります。よく使用される緊急度・重要度のマトリクスがありますが、コスト・スピード・リソースなど、その時の状況によって判断していくのが望ましいです。

こうしてアクションを決めたら、それに対するリスクとその対応も事前に話しておくと万全です。

いかがでしたでしょうか。このように人が陥りやすい思考の癖をしっかり理解することで、問題に正しくアプローチをすることができます。

売上や業務改善など、さまざまな施策を検討する際に、このアプローチを活用してみてください。すぐに大きな成果を生むことは難しいかもしれませんが、継続することで改善につながっていくはずです。


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