見出し画像

組織づくりは3歩進んで2歩下がる【463/500】

世はシルバーウィークなのかもしれませんが、結局、台風のせいで海にも行けずに会社にいます。はこの亀谷です。

さて、今日は私の考える「組織づくりにかかる時間と考え方」について書いてみたいと思います。

世の中、急成長・急拡大など短期的に成功することが良しとされがちですが、いち普通の経営者目線でいくと、組織づくりはじっくりコトコトやっていくのもオススメです。

株式会社はこは、7年間で23人という規模で、今30人の壁への挑戦を進めています。

一人で独立してから、この規模感くらいまでで悩む経営者の方も少なくはないと思いますので、一事例として何か参考になれば嬉しいです。

では、書きます。

サラリーマン時代の制度と向き合う数年間

さて、ひとりで独立すると数年間は過去の自分の働き方と向き合う数年を過ごします。

過去に自分が働いていた制度を元に、良いと思っていた制度を残し、悪いと思っていた制度を削る作業です。

独立して経営者になると、全てを自分が決められるようになります。

自分で会社をやる以上は、自分が良いと思える会社にしたい。

誰しもそう思うはずです。

なので、独立してまず始めは、自分がこうしたいと思う制度でスタートします。

既存の会社で働くことと、自分で会社を作ることの大きな違いは、当たり前ですが、既に何かしらの組織があるかどうかにあります。

普通にサラリーマンをやっていると気づきませんが、大きな会社になればなるほど、組織に支えられて働いているものです。

独立して一人でやってみると、まずはどれだけ自分が組織によって支えられていたのかという事実に気づき、変だなぁと思っていた制度が何故存在していたのかということを理解します。

ここで軽く「自分勝手ばかり言っていて申し訳なかったなぁ」と過去に対して反省しつつ、自分の会社に実装しなければいけない組織と制度を考え、採用を始めます。

ひとりから始めて、少しずつ人が増えてくると分かるのですが、人数が少ないとよっぽどのカリスマ経営者でもない限り、個々の意見が強く出てきます。

そして自分ひとりで始めたにも関わらず、社内には違う価値観が存在し、その価値観も理解した上で、どういう制度設計にしないといけないのかという複雑さにひとり悩むことになります。

独立した当初、何もルールを決めずに働くひともいるかと思いますが、将来の組織化を考えるのであれば、一人の段階でいろいろと制度を作り、試しておくのはおススメです。

次第に自分の会社の文化が生まれはじめる。

次に採用をしながら組織づくりを進めます。

少人数のときには組織は不安定でグラグラします。

リーダーとして強く出てもグラつくし、周囲の意見を尊重してもグラつきます。

良く組織論で「30人の壁」「50人の壁」「100人の壁」と語られますが、個人的にはベンチャーはその前に「1人の壁」「5人の壁」「10人の壁」「20人の壁」が存在すると思っています。

「1人の壁」:自分ひとりで全部やった方が楽。増やさない方が楽。と割り切り経営する。

「5人の壁」:2人目を採用したくらいから、バランスが悪くなって3人目を雇いだす。そこから芋づる式に人が増えだし、5人くらいでさらに拡大するのかどうかについて悩む。

「10人の壁」:組織を率いてリーダーとして動くけれどもまだ実力が足りずに、個の意見をどう取り入れたら良いのかなどと組織についていろいろと悩む。

「20人の壁」:将来に向けての売上・利益・制度のバランスといった経営的な課題にリアルに直面しだす。

「30人の壁」:会社の基盤を固めて、会社の文化を明確にした採用が求められるようになる。

こんな感じでしょうか。

20人くらいまでは特に売上との葛藤、自分の経営能力との葛藤も多く、いろいろ悩みます。

この段階までは、経営者の実力が足りていなくて、制度設計が不完全なまま組織の拡大を目指すので、ひとの出入りも少し多くなり、結構病みます。(※人が会社を去るのは本当に経営者にとってはツラいです。)

始めから腹を決めて、ひとを増やすことを前提にビジネスモデルを組み立てていると、この小さい組織の段階で悩まなくても良いのは楽だと思うのですが、おそらく30人、50人くらいで制度的な破綻で同じ苦しみを味わうのではないのかなぁと勝手に想像しています。

20人を乗り越え、30人を目指すくらいの段階になると、だいぶん経営で気を付けないといけないことが分かってきて、自社の文化を、一緒に働く仲間とともにどう作っていかないといけないのかが考えられるフェーズに入ってきます。

この辺で次に問題となるのは、制度というよりも採用の方でしょう。

会社としての制度的な課題にぶち当たり始める。

20人の壁を乗り越え、30人の壁に向かうころには、自社の方針も定まりはじめ、一緒に働く仲間を中心とした文化的な方向性も決まり、本格的に制度的な壁にぶち当たり始めます。

ひとりで会社を始めると、周りはみんな他の会社からやってきた中途社員です。

それぞれ前提にある文化が違います。

さらに20人くらいの規模になってくると全員に対して経営者が話す時間も短くなってしまい、自分が考える方向性を会社の制度によって表現しないといけなくなります。

20人くらいの人数から、社内で働く人の文化を合わせる苦労をするよりも、他の会社の文化を持ち込まない新卒を育てた方が良いといって新卒採用を始める経営者が増えるのはここに悩むからです。

新卒が入り始めたら、始めたで他に悩むことも出てきますが、今日はここでは割愛します。

20人から30人くらいの規模の際は、結構、採用にも苦戦します。

このくらいの規模になってくると採用も、こういう人が欲しいが具体的になってきていて、なかなか出会うことができません。

ましてや小さなベンチャー企業です。

これくらいの規模の時が一番、会社が欲しい人材像と採用市場のニーズが合わない時期なのかなぁと思っています。

組織の制度作りはやらないと分からない。

うちの規模感だとまだここまでしか書けないのですが、最後にここまでやってきた私の感想を書いて終わります。

私の感想としては、

組織の制度作りはやらないと分からない。

ということです。

これは何でも同じなのですが、結局、どんなに勉強しようがどこの会社にも当てはまる制度なんてものは存在しなくて、それなりのカスタマイズが必要になってきます。

そのカスタマイズをするためには、自社の事業の状況を理解し、自社で働く人たちのことを理解する必要があります。

その状況の中で、経営者は自社内でトライアンドエラーを繰り返して経験値を貯め、少しずつ自分の会社が分かるようになってくるのです。

これは意外と重要で、人事であったり、制度に関して、外部のコンサルを入れて一般論で最適化しようとする会社も良く見ますが、絶対にオススメしません。

外部の意見を聞き、ちゃんと自分の会社にマージできる状況であるのであればよいですが、それでなければ時間がかかっても必ず自分で考える経験をするべきです。

経営者が事業を知り、社員を知り、制度を考えることに時間をかけずして、より良い会社になることはないと思います。

組織づくりは3歩進んで2歩下がる。

こう思って焦らずゆっくりやっていくしかありませんね。

それでは、皆様、良い週末を!


現在、母とのコラボ企画を行わせていただいております。サポートいただいたものに関しましては、全て実家の母の創作支援費用として利用させていただこうと思っております。何かお礼できることがあれば考えますので、お気軽にご相談ください。いつもありがとうございます! かめ