MetalNEKO

真っ赤に熱した鉄を、ハンマーで叩いて延ばしたり、細くしたり、曲げたり、丸めたり。 鉄の…

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真っ赤に熱した鉄を、ハンマーで叩いて延ばしたり、細くしたり、曲げたり、丸めたり。 鉄の鍛造で、フライパンなどの暮らしの道具を制作しています。使う人と共に時を重ね、たくさんの思い出が込められるような、ものづくりを目指して。

マガジン

  • これからの世界の中で

    暮らしていくことに向かい合う。 変わりゆくものたちの中で、変わることなく大切なもののために、変えてゆくこと。 形作るものと形作られるものたちとの間にある、形にならないものたちのために、紡いでいくこと。

最近の記事

この世界の中で、その先へ歩いていくための物語。

このところ特に、ふと思い出してしまう過去が多いのは、今自分の身の回りに訪れてきたものや、やがていつかくる未来を受け入れるための覚悟が必要だからなのかもしれません。 自分にとっても誰にとっても、行く先も分からない「その先」に向けて進んでいこうとするとき、何が正解かも分からなくても歩んでいくために必要なのは、自分なりに確かに大切に思える「物語」なのでしょうから。 だからこれは、ただの物語。 たぶんほとんどの方にとっては、何を言っているのか伝わらないであろう物語。 でももしかした

    • 楽しさと喜びと充実と幸せと。

      10月8日(日)、神楽坂の「てならい堂」さん新店舗にて、フライパンの体験&販売会を行います。 鉄のフライパン体験会・販売会@神楽坂ストア https://www.tenaraido.jp/tenarai/frypan_talk/ 13時から16時まで、いつでもご都合のよろしいときに、お気軽にお立ち寄りください。 鉄のフライパンは初めてという方も、そうでない方ももちろん、どなたでも。 いろいろなサイズや厚みのフライパンを、実際に手に取って実際に試してみて、五感で実感していた

      • ずっと繋がっている

        「なんだ、今忙しいのかよ。」 父が私に会うと、いつもお決まりのように聞いてくる口癖のようなもの。 以前ならこう聞いてくるときは、何か手伝ってほしいことがあるとき。 「今は〇〇が終わって一段落したから、時間取れるけど、何かあんの?」と私が答えれば、車を出して父の仕事を手伝うのが常でした。 ここ数年、様々なことが重なって父の手伝いはなかなかできないまま過ぎてしまいましたが、その数年の間に、父も私も、それ以上の時間が過ぎ去ってしまったようにも思え、あるいはそれよりもずっと時間が巻

        • 揺らめきの中から、流れのままに。

          日本橋髙島屋にて開催中の「暮らしを彩るタクミの仕事展」に出展しております。会期折り返し後半残り3日となりました。 連日残暑というか、まだまだ猛暑が続きますが、多くの皆様にお立ち寄りいただき、またご購入、ご注文いただき、大変有り難く、あつく御礼申し上げます。 今年の夏は本当に厳しい暑さで、色々と対策はしてみたものの、体調を整えるのに精一杯となってしまいました。 12万年ぶりの高温、というニュース記事もありましたが、ただただ単純に歳をとったというだけなのかもしれません。 いず

        この世界の中で、その先へ歩いていくための物語。

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        • これからの世界の中で
          10本

        記事

          穏やかに夢中になること

          形あるものでも、形のないものでも。 何かを作ること。 料理をすることも、洗い物をすることも、手入れをすることも。 そこに特別なことは何もないかもしれません。 日々繰り返される、当たり前のこと過ぎて、時には退屈にも面倒にも感じられてしまうこともあるのかもしれない、ありきたりのこと。 私はここ数年、ほとんどフライパンばかり作ってきましたが、そんなにフライパンが好きで、フライパンが作りたくて作りたくて仕方がなくて作り続けているのかと言ったら、それはやっぱりちょっと違うかもしれま

          穏やかに夢中になること

          形のないものが生まれるところ

          「形のないものを作ることができたら」と、ずっと思い続けているわけですが、何かを作ろうとすると、形に囚われてもしまいがちです。 それは、言葉にはならないことを伝えたくても、言葉にしてしまうと、言葉に囚われてしまうようなものと似ているのかもしれません。 それは、常に流れの中にあって、動き続け、変わり続けるものをとらえようとしても、その一瞬、その一面しかとらえられないようなものかもしれません。 形のないものを作れるもの。 形のないものを感じることができるもの。 形のないものの中

          形のないものが生まれるところ

          「無駄」を省くことよりも、「無理」をなくすこと。

          「無駄」を省くことよりも、「無理」をなくすことの方が、自分にとっては大事かな、と、この頃は思うようになりました。 今はなにかと、「無駄」を省くことが重視される世の中。 時間を短縮し、できるだけ早く、楽に、簡単に。結果を追い求めるあまり、その過程での「無駄」に思えるようなことは嫌われ、時には敵視までされ、排除されてしまったり。 例えて言うなら、それは岸辺をコンクリートで固められて一直線に流れていく川のようなものかもしれません。 いろんな物事が流れていきます。 過去から未来

          「無駄」を省くことよりも、「無理」をなくすこと。

          ほんのひと手間、心を尽くせたら。

          「手間ひまを省くことに、私たちは心を奪われてきたと思います。 手間を省くことが智慧ではないのです。 むしろ、手間をかける智慧から、慈悲が生まれるのです。」 手間ひまかけること ー智慧と慈悲ー 臨済宗円覚寺派管長 横田南嶺さんの言葉 昨年、毎週楽しみにしていた、「鎌倉殿の13人」。その鎌倉時代に開かれた北鎌倉にある禅宗のお寺、円覚寺の管長、横田南嶺さんの言葉です。 いつからか、気がつけばずっと考え続けていて、探し続けていることがあって、その答えは何年経ってもまだ見つけるこ

          ほんのひと手間、心を尽くせたら。

          形のないものが形作るもの

          生きていきながら、刻んでいくリズム。 心臓は鼓動し、血は脈打ち、呼吸を繰り返す。 誰かとしゃべるときも、1人静かに考えを巡らせるときも、言葉は流れていく。 何かに反応して、全身の神経を伝達物質が駆け抜けていく。 生きていくことの中にも、暮らしていくことの中にも。 何かを作ることの中にも、仕事の中にも。 スポーツの中にも、遊びの中にも。 いろんなところに、リズムがあります。 普段なかなか感じにくいような奥底に流れるもの。 何かに夢中になっていると、そのさなかにふと感じることが

          形のないものが形作るもの

          変わりゆく中で、変わらずにあり続けるもの。

          はじめまして。 トトロの舞台にもなった狭山丘陵地帯、埼玉県のお茶の名産地のあたりで、鍛冶仕事をしているMetal NEKOの金子と申します。 鉄を真っ赤に熱して、ハンマーで打ち鍛えて様々に形を変え、日常の暮らしの道具から雑貨、インテリアや建築金物、手すりや門扉など、いろいろと制作しています。 ただ最近は、鉄のフライパンがご好評をいただき、ここしばらくはほとんどフライパンや鉄鍋ばかり作っていました。 鍛冶仕事、というと、代々続いてきた家業のように思われる方もいらっしゃるか

          変わりゆく中で、変わらずにあり続けるもの。